表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Forever Local」  作者: こうた
第七章「その後の地元」

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

73/82

第73話「静穏」

八月。



---


強い日差しの中でも、


どこか静けさが混ざっていた。



---



---


それは外の世界ではなく、


彼らの内側の変化だった。



---



---


マサルは職場での評価が安定の域に達していた。



---



---


大きな変動はない。



---



---


だが崩れない。



---



---


それが一番重要な状態になっていた。



---



---


義足の違和感もほぼ消えている。



---



---


痛みではなく“感覚”として共存している。



---



---


シンジは通院生活をほぼルーチンとして過ごしていた。



---



---


不安は完全には消えない。



---



---


しかし波は小さくなっている。



---



---


医師の言葉も短くなった。



---



---


「安定しています」



---



---


それだけで十分だった。



---



---


アキラは職場で完全に中核メンバーになっていた。



---



---


判断を任される頻度が増える。



---



---


迷いはある。



---



---


だが止まらない。



---



---


“動きながら整える”ことを覚えていた。



---



---


ユウスケはトレーニングの周期が安定していた。



---



---


食事、睡眠、運動。



---



---


崩れないリズム。



---



---


それがすべてだった。



---



---


ナオトはそれを見ている。



---



---


評価ではなく記録として。



---



---


夜。



---



---


喫茶店。



---



---


扇風機の音だけがある。



---



---


会話は少ない。



---



---


しかし沈黙は軽い。



---



---


マサルが言う。



---



---


「なんか、落ち着いたな」



---



---


アキラが頷く。



---



---


「やっとここまで来た感じや」



---



---


ユウスケが続ける。



---



---


「ずっと戦ってる感じは減ったな」



---



---


シンジは静かに言う。



---



---


「戦うんやなくて、生きるだけになった」



---



---


その言葉に誰も反応しない。



---



---


ただ受け入れる。



---



---


ナオトが言う。



---



---


「静穏ってのはな」



---



---


「何もないことやなくて」



---



---


「荒れへんことや」



---



---


その言葉が空気に溶ける。



---



---


外では夜の熱が残っている。



---



---


しかし内側は穏やかだった。



---



---


マサルは帰り道で立ち止まらない。



---



---


シンジは薬を淡々と管理する。



---



---


アキラは明日の業務を自然に思い出す。



---



---


ユウスケはトレーニング計画を確認する。



---



---


それぞれの“静穏”。



---



---


劇的ではない。



---



---


しかし確実に存在している。



---



---


ナオトは最後に言う。



---



---


「これが続くなら、それでええ」



---



---


そして物語は、


次の段階――“定着の完成形”へ向かう。



---



---


第74話「完成形」へ続く。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