推しの美少女 雪女あやめに熱々のシチューを食べさせてLIVE配信 バズった
ここは雪国 雪女 の故郷 今あやめは父と母に 雪女 最大の必殺技と言われる 吹雪の技を伝授されている 雪女はその修行は過酷だ 氷と言われる 氷点下 マイナスのものを 氷点下 マイナスと言われる塊を 100個口の中に詰めて 10時間耐える それをクリアすると 次の段階 ステップアップ となる 今度は 氷の棺と言われる 寒さで湖の表面が固まった氷の上を歩き その湖の真ん中で 湖に 体一つ分の穴を開ける そこに自分が体ごと入り 体ごと突っ込み 氷点下 マイナス10度20度って言われるところに100時間 その身を さらすのだ
昔 氷山に突っ込んだ船が沈んでたくさんの人々が 氷点下の海の中にさらされた さらされた時 その温度は 氷点下と言われた 助けが来るまで 救助ボートに乗れなかった人はその海の中で何時間も何時間も耐えたあの逸話である。
100時間 氷点下の中でその身を 晒すことで 雪女 は心身ともに氷となる それは悪い意味で 氷のような冷たさの性格を持つ女 と言われるのは本当の話なのである それは 身をもって体験することで このように生まれるから そして性格だけでなく その体に関してももはや例外ではない 平熱が20度を切っている 生身の人間が雪女に触った時 それは冷たくて冷蔵庫の 冷凍室のドアを開けて手を突っ込んで感じる あの冷たさに似ていると言われる
その生身の人間なら 直ちに死んでしまうような修行に 雪女は生まれた性質を使ってこのような過酷の修行をするのである 逆に 雪女はその氷のような性格と体質から 熱いものに温かいものが苦手だと言われる 外的要因と言われる 真夏の太陽の日差しもさることながら内的要因と言われる 熱々の食べ物 雪女には耐えられない最大の弱点である。そして あやめは手に入れる最大の奥義 吹雪を。
「よくやったぞ あやめ」
「ありがとう 耐えた なんとか耐えたわ」
父に褒められる。
「ありがとう よくやったね あやめ」
「テヘヘ 頑張った私」
母に褒められる あやめは無事に最大の奥義 吹雪を手に入れたのである そしてその技を彼女は人間界において人間に 披露する羽目になるとは思いもよらなかったのではないだろうか。
(体があまりの熱々の食べ物を体に受け入れてしまったせいで 言葉が出ない 動けない、ですの)
「あやめちゃん 少しは体良くなったかな?よかった
頭なでなで いい子いい子」
「はにゃー もう限界の限界、ですの 覚悟なさいまし 天に召されよ 凍りつけ 我が最大の奥義その身にくらうがよい ふぶけ! 集まれ我が同胞たちよ 氷点下 吹雪の舞」
今ここに その雪女 最大の奥義 吹雪を受けて 戦線離脱をした男がいる。
話は 1時間前に遡る。
「こないだはごめん」
「散々な目に」
「忘れちゃって」
「もうおかゆこりごり、ですの」
「分かってる 今度は違う料理をごちそうするから 今度こそ 任せて」
「信じて 期待して、ますの」
雷生はスマホの動画の画面のサイトをあやめに見せた。
「『君が、······病状の君が、病状の美少女を僕が料理を 食べさせて 元気づける』っていう趣旨のもとで配信したら 1000人突破 すごくない」
「すごい、ですの 私の動画を見て1000人もの人が
反応してくれたってこと、ですの」
「そういうこと だから 物は相談なんだけどさ やめちゃうの、もったいないと思うんだ このまま 俺たちバディ組んで一緒に動画配信 続けていかない」
「どういうこと、ですの」
「だから 大丈夫安心して。ダンジョンの中で発見した美少女、病に倒れる それを料理で回復看病する それを料理で元気付ける男っていう ことで こうやって動画をライブ配信してさ 職業にしてさ、お金儲けするんだよ」
「ライブ配信者としてお金儲け? ニート脱出、ですの」
あやめの目が少し ゴールドのように 輝いた その輝きを 雷生は見逃さなかった。
「そしたら何でも買え、ますの?」
「そうだよ 好きなもの 何でも買えるよ」
雷生のその言葉を聞いてあやめの目が今度は確実にキラリと光った 単純にアイスやかき氷が食べたかった 冷たいものが食べたかった 扇風機が惜しかった エアコンが欲しかった 冷蔵庫が欲しかった 発電機が欲しかった。
「好きなものを変えるんでしたら是非やらせていただきたい、ですの それに 世界の人たちが私か注目になってると思うと嬉しい、ですの」
建前だった。本音を言えば、雪女あやめは普通に目立ちたかった 雪女はその境遇 から 比較的 目立ちたがり屋の性分がある。
「よしきまり」
「せいぜい踏ん張りなさい 私が しっかり教育しますわ」
「何で急に上目線になってるんだ あやめちゃん」
ダンジョン生活に飽きてきた あやめにとって雷生はひょっとしたら 救世主かもしれない 私を、私の生活を変えてくれる 可能性すら感ずる あやめであった。
かくして雷生とあやめの職業にしたライブ配信者としての生活がスタートした。
「君が、······病状の君が、病状の美少女を僕が料理を食べさせて元気づける」
そう言って 肩に手を置いた。
「だから気安く触らないでくださいまし」
「君こんなに体が冷たくてもしかしてすごい病気なんだね すごい顔も 赤みををおびてるし」
「はい?」
「大丈夫俺が必ず助けてあげるから」
そう言って 肩に手を置いた。
「だから気安く触らないでくださいまし」
おもいっきり ビンタ された。
