開眼 推しの美少女 雪女あやめに激辛のラーメンを食べさせてLIVE配信 バズった
ここは雪国 雪女の故郷
3時のおやつの時間
あやめは お父さんとお母さんと妹たちに囲まれて 大好きな かき氷をみんなで食べている いろんなシロップがあるけれど あやめが好きな シロップはイチゴだった いちごのかき氷 誕生日とか結婚記念日とか何か特別な日にはここにアイスクリームとか小豆がつく それはフラッペとか宇治金時とか言われるもので 雪国の国の中では贅沢料理として かき氷の中でも秀でていた。
お父さんが突然 言い出した。
「あやめ 人間の国に行ったら もちろん 暖かい食べ物や 熱い食べ物は 普通にあるけれど、どれも 雪女にとっては天敵のものばかりだ 中でも、『激辛ラーメン』、『地獄ラーメン』、『日本一まずいラーメン』と、言われるものには決して手を出しちゃダメだぞ そんなもの食べたら 最後 体の中から暑さがこみ上げてきて 体内を破壊してくる あまりの暑さに気絶することも 免れないだろう 雪女にとって 気温の暑さはもちろんのこと 食べ物のあつさも 天敵なのだ 外的要因と内的要因 それらは雪女にとって どちらも難敵だ。まあまだ あやめは、ちっちゃいからわかんないだろうから大人になってからでもいいから 今、言ったことをよく思い出してみるんだな」
「はい お父さん」
あやめは 話半分で聞いていた何より目の前のかき氷が大好きで美味しくてたまらなかったからだ
あやめがそうやってかき氷に夢中になっていると お姉ちゃんを見て妹もかき氷に夢中になっていると お父さんとお母さんは自分たちが出会った頃の話をしていた。
「お父さん私と初めて 出会ったのは大学生2年生の頃だったかしら」
「いや違うよ 大学1年生の頃だよ」
それは初恋と呼ばれるものらしい やはりあやめはそんな話 どうでもよかった。妹も右に同じであった。
そんなことをあやめは 回想していた。 懐かしい記憶である。
その頃 雷生宅
トレンドニュースで 激辛ラーメン に入っている 唐辛子は美容にいいこともさることながら 免疫力を高め 体に失われている病気に対する病原体への抗体を向上させる役割が、唐辛子に含まれる成分 カプサイシンに入っているという情報を聞いた雷生はこれだと思いつく。
「よし 今日はあやめちゃんにラーメンを食べさせてあげよう。おもいついたら吉日とはこのことだ」
話は 1時間前に遡る。
「こないだはごめん」
「散々な目に」
「忘れちゃって」
「もうおかゆこりごりですの」
「分かってる 今度は違う料理をごちそうするから 今度こそ 任せて」
「信じて 期待して、ますの」
雷生はスマホの動画の画面のサイトをあやめに見せた。
「『君が、······病状の君が、病状の美少女を僕が料理を 食べさせて 元気づける』っていう趣旨のもとで配信したら 1000人突破 すごくない」
「すごいですの 私の動画を見て1000人もの人が
反応してくれたってこと、ですの」
「そういうこと だから 物は相談なんだけどさ やめちゃうの、もったいないと思うんだ このまま 俺たちバディ組んで一緒に動画配信 続けていかない」
「どういうこと、ですの」
「だから 大丈夫安心して。ダンジョンの中で発見した美少女、病に倒れる それを料理で回復看病する それを料理で元気付ける男っていう ことで こうやって動画をライブ配信してさ 職業にしてさ、お金儲けするんだよ」
「ライブ配信者としてお金儲け? ニート脱出、ですの」
あやめの目が少し ゴールドのように 輝いた その輝きを 雷生は見逃さなかった。
「そしたら何でも買え、ますの?」
「そうだよ 好きなもの 何でも買えるよ」
雷生のその言葉を聞いてあやめの目が今度は確実にキラリと光った 単純にアイスやかき氷が食べたかった 冷たいものが食べたかった 扇風機が惜しかった エアコンが欲しかった 冷蔵庫が欲しかった 発電機が欲しかった。
