サン勃起 Part.2
【アイバラグ】によって強化されたサンの肉体。
サンは、ミアのマンコにまっしぐら!
俺は絶望に打ちひしがれる。
ミアのマンコが、また他の男に使い古される!
しかし、その時だった。
「な……なんだこの感覚は……!?」
サンの肉体の輪郭をなぞるように、黄色がかった白いオーラが揺らいで見える。
これは……俺のスキル【強化付与】か?
だが、何かが違う。第一、俺のオーラはあんな色じゃ―――
気がつくと、俺の両手は無意識のうちに、サンの方へと向けられていた。
俺は、ミアの処女が散らされた時の光景を思い出す。
不快感。勃起。自己嫌悪。
その思いは、オーラとなって、掌からサンの肉体へと向かっていく。
「―――――――――――――付与。」
「ミアアアアア!!!くらえええええ!!!!」
「い、いやあああああ♥♥♥♥」
サンは、自らの腰をミアに向かって勢いよく押し出す。
もはや、言葉を発する者は一人としていなかった。
その場にいる全員が、その瞬間を固唾を呑んで見守っていた。
パコンッ!!!!!
腰と肉の弾け合う音が、静まり返ったクランへと響き渡る。
……
しかし。
「……♥?」
「お……おい……」
「ミア、無反応だぞ……?」
そんなことは、ありえなかった。
サンの【強制発情】のターゲットになった女は、マンコに服が擦れただけで失禁絶頂する程の感度を備える。
ましてや、サンのチンポは子宮を貫いた。
その当事者でいるミアが、全くの無反応。
それは、誰が、どう考えても、現実的にあり得る話ではなかった。
サンは、微動だにしないミアに違和感を感じ、打ち付けた腰を今一度、手前へと引き戻す。
その瞬間、現場の全員が、サンの股間に釘付けになる。
「~~~ッ!!!」
「ど、どういうことだ!??」
周囲の異様な雰囲気に気付いたのか、サンは、自らの股間へと視線を向ける。
そのペニスは、勃起していなかった。
「ウ、ウワアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!!!」
けたたましい慟哭が、メンバーの鼓膜を激しく揺さぶる。
「ナンデ、ナンデエエエエエ!!!!」
アイバラグによって理性を失い、その『あり得ない現実』を受け止めることのできなかったサン。
彼は、頭を掻きむしり、机の上の食器を叩き割り始める。
「お、おい!誰か止めろよ!」
「サン、一体どうなっちゃったんだ!?」
クランに蔓延する混乱。
なんという光景だろう。
言葉に表すならば―――そう。優越感。
俺の股間は、勃起していた。
一方、サンは、勃起することができない。
それは、【オス】としての、あまりにも一方的な構図であった。
「ボッキ……オレの……チンポ……!!」
「おい!やべーぞ!誰か麻酔持ってこい!」
「メイジだ!メイジを呼べ!」
「……ジ……ジルノ……シワザ……!?」
その瞬間、俺とサンは、目が合う。
「アア・・・ア・アア・・・アアアアアアアアア!!!!!」
サンは、周囲にあるものをなぎ倒しながらこちらへと突進してくる。
ま・・・まずい!!
「ジ、ジルウウウウウウウウウウウ!!!!!!!」
「メイジです!只今到着しました!」
「あれだ!サンを狙え!催眠魔法だ!」
「【強制催眠】!!!」
メイジの詠唱後、ロビーは暗転。
その杖から放たれた一閃の光は、雷のようにサンの体へと落ちる。
「あああ……!あああああ……!」
「あああ……!」
バタッ
サンは、その場に倒れ込む。
ざわざわ……
どよめくロビー。
気絶したサンの周囲に集まるメンバー。
しかし、皆がサンの体から一定の距離を置き、彼の、その股間を見つめている。
「お……おい……」
「まさか、サブチーフたるものが勃起していないなんて……」
「これは……大事件だぞ……」
慌ただしいロビー。
俺はどさくさに紛れ、一人、自分のねぐらへと戻る。