ep4
仕事の合間にちょこちょこと、気長に更新です。
せっかく異世界に転生したのだ、魔術が使いたい。
そう思って、魔術を試してみたくなった。
ちょうど、今読んでいる初級魔術一覧の最初のページにある魔術を使ってみようと思う。
「え~と、【あかりをともせ、ライト】」
体から何かが抜けていく感覚とともに、掌に小さな明かりがともった。がすぐに消えてしまった。
マッチの火程度の大きさだが、これは成功でいいのだろう。
「おお~!できたできた!なんだ、簡単じゃないか!
じゃあ次は、危なくない魔法・・・これかな?【かぜよふけ、ウィンド】」
同じく、体から何かが抜けていく感覚とともにふわりと風が吹いた。
誰かに息を吹きかけられた程度だが、発動自体はしたのだろう。
「これも成功、と。次は・・【かげをおとせ、ブラインド】」
目の前が真っ暗になった。
え?なんで?魔法書には明かりを落とす程度って書いてあったのに・・・
これじゃあ本が見えない。
中断する方法がわからない。
探すために明かりをつけねば・・・
「ライトでいいかな?・・・あ、れ・・・」
明かりをつけなおそうと、詠唱をしようとしたとき。
体がけだるいというか、貧血というか・・・
ただでさえ真っ暗な部屋で瞼が重くなり、そのまま意識を失った・・・
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アレスシスは元勇者だ。
魔族領から進行してきた魔族を退け、魔王を討伐することで進行を止めた。
魔族との戦いではいろいろなことがあった。
魔族領での旅、戦いの中での成長、仲間の死・・・
当時の勇者パーティは他種族から選ばれたメンバーでの旅路だったため、種族間での文化の違いや戦いでの連携の仕方等いろいろ問題があったが、だんだんと過ごしていくうちに皆強く、結束を高めていた。
エルフ族の妖精姫アリス、竜族の聖職者イグニス、ドワーフ族の護り手ボモア
人族から3人でシーカーのデュクス、魔術師のミシリス、そして剣士アレクシス
各方面からの選抜、推薦と方式は様々だが精鋭が集められてパーティとなった。
デュクスとミシリスは兄妹で勇者パーティのメンバーだったが、
魔王討伐時にミシリスをかばったデュクスが命を落とした。
その際、ミシリスを頼む。と一言の遺言を受け取り魔王討伐後にアレクシスとミシリスは結婚した。
今でも度々元メンバーとの交流はあるが、各々それぞれの種族での立場もあり常に一緒というわけでもない。
討伐後は冒険の物語を基に劇団が演目を作成したり、魔族領との和平交渉での護衛だったりと様々なことがあったが、一番は辺境伯としての領生活だった。
魔族領の近くの場所に、牽制の意味合いも込めながら与えられた辺境の領は
勇者からもじって「ユーシス」と名付けられ、姓を授かり生活していくことになった。
結婚後、子供にも恵まれアリアやミューシャ、そして最近念願の長男アレンが生まれた。
アリアは精霊姫アリスの祝福を受け、精霊に愛される子として優しい子に育っていった。
ミューシャはボモアが祝福と称して装飾のついた剣を送ってきた為か、剣術に興味を持つようになった。
アレンが生まれた際、イグニスより竜族の卵を送られてきたときはびっくりした。
なんでも、神龍と呼ばれる姫が魔力によって産み落としたものだといい、いつかアレンに必要だと言って送ることになったものだという。
生まれるまではアレンの部屋に置いておくように、とのことだがいつ生まれるのやら。
3人の子宝に恵まれることになったが、アレンの出産時は少し特殊だった。
ミシリスのお腹の中でそれまで感じていた魔力が消えたのだ。
その時のミシリスの顔は絶望の色に変わった。
そう、魔力が失われたということはすなわち、流産だったからだ。
必死に治癒魔術を行使し、領のベテラン助産師とも奮闘した。
そこで思い出したのだ、死に際の魔王の一言を。
「我死ぬとき、貴様の幸せも奪い、魔族への手土産とする。
忘却の彼方にて、我の生を思い出すがいい」
魔王の死に際の魔術は不発したように見えたのだ。
しかし、今がまさにその状況だったのだと。
何も起こらないまま過ごしていた為、記憶から徐々に消えていたが治癒魔術の使い過ぎで意識が朦朧とし始めたとき、ようやく思い出したのだ。
だが、奇跡が起きた。
子供が息を吹き返したのだ。
死産を覚悟し、助産師が必死に子の背中を叩いた。
青白くなった唇が徐々に赤味を増していく。
呼吸をし出して産声を上げた瞬間、それまでの憂いと絶望も吹き飛びミシリスと子を抱き合った。
助産師も奇跡だと、さすが勇者の子だと言って泣いていた。
生まれてた子はアリアとは逆で、精霊が近寄らなかった。
不思議に思い、よく観察をした時に見つけてしまった。
アレンと名付けたとの子の魔力に、魔族の魔力が薄くではあるが流れていることに。
何も起きないまま、すくすくと育つわが子を見て安心していた時事件は起きた。
剣の演武をミューシャに見せていた時に事件は起きた。
アレンの部屋から闇の魔力が流れ出て、黒く染まっていた。
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