「好きなものを変えるんでしたら是非やらせていただきたい、ですの それに 世界の人たちが私か注目になってると思うと嬉しい、ですの」
建前だった。本音を言えば、雪女あやめは普通に目立ちたかった 雪女はその境遇 から 比較的 目立ちたがり屋の性分がある。
「よしきまり」
「せいぜい 踏ん張りなさい 私 が しっかり教育しますわ」
「何で急に上目線になってるんだ あやめちゃん」
ダンジョン生活に飽きてきた あやめにとって雷生はひょっとしたら 救世主かもしれない 私を、私の生活を変えてくれる 可能性すら感ずる あやめであった。
かくして雷生とあやめの職業にしたライブ配信者としての生活がスタートした。
「君が、······病状の君が、病状の美少女を僕が料理を食べさせて元気づける」
そう言って 肩に手を置いた。
「だから気安く触らないでください、まし」
「君こんなに体が冷たくてもしかしてすごい病気なんだね すごい顔も 赤みをおびてるし」
「はい?」
「大丈夫俺が必ず助けてあげるから」
そう言って 肩に手を置いた。
「だから気安く触らないでください、まし」
おもいっきり ビンタ された。
雷生は得心する 逆に冷たい 体が冷たくて弱って体が弱っていることを雷生に気づかせまいとしているアプローチ、気づかいだ。
「私はこう見えて、はんにゃら はにゃはにゃはんにゃはピーなんですよ(妖怪雪女なんです)」
「はっ?」
「だから、はんにゃら はにゃはにゃはんにゃはピーなんですってば!(妖怪雪女なんですってば)」
(もう何でこうやって人に伝えると こういう言葉になっちゃうの 呪いをかけられてしまったん、ですの)
「そうか体の具合が悪すぎて 思うように言葉を発することもできないんだね」
「だから違い、ますの」
「大丈夫俺が必ず助けてあげるから」
そう言ってもう一度 肩に手を置いた。
「だから気安く触らないでください、まし」
おもいっきり ビンタ された。
(やはり)
男は得心する 逆に冷たい 体が冷たくて弱って体が弱っていることを男に気づかせまいとしているアプローチ、気づかいだ。
「もう何でわかってくれないん、ですの いい加減にしてください、まし」
男はまた気づかって 女の子の肩に触る。
「触らないでください、まし もういい加減にしてください、ですの」
雷生は再び あやめの前に対峙する。
あやめが食べる料理の食材 飲み物 マッチ ライター ガスコンロ 鍋 包丁 まな板······。
「今日君の病気を治すために 食べ物や飲み物を持ってきたよ」
あやめの目がキラリと光った。
「あら 嬉しい、ですの」
雷生は思う。
(俺が持ってきた料理の食材と飲み物を見ながら 物色してなぜか寂しそうな顔をした 気になる なぜだろう)
「とりあえず これ飲んで」
雷生はペットボトルのお水を渡した。
水を得た雪女。
雷生は思う。
(感無量 この瞬間こそ ライブ配信した方がいいのじゃないだろうか いやお楽しみは後にとっておこう)
「今から料理作るから待ってて」
「分かったわ 頼みます、ですの」
スマートフォンを正面から三脚に立てて正面にむけた
まずは 動画配信をするにあたって 趣旨としては 料理を作るところから撮り 出来上がった 暖かい料理を あやめちゃんに食べてもらうという流れ あやめちゃんの 食べる顔アップ→ 美味しいと言った表情をアップ→ 笑った顔アップ→ ニコりと笑ってもしかしたら 八重歯が出るかもしれない (あるかどうかわかんないけど)→ そして彼女の笑った顔がアップで→どんどんどんどん引き気味になってて→全体像が 見えたところで→ 「カット!」
どうだ この流れ だてに動画配信で収益得てないぞ 俺は 雷生は胸を張って 胸を叩いて心の底からそう思った 当のあやめちゃんは 早くできあがった料理が食べたくてうずうず 顔で待っている。
(うむ かわいい)
