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part17
「面白い結果になったわね」
暗い部屋の中、握りこぶしよりふた回りほど大きい水晶球を見ていた人物がつぶやいた。
「こんな所で本当の力を持つ人材が、しかも一度にこんなに見つかるなんてね」
その水晶球の中に、数人の高校生の姿が映っている。
顔を真っ赤にして叫ぶ一樹とそれを押しとどめようとする会長と智里、ぐったりして動かない大輔と沙代子、そこから少し離れたところに同じように倒れて動かない瑞姫と、それに語りかける奈津美の姿がそこに映っている。
「もっとも、実力のほうはまだまだ未熟のようね・・・・・・それにしても」
その視線が、さきの戦いで何かの召還を行って見せた小柄な少女に止まった。
「この子、結構力があるみたいだわ。それも、まだ完全には顕現していない。どこで学んだのかは判らないけど、教え込んだら、面白いことになるかもしれないわね」
そして、その人物は形の良い口元をにやりと歪めた。