神様!転生したらハーレム作りたいです!
コンパの帰り道、今日も女の子をゲットできなかったな。昔から俺は平凡を極めていた。運動、成績、外見のどれをとっても平均ぐらい。もうそろそろ彼女欲しいなと思いながらトボトボと帰っている時…バナナの皮で滑った。俺は階段を上っている時にバナナの皮で滑った。もっと詳しく言うと、この階段は通称"100段階段"と呼ばれており俺はあと5段で上り切る所にいてその段にギリギリ乗っかっているバナナの皮を踏んだ。皆様、お分かりだろうか?俺は95段分を転落し意識を失ったのであった。
目を覚ました。でもそこは病院ではなく花畑のなかだった。ん、花畑?そこら中に小動物がいっぱい居た。ネコやらイヌやらリスやら…あ、ハムスターもいるな!ネコに食べられないのか?
「あ、目が覚めたー?」
そして何処からか小さな男の子が現れた。ちょっと待って、宙に浮いてるんだけど。…あーね、ここは天国なんだな。だとしたら宙に浮くのも当たり前かもしれない。でもどうせ天国に来たなら美女に出迎えて欲しかったな。子どもかよー。小動物たちが美女だったら良かったのに!
「ちょっとー、ひどいなー。可愛いじゃん。この子達。ボクはネコが1番好きなんだー。ほんと癒されるよね。えっとあのね、本題にいうと実は君は今日死ぬはずじゃなかったんだよー。ボクがポイ捨てしたバナナの皮で滑るなんてドジだよねー」
お前かぁあああああ‼あんなとこにバナナの皮を捨てたのは!お前が捨ててなければ俺はあれから先の人生で美女と結婚してたかもしれないだろ!?どうしてくれるっ‼
「…美女とは結婚できなかったと思うけど、まぁボクもちょっとは悪かったかもしれないし君の好きなように転生させてあげるよー。わぁボクってやさしー!」
え、なんだと?好きなように転生できる?…マジで⁉よっしゃああ‼じゃあ、ハーレムっ!俺、超美男子になってハーレム作りたい!美女を周りに侍らせたい!俺を金持ちの美男子にしてくれ!
「わかったよー。一応聞くけど、どんな感じの美男子がいいのー?童顔?きれい系?それともブス専の美女を侍らせられる顔とかもあるけどー」
えっと、手足がすらっとしてて顔は10人中10人が二度見するぐらいイケメンで歳をとってもイケメンのままの顔がいいな。あと、声もイケメンボイスで頼む!他に何か……ああ、俺の周りに俺以外の美形の男はいらねぇ!俺のハーレムの邪魔になるからな。同種じゃなかったらいいや。ペットがブサイクとか嫌だし。あとは……身体に程よく筋肉をつけてくれ。間違ってもゴリマッチョにするなよ?以上かな。
「はいはーい。顔はイケメンで歳をとっても外見が変わらず手足がすらっとしていて程よく筋肉がついてる金持ちでイケボな美男子になりたいんだねー。周りに同種のイケメンは無しと…。はい、じゃあ転生させるねー。いってらっしゃーい!」
こうして俺はイケメンに転生したのだった。
そして今俺は周りに老若男女の美形を侍らせ暮らしている。…違う、違うよ、神様。俺の想像してたのと違う。たしか俺は"顔はイケメンで歳をとっても特に外見が変わらず手足がすらっとしていて程よく筋肉がついてる金持ちでイケボな美男子になりたい"といったけど、俺の姿はあながち間違ってないけども…、侯爵家に生まれたからものすごい金持ちになったけど…。自分の身長以上のものに飛び乗れたり、狩りが上手なことで異性にモテたりするオプションはいらなかったよ…。え?別にいいじゃんって?羨ましい?あのな…10人中10人が俺のガラス細工の様なエメラルドの目、美しいグレーの毛、しなやかな身のこなし……素敵なしっぽにメロメロになるのが羨ましいか?そう…俺は人間ではなく獣人になった…のならまだ良かった。俺はネコに生まれ変わったのだ!違うよぉ、神様ぁ。俺は人間の美男子になりたかったの!ネコじゃないの!ああっ、ボンっきゅっボンッのお姉様がいっぱい居るのにー!くそぅ‼俺は人間になってハーレムを作りたいんだぁああ‼皆様、俺はあのバカ(神様)のせいで美女にモテモテな(愛玩動物的な意味で)猫生をおくることになりました。