このドスケベ野郎共
「ねー、襲先輩〜。紫昏達、帰ってきたみたいだよ~?」
通っている中学校の数学の宿題をしながらリーゼは言う。
弁護士の仕事を終え、アロハシャツにハンモックに揺られながらオフを満喫する襲が言う。
「そうか、確か真児には憑議の前の日に20万円ほど貸していたな。暇だし今から取立てに行くか。」
家事を手伝いに来ていた懐芽がリーゼの宿題を教えながら話に入る。
「神美ちゃんにちゃんとした日本語教えないかんしな〜、ウチも行こかな〜。あっ、ここの証明問題間違ってるで〜。」
目を輝かせながらリーゼが提案する。
「じゃあさ!今から皆で遊びに行こうよ!紫昏とカードゲームするんだ~!」
「そやな〜、ウチはええけど、リーゼくんの宿題全部終わってからな〜。ここの問題も間違うてるで~」
「うぇ〜、この問題苦手なんだよなぁ。懐芽教えて~。」
ハンモックに揺られながら襲が言う。
「おいリーゼ、勉強なら俺も教えられるんだぞ。なぜ俺を頼らない。」
リーゼが答える。
「いや襲先輩の教え方難し過ぎて分かんないんだよ...」
ショックを受けながらハンモックに揺られる襲
「な、なるほどな...そうか、分かりにくかったのか。...おい懐芽、この俺にリーゼにも分かりやすい教え方を教えろ。」
懐芽が微笑みながら答える。
「襲さんはホンマにリーゼくんのこと好きやな〜、でもそんな二度手間したくないから教えませ~ん。」
さらにショックを受ける襲
「くっ、二度手間...確かに...この俺としたことが、リーゼの為になると思って思考が止まっていた...。俺はどうすれば...」
溜息をつきながらリーゼは口を開く
「いや、早くこの問題教えてよ...」
1時間後、リーゼ達三人は葬の神社に来ていた。
リーゼが叫ぶ
「しーぐーれー!あーそーぼー!!」
懐芽が叫ぶ
「しぇーんーめーい!あーそーぼー!!」
襲が叫ぶ
「しーんーじー!あーそーぼー!!」
凄い勢い良く引き戸が開く
「クォラァァァァ!!昼間から発情期のメスブタみたいにうるさいのことよアホメイド共!!!!家に帰ってご主人様のポークビッツでもしゃぶってなぁぁぁ!!!!」
神美の後ろから紫昏が現れる。
「あっ、リーゼくん!遊びに来てくれたの〜?う、嬉しいな~」
紫昏の後ろから真児が現れる。
「あっ、襲さん...チィーッス、いや〜今日はなんの御用で?も、桃〇郎電鉄でもしますか?ハハハー」
懐芽が怒る
「こら神美ちゃん!そんな言葉使うたらあかんで~!今日という今日は綺麗な日本語を使えるようになるまで帰らへんからな〜!」
「嫌アル!私のバイブルである同人誌以外では日本語なんか1ミリも覚えたくないネ!クソ喰らえヨ!あっ、ちょっ、腕引っ張るなこのご奉仕性奴隷め!やめ!嫌!嫌デスヨ~!!!」
リーゼが元気良く言う
「紫昏〜!俺が新しく持ってきたカードゲームしようぜ~!ルール教えるから!!」
「う、うん〜!えへへ、楽しみだな〜!僕の部屋行こ~!」
借金の取立て屋の顔をした襲が口を開く
「おう真児、お前俺がこの前貸した20万のこと忘れてねぇだろうな?」
ガタガタと震える真児
「い、いや〜、顔怖いっすよ襲さ~ん。え?20万?えっと〜、円ですか?元ですか?お、俺のオススメはジンバブエドルなんすけど~?なんつって〜!」
「そうかそうか覚えてねぇってか。お前ら三人が仲良く俺の金でバカンスに行ってる間にな?俺は汗水流して働いてたんだぞ?金が返せねぇってんなら今から日雇いの良いバイト紹介してやるからよ。ほら着替えて表出てこいや。」
「は、はい~!!!」
2階 紫昏の部屋
「リーゼくん、僕達だけでハワイに行っちゃってごめんね...今度はリーゼくん達も一緒に行こうね...!」
「気にすんなよ紫昏!お土産のマカダミアナッツ美味かったし!」
ニッコリと笑いながら紫昏は言う
「本当?一生懸命選んだ甲斐があったよ〜!神美さんはなんかよく分からない棒状のお土産が人気で良いって言ってたんだけど、真児お兄ちゃんが必死で止めてたからやめたんだ。」
「神美が選んだお土産とか絶対いらねぇ...」
「あっ、そうだ!昨日美味しいジュース買ってきたんだ〜!今持ってくるね!」
「おー!ありがとう紫昏!じゃあ俺は持ってきたお菓子でも広げとくか〜。」
1階 台所 神美と懐芽が昼食を作っていた。
