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こんな勇者で大丈夫か?

作者: 上上手取

初投稿になります。読んでいただけたら幸いです。

ちょっと文章の作法を入れて整えなおしてみました


 お城に呼ばれたよー。ということで王様と対面しています。

 一応謁見という形なのでこちらは片膝をを立てて頭を下げる形です。こういう座り方なんて言うんでしたっけ? 騎士のポーズ?

 などと考えていると準備が整ったのか王様からお声がかかりました。


「勇者よ……面を上げい」

「はい……」



――――



 自分の生まれはこの国では辺境と呼ばれる死の荒野にある影の部族というところに生まれました。

 実は自分にはいわゆる前世の記憶というものがあります。そのせいか子供らしくない、ちょっと……いやかなり大人びた子どもとして育ちました。幼なじみたちの中でもいつもまとめ役でしたしね。


 そんな自分に転機が訪れたのは10歳の頃でしょうか。うちの部族には成人の儀というものがあってそれを行うことで大人として認められ一族の固有の能力、「自らの影を使った様々な技能」を得ることができるようになります。

 そんなことを知った前世の記憶を持つ自分は考えました。


 (この儀式で実はチートパワー覚醒でウハウハじゃね?)と


 そんな考えに囚われた自分は、幼くして儀式を成功させて「この子はなんてすごいんだー」とチヤホヤされることしか頭にありませんでした。今思えば早まったことを考えたものです。


 朝、大人たちが狩りに出かけたのを見計らって儀式場に侵入。半日ほど寝込みましたが見事儀式には成功……というところまでは良かったのですが勝手に儀式を行ったことを咎められ……儀式には手順がありその通例を破って力を得た自分は村を追い出されることになってしまいました。


 なんでも儀式を行うと体の成長が止まり以降は魔力が代わりに成長していくようになるとのこと。そして精力が激減し子供を作る力が失われるため普通は子供ができてから儀式に臨むのが通例だそうです……え?これから肉体はずっと10歳のまま?それに幼なじみたちとの子種に期待されてたとか……あ、幼なじみたちは全員女の子です……普通にしてたらハーレムだったとか。聞いてないよー

 思わずマジベコミのポーズをとった自分の気持ちを理解していただけるだろうか……


 それで追い出される日の朝に何故か朝立ちしているのを見つかっていろいろあったのだが……うん結局種は出なかったので追い出されるのは変わらなかったんですけどね。まさかあんなことで魔力による肉体強化と回復法を身につけることになろうとは……きもちよkげふんげふんいやなんでもないですよ?


 それで、村を追い出されたわけなんですが……村の周りのモンスターがむちゃくちゃ強かったんですよ。道理で子供は村の外に遊びに行けないわけです。

 最初の数日は逃げまわるだけだったんですが肉体の代わりに魔力が成長する。半端ないです。一週間もすれば魔力強化ありで1対1ならなんとか退けられ、2、3ヶ月もすれば自作魔法も使い余裕で狩れるほどにまで成長しました。いろいろな魔法を覚えていた前世の知識に感謝です。



――――



 ……おっと、ちょっと回想が長かったかな。謁見の間の雰囲気に釣られてちょっとそれっぽい感じでやってみたのだが。……王様の前でボーっとしていたのバレてないよね?

 お、今は王様の代わりに大臣かな? が勇者に今の現状を説明しているなー。


 え? お前が勇者じゃないのかだって? やだなー自分影の民の出身ですよ? 勇者といえば光と相場が決まっているじゃないですかー。

 それじゃなんでここにいるのかって? そりゃルーが……勇者としてここに招かれたルーテシアが自分が一緒じゃないと行かないと駄々をこねたからですよ。



――――



 あれは村を追い出されてから1年位立った頃かな? うん、進めど進めど人に出会わねー。いったい自分たちはどれだけ辺境に住んでたんだなんてことを考えてた頃だな。

 ある時ものすごい力の波動を感じてなぜだか無性に追い出された村のことが心配になりこれは急いで帰らねば……と思ったらおっさんのそばで寝かされていた。

 何を言っているかわからないと思うが事実そうだったのだから説明のしようがない。

 おっさん……この後弟子入りして師匠と呼ぶようになるのだが……が言うには荒野の真ん中でぶっ倒れていたらしい。よく魔物に襲われなかったな自分。

 なんにせよ1年ぶりに出会った人だ。色々話を聞くとなんでも魔王復活の神託を受け10年ほど前からこの荒野を調査して回っていたらしい。で、倒れる前に感じた力の波動。あれが魔王復活の証らしい。調査の報告に戻るところだというので自分も村を追い出されたということを話し一緒に連れて行ってもらうことになった。

 んで、その時に一緒にいたのがルーテシアというわけだ。


 一緒に旅をすることになれば当然出会う魔物も一緒に退治することになる。で、いわく自分は魔力を力任せに使っているとのこと。

 ということで師匠に弟子入り教えを請うことになり師匠とはそれなりの関係を築けたのだがルーテシアにはむっちゃ嫌われていた。

 自分も最初は「こいつなんだか相容れねぇ!」と感じていたんだがどうやらルーテシアは光の波動を放ってるらしいとわかってからはあんまり気にしなくなったんだけどね。

 だって自分は影の民出身。光と影。自分と違うもう片方に良くない感情を抱いても仕方ないだろ?