「サウンドワーク OK カメラワーク OK アクション」
1日の仕事が終わり 夜のとばりがおりる頃 やったー、 疲れた、 お疲れ様です、 お疲れ様です~、 さあ 一杯やって帰ろう 会社から最寄り駅に行く途中 一軒の中華料理屋が目に入る 中華といえば 思いつく 料理は 麻婆豆腐 レバニラ炒め······色々あるけれどやはり ラーメン 中華屋で食べるそれは中華そば とか 人によっては言い方が違うけれど その中華そばと 瓶ビール 生ビールじゃなくて、「はい、お待ちどー」、それらで一杯やる コップに入れてドクドクいっぱいになった ぐいっと飲んでのどをうるおす。 「くはー終わった この一杯がやめられない」、 そんなイメージ さあ 中華そば 作ってみよう。
持ってきた 鍋とガスコンロを置いて準備開始 簡易 まな板と簡易ナイフと簡易包丁で野菜を切る。 長ネギ、ニラ 人参 玉ねぎ もやしの芽を取る ラーメンはどうしても スープが脂っこいから野菜をいっぱい入れることで バランスを取る このバランスが大事 いかに野菜を取ることが大事か ということを身をもって知らされるわけである
本命の唐辛子を入れる 小さじ1杯 こんなもので果たして 症状は改善されるんだろうか 良薬口に苦し という言葉があるけれど 薬だって 適量飲まなければ効果がないように思われる この唐辛子が良薬なのなら 小さじ1杯 どころか 入れれば入れるほど効果を発揮するのじゃないだろうか 例えば 唐辛子は美容に良い 1杯目 免疫力を高める 2杯目 体に失われている病気に対する病原体への抗体を向上 3杯目 唐辛子に含まれる成分 カプサイシンに入っているという この成分も 唐辛子にどれぐらい入っているのだろう 100%ではない。唐辛子が100%とすれば成分は10%未満とするとやはり 11杯で100% という計算になるから最低でも11杯は入れなければだめだろう そう思って11杯目を入れた後 念のため プラス5杯入れた。 これであやめの病気もきっと治るだろう 雷生は自信たっぷりの満面の笑みで キラリと白い歯を覗かせて カメラ目線を決めた。
グツグツ と煮えたぎる 鍋の中の 真っ赤な溶岩を見て 雷生はガッツポーズを作る。さあ もうすぐだ。
アウトドア用の紙皿とお手拭き コロナ だからね 家から持ってきた箸とレンゲをつけて 彼女の前に対峙させる スマホのレンズのカメラ位置を確認しながら さあ食べよ 病弱な乙女 病に倒れる か弱き 美少女よ 我が渾身の愛の手料理を食べその命の生命に輝きを取り戻すのだ。
LIVE配信に向けて
カット割りの確認をする 妥協は許さない 雷生のポリシー
食べる顔アップ→ 美味しいと言った表情をアップ→ 笑った顔アップ→ ニコりと笑ってもしかしたら 八重歯が出るかもしれない (あるかどうかわかんないけど)→ そして彼女の笑った顔がアップで→どんどんどんどん引き気味になってて→全体像が 見えたところで→ 「カット!」
「いただきます、ですの」
人生初のラーメンにあやめは意気揚々とレンゲと箸を それぞれの 手に持ち レンゲにスープをすくって 掴んだ麺をたっぷりとスープにつけ、ずるずると すする その横で雷生は満足顔であやめが食べる様子をうかがっている あやめが ラーメンを口に入れて数秒後に異変が起きた。
「からい、からい、ですの」
あやめは、あまりの辛さに火を吹いた。
「ぶひー、ごえー、ぶわー」
男だか女だかわからない 動物の鳴き声とも違う 奇妙な叫び声を出しながら あやめは、 周囲をぐるぐる 3回まわってワンみたいな犬のしつけ みたいにグルグルグルグル 回る 口から吐いた炎は 丸まって竜巻みたい······にはならなかったけど 頭上に向かって ロケットが空に向かって発射、みたいなニュースで流れる映像みたいな感じで ロケットが大気圏に突入した。あやめが吐いた炎も大気圏に向かって突入しそうな勢いだった。みたいな感じ。空に向かって まっすぐ伸びた。
