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リアルのヤンデレ?との関係を追憶す

作者: 白虹

────これは、実話。何年も前の話だし、勿論今の彼氏とは異なる人とのお話。

数年分を抜き出して書いています。

ヤンデレ増殖企画なのに、"リアル”ヤンデレには注意しろ、付き合うな的なお話です。

了承いただける方のみ続きをお読みください。

彼──ヤンさん(仮名)と知り合ったのは、家庭の事情でパニック障害や睡眠障害を発症し、眠れない暇な時間を潰すために見ていた出会い系サイトだった。そして、たまたま夜勤の待ち時間を潰すためにメル友を探していたヤンさんの掲示板の投稿を見てメールして私のヤンさんとの付き合いは始まった。

会う気がかけらもなく、適当に相手してくれたらそれでいいと思っていたが、幸か不幸か趣味がとても合った。それはもう、今考えると可笑しいんじゃないかと思うほど。

その事があり、あっという間に意気投合して仲良くなったのは仕方のない事だったかもしれない。

私の様子をいぶかしんだ父親に喧嘩を吹っかけられた後も関係は続いた……1回も会うことなく。

そんな関係が変わったのは突然だった。

電話中、ヤンさんの様子がおかしい。鬼のようにメールしていればそのくらい簡単に分かるようになるようだ。どうしたのか、具合が悪いのかと心配するも、そうではないと歯切れの悪い話し方しかしない。そうなると更に気になるのは人のサガ。

「どうしたの?言ってみてよ」

そう何度か聞いてやっと、

「ユウのことが好きになっちゃって……」

という驚きの言葉が返ってきた。

「え!?」

青天の霹靂という言葉がこの時の心情を的確に表現している気がする。

今まで書かなかったが、本来この2人の間に恋愛なんて"起こってはいけない”。まず年の差、13も離れている。距離も九州と福井。

そして、最大の理由。ヤンさんは既婚者。子どももいる、イクメンパパというヤツだった。

一度は断った。だが、ヤンさんとのメールは続いた……止めないでと泣かれれば当時のチョロイ私は関係を終わらせられなかったのだ。この時終わらせていれば、と思わないでもないがそうするとこうやって婚約者サマや卯堂さん達と会えなかった訳で……彼を恨めばいいのか感謝したらいいのか悩む所ではある。

ただ、元通りかというとそんな事はなく。

どうしても意識してしまう。元から異常なほど趣味があっていて、マメな性格。しかもそこにきて、当時付き合っていた彼氏との価値観の違いが出てきたり、ドタキャンされたりで別れようかと悩みだした所だった。ついつい絆されてしまった私は悪くない!……と、思いたい。

そして、私とヤンさんは付き合いだした。遠距離なので余り変わらなかったが。

数ヶ月に1回こっちに来れるかどうかの状況。

それでも楽しかったし、そこまで寂しくなかった。なにせ、1日に100は超える数のメールをするし、携帯小説を書いて見せ合いっこしたりしていた。今の彼氏とは1日3通なのに、すごい違いである。

ただ、その頃よりヤンデレは見え隠れしていた。朝、メールを見ると長ーい文章が。もはや覚えていないが、もうダメだ的な内容だったと思う。その日は心配で仕事にならない。

聞くとケロッとしていたりする。やめて欲しいと言っても何度も送られてきた。

そして、喧嘩した時。あれは遠距離なこと、不倫ということへの罪悪感とかもあり、別れ話を切り出した時だったと思う。

仕事の休憩中にメールを確認していると、今どこそこにいるよとお前はメリーさんか!と言いたくなるような文章が。しかも1時間くらい前のもの。慌てて電話すると、明日休みだからつい電車に乗っちゃった☆というようなお話で、もう半分くらいは過ぎてる。追い返す事はできなくて、仕事終わりに駅に直行。喧嘩はもうどうでも良くなっていた。

駅すぐのホテルへとりあえず、直行。夕刻に話せそうな所なんてすぐには思いつけなかったし、返す便もなかった。

部屋を取り、荷物を置くとヤンさんは別れないでくれ。嫁とは別れる気がある。君と結婚したいと思っている。と畳み掛け、離婚届と結婚届の2枚、しかも署名付きを見せてきた。

これまでも、そしてこれからもこの2枚を同時に見せられる機会は無いことを切に願う。

当時の自分はちょろかった。見たこと無い書類とヤンさんの剣幕に圧倒されて結局そのまま関係を継続してしまったのだから。

その後、ヤンさんは福井に帰ったのだけど。

そもそも一番精神的に追い詰められていた時期。パニック障害も一番酷かった時期。自分自身もかなり大変だった。

何を思ったか、自殺しようとしてネットの友人に止められたり……そういえば彼とはこの頃からの仲だ。今でも辛くなると頼ってしまうお兄さん。実は勿忘草の郷やその時の名前の名付け親(の1人。彼女さんと2人で考えていただきました)。ウチの婚約者サマはいい顔しないけど。……すみません、蛇足だった。

そうやって、遠距離を続けていた時に転機が。

家を出るため探していた、寮付きの仕事が見つかったのです。福井で!

