一回戦:二回表
「あれ、お前、左利きやったっけ?」
「いや、メジャーは左腕不足らしいからサウスポー有利。という訳で左投げになる!」
「…本気で言ってる?」
天の川
〜漫画の読みすぎで、左投げは可能と思い込む高三の秋〜
「利き腕は簡単に変えられんって。いつも右手で生活しとうやん。」
「やけん、サウスポーになれば肩の磨耗を防ぐために右手のままで生活出来るとって。」
「………」
「大丈夫。いつも練習してたから。」
「どこで?」
「授業中、右手で漫画をめくりつつ左手で先生の投げたチョークを掴んでそのまま…」
「分かった、もういいよ。じゃあ、とりあえず消しゴム投げてみて。」
「ほい。」
「へ?」
どん
がっしゃーん
「人並みには投げられるんよ、へへへ。」
「確かに。…壊れて落ちた壁掛け時計が証明してるな。コントロールの悪さを。」
「………この時計、なんか高そうなんやけど。」
「それ、今年買ったばかりの高級な時計。」
「もしかして反省文コース?」
「むしろ弁償コース。」
時計を壊した。
先生に怒られた。
やる気が下がった。
先生の好感度が40下がった。
球威が上がった。
制球が下がった。
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ステータスが変化しました。
やる気 普通 ↓
球威 4 ↑
制球 0 ↓