晴れの日の夜空
懐中電灯を片手に、もう紅葉も散り去った土手を歩いていた。
太陽は山の裾に沈み、朱の時間は終わりを告げた。
なんとはなしに空を見上げた。
晴れの日の夜空は黒くない。
暗くはあるものの透き通っていて、青空だった頃の面影を残している。
しかし残念なことに星にはちょうど薄雲がかかっていて、その輝きを拝むことは出来ない。
少し肩を落として下を向いて歩いた。
枯れた木々が寒々しさを助長する。
その時、北風が吹き抜けた。
冷たい空気が頬を赤く染める。
腕を組んで縮こまっている内にそれは収まった。
一息ついてから、かじかむ手で懐中電灯を消した。
一瞬にして辺りは暗闇に包まれる。
そしてもう一度ゆっくり空を見上げる。
薄雲は綺麗に流れ去り、いつもよりも少し明るい星空がぼんやりと視界に広がっていた。
嫌いだった冬と、少しだけ仲直りできたような気がした。