8/8
エピローグ(前日譚)
マウスはライブ終わり、一人の少年に声をかけられた。白い翼を持ち、頭には美しく光る輪を浮かべている。
「あの、売れなくて辛くないんですか」
聞くところによると、その少年はジャズピアニストを始めたものの、なかなか芽が出ないらしい。マウスは笑った。
「辛くねえよ。ていうか、人生で起きる悪いことなんてたった一言で片付けられる」
「何ですか?」
「この星が俺に向いてなかった。ただそれだけだろ」
「それだけ?」
「そう、それだけ」
少年はどこか納得したように頷くと、その白い翼でどこかに飛び去っていってしまった。マウスは悪魔のような笑みを浮かべると、その頭に生えた角を自慢げに撫でた。