 ましてやルーテシアは当時8歳。こちらのほうが歳上だ。だが大人の余裕というもので対応してたらますます嫌われてしまった。なぜだ?



―――――



「恐れながらお願いがございます」


 とはルーの声。おおっと、また昔に意識を飛ばしてたら進展があったようだ。ちゃんとTPOをわきまえた発言になってるな。昨夜さんざん注意したかいがあるってもんだ。


「なんじゃ。申してみよ。」


 とは王様のそばにいる人。あの人も結構高い地位にいる人じゃないかなーとか考えてみる。それにしてもお願いとは……まぁ自分を一緒に連れて行かせて欲しいとかそういうとk「ゆーくんをくんくんしてもいいでs(スパーン!)あいたぁ」


 ……俺は自身の影の倉庫から前世の記憶にあったハリセンという武器を取り出しルーの頭を思い切りすっぱ抜く。

 ちなみにあいつの言うゆーくんとは俺……ユージャナイヨのことである。前世の名前が悠だったとかは関係がないはず……


「何いってんのお前は!お城の中ではそういうことはしないようにと言ったはずだよね?」


 ほら見なさい。王様以下周りの人たちもポカーンとしてるよ。


「だってお城に来てから長いこと待たされてもう4時間以上ゆーくんを抱きしめてないんだよ? 私は断後抗議します! というか今すぐゆーくん成分を補給できなければ勇者なんてお断りします!」


 あーなんか真に受けて周りの人が慌てだしたよ……

 はぁー……なんでこんな子に育ったんだろう……



――――



 それはある意味突然だった。……とはいえなんとなくそんな兆候は感じていたのでそれとなく声はかけてたんだが。いつもはぐらかされていたのでそれとなく気は配っていたのに……出会ってから2年ほどしたある日師匠が倒れたのだ。

 この死の荒野と呼ばれる過酷な環境を子供二人抱えて旅をするという無理がたたったのだろう。しばらくその場にとどまり養生に専念するも荒野の過酷な環境はそれを許さず……師匠は亡くなった。俺にこの10年死の荒野を調べた成果を国に届けるよう頼んで。

 幸いおおまかな地図はあったので荒野を抜けるだけなら二人だけでも何とかなりそうだったので師匠の遺言に深くうなずき師匠を見送った。


 だが、ここで困ったのがルーテシアの対応だ。


「おまえなんかいらない」「父さんの意思は私だけで叶えてみせる」


 といって自分との同行を頑なに拒否したのだ。

 ルーテシアも10歳ほどになり背も自分を少し追い越して(俺の肉体的成長は止まってるんだよちくせう)ますます自分に対する態度を硬化させていたところだったのでとりあえずやりたいようにやらせてみることにした。無論こっそり見守りますよ? ……そういえば師匠の遺言にルーテシアのことは頼まれなかったなー……こんなお人好しな部分を見ぬかれてはしないよね?


 大人でも多いと思う荷物は10歳の少女の体にはとても重く……それでも自分の力は借りないと意地を張る少女のために、別れたふりをしながらも先回りして魔物を駆除したり休憩場所を作ったりと……正直この頃になるとこの辺りの魔物には軽く無双できたのでちょっと調子に乗っていたのだろう。少しばかりルーテシアから目を離して遠出をして戻ってきてみればルーテシアが見当たらない。少しばかり周りに気をやるとルーテシアが魔物に追いかけられているのを発見した。


 ルーテシアの実力は師匠の鍛錬を受けていたとはいえ1対1で何とか魔物を追い返せるレベル。なれない大荷物を運搬しながら過ごし、疲労した状態ならば言わんずもがなだ。


 とはいえルーテシアの態度からして普通に助ければまた拒絶される可能性もある。ということでちょっと一芝居打ったのだが……どうやらそれが効きすぎてしまったようだ。嫌いと好きは変換できる……とは誰が言った言葉だったか。


 ともかくそこからは力を合わせ荒野を抜け国に資料を渡しやることもないのでしばらく一緒に各地を放浪してたんだがルーが成長し大きくなるにつれお姉さんぶるようになってきたのだ。

 それはもう姉が愛する弟を溺愛するかのようにダダ甘に。俺のほうが年上だよね! との声も虚しく(周りから見ればたしかに姉弟に見えるだろう。見た目はな!)常にスキンシップを求めるように……



――――



 そう…つまり今のこの状態だ。


「ゆうくんゆうくんゆうくんーーーーっすぅーはぁーすぅーはぁー4時間ぶりのゆうくんの匂い! くんくんくんくん男の匂いはしないけど男の子の匂い! でもそれがたまらない~~~っあ、男の子の匂いが好きなんじゃないよ! ゆうくんの匂いが男の子の匂いなだけなんだからね! はーずっとこうしていたいのにまわりがそれを許さない~~~っお姉ちゃん悲しいっあっ! おうさま~この後ゆうくん抱きしめたままお話聞いててもいいですか? え!いい! いやったー! ゆうくんゆうくんこれからずっと一緒だよ! なんたって王様公認だからね! 式はいつに…」


 俺はため息を付きながら一人思う。

 ……こんな勇者で大丈夫か?

続かない

だから

勇者覚醒の儀式で既視感を感じるとか

魔王軍の将軍になってた幼なじみたちVS勇者の女の戦いとか

主人公が監禁されてハーレムエンドとか

そんなものの予定はありますん

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[一言] その話の続きは妄想で補えということか?
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