犬のしつけのように その場で回転しながら走り回るのが終わったのかと思ったら 今度は ニワトリでもないのに「コケコッコケコッコー」と言って 片手を口にあて もう片方をお尻にあて ニワトリの真似 みたいにして中腰で 50m ぐらい突進した でもダンジョンの壁に当たって 「いたたたたっ」と、頭を押さえてる。
(ちょっとおかしいな そんなにか)
雷生は疑問に思って自分も作ったラーメンを食べてみる。
「かれえー」
雷生は、あまりの辛さに火を吹いた。
「ぶひー、ごえー、ぶわー」
以下 雷生はあやめと同じ行動をした 省略
雷生もあやめと同じように ニワトリになってダンジョンに壁をぶつけ いたたたた、と苦しんでいた頃
あやめは、
人生初の 激辛ラーメンを食べて あまりの辛さに体は 熱くなってくる 体感温度 40°c以上
雪女の弱点として体が15秒硬直する
弱点―雪女硬直 温度30°c以上の暖かいもの熱々のもの風呂など雪女にとって そういったものを摂取 体感すると硬直する。硬直時間5秒 温度42°c以上、硬直時間10秒
あげく 辛いもの食べて火を拭いて その火のおかげで雪女の体内から温められてしまったショックで 気絶
「どうしよう あやめちゃん あやめちゃん」
雷生は気絶している あやめのそばに駆け寄り 肩をゆする でも あやめちゃんは 目をつぶったまま口は大きく開いているけど全く微動だにしない こちらが声をかけてても反応もない。
「まずい このまま死んじゃうんじゃないだろうか」
そう思った雷生は危機感を覚える。
「死なせない絶対に。ここであったが100年目 今生の出会いかもしれない 一日千秋の 思いで ここまで来て今生の別れ みたいなのはもうやだ 彼女を救うんだ 彼女を引きこもりからニートから救うんだ。あやめ 絶対に死なせない 俺がお前を守る」
雷生の決意は固かった
動かない あやめにマジで心配する
「こんな時どうすればいいんだ 心肺蘇生法 しかない 気道 確保」
雷生は あやめの首を抱えて 顎を天井に向かって 少し 突き出すように 頭の位置を上に向けた。こうすることで喉の角度がまっすぐになって口から空気が入りやすくなる 呼吸が楽になるはずだ そして次にあやめの 胸を見た。
「やっぱりこのままじゃ やりにくいよな ごめん あやめちゃん そういうつもりじゃないから」
雷生はあやめの着ている ワンピースを脱がすために 背中を向けて ジッパーを外し 着ているワンピースを 肩口から沿わせるように脱がした あやめの上半身が露わになる。ブラジャーは白だった 肩紐がないタイプのワイヤーレス タイプだった。
「大人っぽいな 相変わらず」
そのことに少し ドキッ、としたけど雷生は何も考えないようにした。
「12345678910」
両手を使って胸を圧迫する あやめの口元を見た。タイミング的にはここで人工呼吸 なのだが コロナの関係もある。 感染症ほど怖い病気はない 目に見えないのだ。医療の知識も薬もない 雷生にとって コロナという ある種 世界を襲っている パンデミックに対抗する術は 今はない 雷生だって覚悟している。
気道は確保している。少なくとも自然に空気は入っていくのだ。人工呼吸は止めることにした。
「12345678910」
その繰り返しを3セット やり終えたところで あやめの額に手を当てて自分の額と温度の差を測る。
「相変わらず 冷たい 本当に これが人間の体温なのか」
雷生は焦った
その時だった。あやめが突然動き出した。
「うーう、あーあ」
「よかった 気がついたんだよね」
そう言う 雷生の 顔を意識しながらあやめは異変に気付いた。自身が 倒れていることを 雷生が今にも私にキスしそうなぐらいの距離で、私の肩に腕を抱き寄せ 顔と顔との距離が近い キスする距離だった。
今にもキスされる。やめてー そう思って あやめは戸惑った。
