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私的徒然草  作者: 半信半疑
102/117

102 鋏 に ついて

は(8)さみ(3)の日ということで。

 鋏について考えると、文房具の一つという認識が強い。私の中では、紙を切るために使うものというのがまず第一に思いつく。勿論、鋏は紙以外でも切ること全般に使われている。しかし、鋏は何を切る時に使うかと尋ねれば、ほとんどの人は「紙」と答えるだろう。紙だと、折り目を付けて手でちぎることもできるが、切断面は大抵汚い(しっかりと折り目を付けた場合は綺麗にちぎれることもあるが)。よって、時間が無い場合や特にこだわらない場合にしか手でちぎらない。普段は鋏で切るようにしている。


 鋏で切る時の、あの「シャキシャキ」という音が、私は好きだ。たまに音が低くなって「ジャキジャキ」となるが、あちらも好き。また、するりと紙を切っていく感覚がたまらない。何の抵抗も無く切ることができるとストレスも少なくて良い。持ち手の二・三つの指を内側に締めることなく、ただ滑らせるだけで切ることもできる時があって、あれは大変気持ちいい。だが、たまに切りにくい鋏があって、そんな時は力を込めなければいけないので、少し厄介だ。


 ダンボールを切る時なんか、指も疲れるし切りづらいしでイライラする。ダンボールの構造は、少しばかり複雑で厚みがあるから、鋏で切るのには向かない。カッターを使えばいいのにという意見もあるだろうが、何故か鋏を使ってしまう自分がいる。癖なのだろうか。


 他に、糊付けされているものを切る時も面倒なことがある。その糊がしっかり乾いているかどうかに関係なく、粘着性のあるものは、鋏の断ち切る部分に引っ付いてしまうことがある。そのせいで切りやすさが低下してしまうので、これは地味にイライラさせられる。


 ビニール状のものを切る時も気をつけないとイライラする。普通に切るとビニールがくしゃっとなって切りにくい。なるべく根元で切るか先端で切るかを心がけて切るようにしている。もしくはビニールの皺を広げてから切るとか。ちょっと工夫が必要なのがイライラするポイント。


 本当に稀にだが、布を切ることもある。布は、ダンボールやビニールなどを切る時ほどストレスを感じない。ほとんど紙を切ってる時と同じような感覚だ。布裁ち鋏を使わないと、切った後が変な風になってしまうけれど。


 切る対象によって切りやすさが変わるのだろうが、使う者としては、どんなものでも切りやすい鋏が欲しい。勿論、全部の物に対応し切りやすさを追求していくことは難しいだろうが、そう思わずにはいられない。


 とはいっても、技術は日々進んでいるようで、現在の鋏には、切りやすくするための工夫が施されたものが存在する。それが『フィットカットカーブ』だ。特徴としては、湾曲した刃の稜線があること。普通の鋏は、刃の部分が直線であるか、緩やかなカーブを描いている。そして、二つの刃が接触する部分の角度が根元から先端に行くにつれ、小さくなっていく。先端部分のように角度が小さいと厚みがあるものの場合は力が分散して切りづらい。しかし『フィットカットカーブ』は、何処で切っても同じ角度が保たれて、力が分散せずに切りやすいらしい。


 私の手元には、普通の鋏しかないので、その切れ味を試してみることはできない。が、調べているうちに何だか欲しくなってきた。ぜひ購入して技術の進歩を実感してみたい。だが、今手元にある鋏も愛着があるので、全く使わなくなるという事は無いだろう。より優れた物を使いたいとは思うけれど、使える物があるうちはそちらを優先させたい。


 だが、鋏が壊れたことなど、私が生きてきた中であっただろうか? 貧乏性を乗り越えない限り、我が家に新しい鋏が来ることはないかもしれない。

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