「おい肉欲メイド、そこの人参取るネ。勘違いするなよメスブタ、私の大切な穴に突っ込んで気持ちよくなるわけじゃないのことよ。」
「神美ちゃんしばき回してええか~?素直に『 人参を取ってください』って言えへんの〜?」
2階から降りてきた紫昏
「あっ!懐芽さん、何作ってるの?」
「あら、紫昏くん~、今な~神美ちゃんとカレー作ってるんやで〜。お菓子は程々にしといてな~。」
「そうだヨ、この短小包茎野郎、ワタシ特製カレーなんて滅多に食べられないアルからな。おいマグロ女、早く人参取るネ。」
「カレーか~!うん、分かったよ〜。リーゼくんにも言っておくね。じゃあ出来たら呼んでね!」
ジュースを持って2階へ上がる紫昏
「は~、紫昏くん、可愛いわ〜。あんな素直な良い子なかなかおらへんで~。」
「あんな童貞ブタ野郎のどこが良いアルか。年中発情期のショタコン女の考えは分からんデスヨ。ていうかもう人参取らなくていいネ、てめーが切れ。」
一方、東京都心から外れたドヤ街
まるでヤクザと多重債務者のような二人が工事現場の前で話す。
「いいか真児、本名も年齢も明かさないお前が出来る仕事なんてな、この鉄骨を担いで階段登っていく単純作業ぐらいしかねぇんだよ。ここでキッチリ8時間働いたら借金の20万、チャラにしてやらあ。」
ヘルメットに白のTシャツ姿の真児
「へ、へい!分かりやした!このライオット・真児、一生懸命働かせていただきます!!」
「よぅし、俺はそこの休憩室でずーっと見てるからよ。一瞬でもサボったらもっとキツい所に回すぞ。いいな?」
ガタガタと震える真児
「わ、分かりました!!!」
同時刻、葬の神社
後ろ姿はエプロンの似合う美少女が叫ぶ
「カレー完成アル!あのアホ童貞共呼んでくるのことよ!」
メイドが言う
「じゃあウチは盛り付けしよくな~。」
勢い良く2階へ上がる神美
「おーいショタホモ野郎共〜、神美様特製カレーが出来たでしょ~!マスかいてないで早く降りてくるネ〜!」
紫昏の部屋の扉を開ける神美
「おい聞いてんのかオナニー猿共!って、な、何してるアルか!!!」
そこには半裸になりベッドで重なり合う紫昏とリーゼの姿があった。
「あっ、神美さん〜。今カードゲームで負けたリーゼくんのお腹に罰ゲームで落書きをしようとしてて~。」
顔を赤らめるリーゼ
「紫昏の奴、初心者の癖に超強いんだよ。めっちゃ悔しい!」
青ざめる神美
「ほ、本物のホモ野郎共だったとは...見てはいけないものを見たような気がするネ...おい、このヤリチンボーイズ!さっさと服着てカレー食いに来るヨロシ!てめぇらの弱みは握ったからな。これからは神美様に逆らうなよクソガキ共。じゃあな。」
勢い良く閉められる扉
紫昏が言う
「...ホモって何?」
リーゼが答える
「さぁ?神美の言ってることって毎回難しくてよく分かんないんだよな~。まぁいいや、早く服着てカレー食いに行くぞ!」
1階 食卓
少し興奮しながら走って降りてきた神美
「おいダメイド!お前のとこのご主人様は半裸で友達に絡みつくガチガチのホモ野郎のこと!!うちの紫昏に悪影響ネ!!紫昏にはノンケの道を進んで欲しいヨ!」
「な、何言うてるん神美ちゃん〜。さすがになんか事情があるんと違うか~?まぁ、リーゼくんがもしそういう趣味やったとしても、ウチは応援するで〜。」
絶望に打ちひしがれる神美
「おいおいマジかよメスブタ...」
2階から降りてくる紫昏とリーゼ
「お菓子我慢したからお腹ペコペコだよ~。」
「カレー食い終わったらおやつとしてポテチ食おうぜ紫昏!」
微笑みながら紫昏は言う
「うん、そうだね!」
二人のやり取りを聞いた神美
「何がお菓子我慢ヨ。お互いのうまい棒しゃぶりあってた癖によく言うネ。ワタシBL物は趣味じゃないアル。」
全ての盛り付けを終えた懐芽が言う
「さぁ、皆で食べよか〜。では手を合わせてご一緒に~、いただきます〜。」
「いただきます。」
「いただきまーす!」
「女体盛りならきっと100倍美味いヨ。」
「神美ちゃん~?いただきますが聞こえへんで〜?」
「じ、冗談ネ!いただきますするから早くその暗器をエロい太ももに戻すヨロシ!!」
紫昏が今日一番の笑顔で言う
「皆で食べると美味しいね!」
一方その頃、工事現場のヤクザと多重債務者
「くそぅ、鉄骨何本あんだよこんちくしょう...」
「おいサボってんなよ真児ィ!!!」
「へ、へい〜!!!」