「ちょっとま、まってください、ますの」
戸惑いながら自分の 上半身がブラジャーだけの状態のこと。
そのことに気づいて叫びだした。
「ギャー、いったいこれはなんていうことになっているん、ですの。私は、 将来を決めた人としか こういうことはしないって決めており、ますの なのにあなたはあなたは もう許しま、せんの」
「待て。落ち着け、あやめちゃん そういうことじゃないんだよ これはちょっと、ま、待ってー」
あやめは 人生初の体験に慌てふためいた
急激に顔が赤くなって 真っ赤っか。湯気も立つ。
「やめてください、ですの」
ビンタが雷生を襲う。往復ビンタは雷生のほほを真っ赤にした。
「違うんだ 話を聞いてくれ」
雷生は千鳥足であやめに近づく その 酔っ払いのような足取りが なお あやめに恐怖感を抱かせる
上半身 ブラジャーだけの あやめは 貞操観念に危機感を抱く。
「いや、ですの!お行きなさい」
あやめは 身構えた 両手を 左右に大きく広げてから、真一文字にし、近づいてくる 雷生に向かって ぶつける。
「超絶突き放しアタック」
ものすごい力で両手で主人公を壁に向かって突き飛ばす 主人公は壁にぶつかって ガラガラガラガラガラ ダンジョンの壁が······。あやめは身だしなみを整えると悶絶している。
「限界、ですの この寒さ お主に耐えられるかのう 寒さでこごえるがよい 凍てつく波動 ブリザード」
たくさんの氷が雷生に向かって 怒涛のごとく 襲う。
「ヘロヘロのホンニャラケー」
雷生は失神して気絶。
「カット!」
15分後
気絶から立ち直った雷生はスマフォ動画サイトのフォロワー数と お気に入り数 チャンネル登録数 を見てバズった
とっくに3000人超えてた 普段 配信してても100人 超えてなかった 俺のチャンネル 俺の チャンネルが。
そして配信した動画を見てさらに驚いた。
「君が、······病状の君が、······」
から全部配信されてた。でも逆にそのあたふた具合が、······スーパーバズった。
雷生は開眼した。
「こ、これだ ある意味 底辺 配信者だった俺の 動画配信チャンネル 100人から3000人 30倍じゃないか
これは フォロワー チャンネル登録数 お気に入り数 いいねが。 視聴者数 3000 突破」
「何一人でブツブツ言ってんのよ キモいん、ですの」
あやめの白い、冷たな視線を受けて雷生は あやめにどう説明するかを 簡略的に頭の中で整理させる。
「あやめちゃん、相談があるんだけど」
「なん、ですの」
心なしか あやめの言葉調はきつい 半裸姿にされた上 至近距離に顔を近づけたことが相当 心に残っているらしい。
「こんなに反響があるんだったら もう俺たち ライブ配信で食っていけるよ あやめちゃん」
「どういうこと、ですの」
「だから ライブ配信で食ってけるって。君はもうニートじゃない れっきとした 仕事を持った女の子になるんだよ」
「そう、ですね」
「そうだよ これから 俺と一緒にライブ配信 本格的にやってこそ 君は立派なインフルエンサーさ」
インフルエンサーという すごい 今時のトレンディーな言葉を聞いてあやめはちょっと嬉しかった。
私がインフルエンサー 雪国で育ち こんなわけのわからないダンジョンで引きこもりニート生活を送る あやめにとって その言葉は 人生を変えるような言葉にすら聞こえ 輝きを持っていた。
「インフルエンサー いい言葉、ですの 私 インフルエンサーになりたい、ですの」
あやめも、開眼した。
「よし!そうと決まれば 俺たちは 動画配信を通じて お金持ちになるんだ」
「お金持ち いい言葉、ですの」
「あやめちゃん それで物は相談なんだけど目標決めようと思うんだ」
「目標と言いますと」
「例えば 動画視聴者数が何人 突破したら ご褒美 みたいな感じで 設定した目標数に応じて あやめちゃんにご褒美をあげるって言うことをしようと思うんだ」
