楓と優太が……?
ある日の休日、最近仲良くなったクラスメートの女の子たちに誘われて私の家から30分ほどのファッション店へ服を買いに行ったが、そこで私たちは衝撃の事実を目にすることになる。ファミレスでお昼を食べ隣の雑貨店で少し買い物をし、その後ファッション店へ。
衣類なら何でも安く揃う老若男女に大人気の店だ。ゆっくり見ていると、聞き覚えのある声が店内に響き渡った。
「すぐ終わるから」
「楓の買い物長いからなぁ」
「見たい服あるの」
「ファッション苦手だぁ」
なんと、楓と優太が手をつないで入店してきたのだ。何も知らない私たちは陰に隠れて様子を見ていたが……
「ウソ! 楓と優太付き合ってたの?」
「私たちも知らなかった」
「お客様?」
「ひゃい!?」
不運にも店員に声をかけられ、驚いた私たちは意味不明な声を上げながら飛び出してしまった。
「華恋! それにみんなも」
「お前ら何やってんの?」
当然、二人に見つかってしまい気まずい状況ながら買い物をすませて喫茶店へ移動し、詳しい話を聞いた。
「実は俺たち、中一から付き合ってんだよね」
「4年も付き合ってたの? マジで~!?」
「楓、なんで言ってくれなかったの? お祝いしたのに」
「だって華恋と優太って幼馴染みでしょ? なんか気まずくなるんじゃないかと思って言えなかったんだぁ」
楓の言葉に思わず吹き出してしまった私は。
「バッカねぇ、気まずくなるわけないじゃん。私はコイツのことなんか好きでもなんでもないんだし」
「俺だって華恋なんか好きくねぇよ」
つい本音を言ってしまったが周りは大爆笑。あまりに大きい声だったからか店員に怒られてしまった。
「お客様、他の方もいらっしゃるのでもう少しお静かに」
「はい……すみません」
私たちは店員に頭を下げて店を出た。
「どっちからコクったの?」
「俺から……中学の入学式で一目惚れしちまってさぁ」
「まさか、雨宮くんと佐倉さんが付き合ってたなんてねぇ」
びっくりしすぎて放心状態な私をよそに女の子たちは大盛り上がり。
「優太! 楓は私の大事な友達だってこと忘れんなよ? 泣かせたらマジ許さないから」
「んなこと言われなくたってわかってら!」
「あたしからも! 華恋の幼馴染みだからってあまり変なことしないでよね。事と次第によっちゃ別れるかもよ? 私にとっても華恋は大事だから」
「わかったから別れるのは勘弁してくれ」
私には常に強気な彼も楓には頭が上がらないようで、本当に好きであることが手に取るようにわかる。はじめに聞いた時は意外だったが、こんなだけど根はいいヤツ? なので幸せになってほしいものだ。
「何やってんの? 早く行くよ」
「待ってくれよぉ」
「私たちも行こうか。二人の邪魔しないように。へぇ~、優太と楓がねぇ。二人とも幸せにね」
私たちは気づかれないように抜けて、再び買い物などを楽しんだ。イチャつきながら去っていく二人を遠くから見つめてなんだかホッコリした1日になった気がした。