うすうす分かっていた母は父に丸投げ。父はショックだったのか、同じ市内で暮らさないかと説得されたが最後には折れた。最後に出た日以来、母以外には会ってなく父にいたっては声も聞いていない。

ま、元気にしているらしいのでいいんですけど。今度会うとして結婚話だろうし。また蛇足。

さて、寮は幸か不幸かヤンさんのお近く。勤務前か勤務後に来て、夕方頃には帰っていくという状況。

徐々に寂しさが募っていった。そして気疲れも増えた。どこへ行っても奥さんの影を探した。

そんな状況が変わったのは何時だっただろうか。ヤンさんが急に仕事を変えた。それから事態はさらに悪化していった。

転職がうまくいかなかったようである事は愚痴を聞いているうちに分かっていたが、とうとう鬱になってしまった。自殺を考えるという事は重い方だと診断されたという。

それから医者に止められたからと仕事を辞めた。仕事が起因だからだと、そのままでは治らないからと。

ただ、私の感じだとその後も悪化していったように思う。

元々依存の気があったが、それが顕著になっていった。ベッタリといえば分かるだろうか。

また性格も変わったような気がする。ぞんざいな扱いになっていた。

戸惑い、友人たちに別れを強く勧められ悩んでいた時別れを決意する事件が起こった。詳しくは書かないで置くが、まぁ……同意無しである種の暴力を受けたというようなことだ。

トラウマがあり、最も嫌う事をされてしまい100年の恋も醒めた。何年も付き合っていながら離婚の話は1度きり。

そんなに子供と嫁と居たいなら勝手に居ろ。私はもう知らない。そう思い、ヤンさんに別れを告げた。

「別れたくない」

「今から嫁と別れてくる」

そう言って、無理矢理私を連れて行こうとするヤンさん。

今すぐに出来るんならこの数年間に別れられたんじゃないの?今さら何言ってんの。

私は腕を振り払って、断った。

「好きな人が出来たの(嘘)。ヤンさんとはもう付き合えない」

泣きながら土下座されたが、もう心に響かなかった。あの時はいっぱいいっぱいだから思わなかったが、今なら昔との変わりように笑える。女心と秋の空とはよく言う。

終始私が突っぱねるので、ヤンさんも諦めて別れてくれたか……とその時は思った。

それから3日後の朝、長ーいメールが届いた。

自称ヤンさんの母からだった。

曰く、ヤンさんがリストカットを行って病院に運ばれた。復縁できないのか……と。

そして、そのメールは毎日毎日2,3通以上届いた。内容はひたすら復縁を迫るだけ。

ちなみにそのメール送信元のアドレスはヤンさんだ。

私は自分の男の見る目のなさに笑えた。

こんな男だったのか、と。何年もいて気がつかなかったのか、と。これは手に負えないだろうに、と。

人につれてってもらって、ショップで番号ごと変えてもらった。また、ヤンさんが行きそうな所やブログはひたすら避けた。

半年後に1度チラ見して以降見かけた事はない。

ブログは1年くらい経過してから覗いて見た。

すると、私や嫁という都合の悪い内容は全て消されて、独身の保父さんを目指すオッサンのブログに様変わりしていた。なので、本当に入院したのかはさっぱり分からず。

とりあえず、ヤンさんとその可愛い子供たちが幸せにしている事を願うばかり。




最後に、数年分を纏めた+記憶を掘り起こして書いているので、かなり端折っていたり「なろう」だからとボカしたりしてヤンデレが上手く伝わっていないかもしれない。

まぁ、やっと振り返るようになったのでこの機会をいただけた事に感謝をしつつ。

婚約者サマはヤンデレではないはず……だよね?婚約者サマ?



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― 新着の感想 ―
[一言] 初めまして。 なんかつらい思い出を綴ったエッセイなのかな? 自分と似たような境遇というか、 恋愛遍歴を送られている作者さんだなぁと思ってついついコメントしてみました。 ただ、ジャンルという…
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