「いい考え、ですの」
「うん そうすればお互い モチベーションも上がっていくと思うし」
「いい、ですの。異論はない、ですの。私もご褒美がもらえて嬉しい、ですの」
「俺も 視聴者数が上がれば収益も上がるし、あやめちゃんにとっても メリットもある いい考えだと思うんだ お互いにとって一石二鳥 だし」
「そう、ですの。 雷生、頭いい、ですの」
「なんだか 初めて褒められた気がするな。······まあそれはいいとして。視聴者数が いくつ 突破したら何をあげるということなんだけど」
「うん」
「食べたいもの食べていいよ 何が欲しい」
「そう、ですの 一通り 言ってみ、ますの」
あやめ はしばらく考えた後自分の理想(好きな物)と夢(食べたい物)と希望(欲しい物)を 思いついたままに 雷生に向かって語った。
「アイスクリーム、かき氷、アイスクリームコーン付き、そうめん、扇風機」
「ちょっと待って 扇風機?」
「なん、ですの」
「いや、(まあこんなに 顔がほてって 赤みを見てるんだったら 扇風機で冷ます っていうのも 一つの手か)扇風機 だったらこのダンジョンに持ってこれるし)」
「そう、ですの」
「クーラーと違って」
「クーラーって何、ですの?」
「クーラーはクーラーだよ めっちゃ 涼しいやつ 部屋全体 一気に冷やしてくれるんだ マイナス 下は21°cかな」
「そんなものがあるんだったら是非おこなっってみたい、ですの」
「よし、決まり」
「ペディキュア とマニキュア、かき氷宇治金時アイスクリームつき」
「わかった」
「それと、流しそうめんて 見たことないんですよ 流しそうめんて何、ですの 流しそうめんがいいですよ そうめん だけでも美味しいのに 想像力だけは 膨らみ、ますの」
「まあその時は 作ってみるか そんなに難しい話じゃないと思うから」
「簡易プール よく幼児が使って 庭とかで遊ぶやつ、カラオケセット」
「分かった 持っている それにしてもたくさんあるんだな」
「それはそうですの 私の引きこもりニート生活 甘く見ないで欲しい、ですの 私の部屋にあるものはみんなダンジョンから 集めて 拾ってきたものばかり、ですの そんな粗大ゴミだらけの部屋で生活なんてもうこりごり、ですの ニュー、ですの ニュー。 新製品をください、ですの 新鮮な食材をください、ですの。新鮮な情報ください、ですの ニュータイプ あやめ、ですの」
「あやめ 後半 言ってることよくわからん」
「ごめんですね 興奮してしまいました、ですの」
しばらく間があった。
「あっ、雷生、わたしのこと、呼び捨て、ですの 今すぐ訂正する、ですの」
そういうあやめを、そっちのけで、
雷生はあやめからもらった情報を元に、動画視聴者数におけるあやめに対するご褒美リストを作り始めた。そのリストは下記の通りである。
「『動画視聴者数におけるあやめに対するご褒美リスト』
4000 下着と洋服(スマフォを見て選んでもらう)
4500 シャンプーとリンスとボディソープと石鹸と 日用品と救急セット(祝 水飲み場 発見記念 特別ボーナスポイント)
5000 アイスクリーム
6000 かき氷
7000 アイスクリームコーン付き
8000 そうめん
9000 扇風機(電池式)
1万 ペディキュアとマニキュア
1万5千 かき氷宇治金時アイスクリームつき
2万 流しそうめん
3万 簡易プール
4万 カラオケセット
5万 発電機
6万 クーラー
7万 冷蔵庫」
雷生が、リストをあやめに渡すと、あやめはリストを高々と上空に掲げた、
「エイエイ、おー。さあこのリストで俺たちは ライブ配信で 頂点を目指すぞ」
「エイエイ、おー」
「エイエイ、おー」
今度はあやめが「エイエイ、おー」と、言い、雷生は続いた。初めて2人が同調したような気がした。それは気のせいなんかじゃなかった。それは雷生だけじゃなく あやめも内心そう思っていた。