雷生は得心する 逆に冷たい 体が冷たくて弱って体が弱っていることを雷生に気づかせまいとしているアプローチ、気づかいだ。
「私はこう見えて、はんにゃら はにゃはにゃはんにゃはピーなんですよ(妖怪雪女なんです)」
「はっ?」
「だから、はんにゃら はにゃはにゃはんにゃはピーなんですってば!(妖怪雪女なんですってば)」
(もう何でこうやって人に伝えると こういう言葉になっちゃうの 呪いをかけられてしまったん、ですの)
「そうか体の具合が悪すぎて 思うように言葉を発することもできないんだね」
「だから違い、ますの」
「大丈夫俺が必ず助けてあげるから」
そう言ってもう一度 肩に手を置いた。
「だから気安く触らないでください、まし」
おもいっきり ビンタ された。
(やはり)
男は得心する 逆に冷たい 体が冷たくて弱って体が弱っていることを男に気づかせまいとしているアプローチ、気づかいだ。
「もう何でわかってくれないん、ですの いい加減にしてください、まし」
男はまた気づかって 女の子の肩に触る。
「触らないでください、まし もういい加減にしてください、ですの」
雷生は再び あやめの前に対峙する。
あやめが食べる料理の食材 飲み物 マッチ ライター ガスコンロ 鍋 包丁 まな板······。
「今日君の病気を治すために 食べ物や飲み物を持ってきたよ」
あやめの目がキラリと光った。
「あら 嬉しい、ですの」
俺が持ってきた料理の食材と飲み物を見ながら 物色してなぜか寂しそうな顔をした 気になる なぜだろう。
「とりあえず これ飲んで」
ペットボトルのお水を渡した
水を得た魚 ようやく彼女は本当の水飲みまで水を飲むことができたのだ 感無量 この瞬間こそ ライブ配信した方がいいのじゃないだろうか いやお楽しみは後にとっておこう。
「今から料理作るから待ってて」
「分かったわ 頼みます、ですの」
スマートフォンを正面から三脚に立てて正面にむけた
まずは 動画配信をするにあたって 趣旨としては 料理を作るところから撮り 出来上がった 暖かい料理を あやめちゃんに食べてもらうという流れ あやめちゃんの 食べる顔アップ→ 美味しいと言った表情をアップ→ 笑った顔アップ→ ニコりと笑ってもしかしたら 八重歯が出るかもしれない (あるかどうかわかんないけど)→ そして彼女の笑った顔がアップで→どんどんどんどん引き気味になってて→全体像が 見えたところで→ 「カット!」
どうだ この流れ だてに動画配信で収益得てないぞ 俺は 雷生は胸を張って 胸を叩いて心の底からそう思った 当のあやめちゃんは 早くできあがった料理が食べたくてうずうず 顔で待っている。
(うむ かわいい)
「サウンドワーク OK カメラワーク OK アクション」
寒い雪国の北海道 体の温まる料理で温かいシチュー クソ寒い外から帰ってきて家族の待つ家の中で テーブルで囲みシチューで和気あいあいと熱々のシチューを食べて皿から湯気が出てる。口の中に頬張った時も湯気が出てる そんな昔見たCMのイメージがあってシチューを作ってみようと思った。冷たい芯から冷え切った体を温める料理 これしかないでしょっ。
持ってきた 鍋とガスコンロを置いて準備開始 簡易 まな板と簡易ナイフで 簡易包丁で鶏肉を切る 胸肉 にした。もも肉だと油が強いし 一番ネック なのは 皮 この顔が一番油とコレステロールがあるのだ 今回は胸肉にしたタンパク質がもも肉より少ない そして 胸肉についている皮を取り外し 胸だけを切り 一口大に切る ヘルシーも大事これ 重要ポイント
次に野菜を切る
野菜を切る包丁と肉を切る包丁は分ける これは大事。野菜と肉を切る包丁を併用してしまうと その包丁はその包丁としてしか役割を果たさない 野菜を切る包丁 肉を切る包丁を分けることでその 包丁の切れ味も違うのだ 肉を切る時のスパット感 野菜切るとき時のシュパット感 このスパットとシュバットの違いが 包丁を変える理由 切れ味も違うということは食感も違う スマフォカメラを見ながらカメラ目線で流暢に語る ガスコンロの火を入れる 鍋に肉を炒める。 肉汁がほんわか 溢れ出てきたところで、じゃがいも 玉ねぎ 人参 一口大に切った野菜を 炒める ちょっとしんなりしてきたところで 水を入れて沸騰させる 沸騰したら アクを取る そして一旦 火を止めて シチューの素を入れる シチューの素は だまりができないようにそのままの形で入れるのではなく ある程度 カッティングバサミでカットしてから入れるのがコツ。そうすると だまりができないのだ 豆知識 カメラ目線で俺はウインクマークを作ってポーズを作った。グツグツ と煮えたぎるシチューを見て 雷生は満面の笑みを浮かべた。さあ もうすぐだ。
アウトドア用の紙皿とお手拭き コロナ だからね 家から持ってきた スプーンをつけて 彼女の前に対峙させる スマホのレンズのカメラ位置を確認しながら さあ食べよ 病弱な乙女 病に倒れる か弱き 美少女よ 我が渾身の愛の手料理を食べその命の生命に輝きを取り戻すのだ。
LIVE配信に向けて
カット割りの確認をする 妥協は許さない 雷生のポリシー
食べる顔アップ→ 美味しいと言った表情をアップ→ 笑った顔アップ→ ニコりと笑ってもしかしたら 八重歯が出るかもしれない (あるかどうかわかんないけど)→ そして彼女の笑った顔がアップで→どんどんどんどん引き気味になってて→全体像が 見えたところで→ 「カット!」
「······」
めっちゃドヤ顔 反応が怖い 雷生は不安になる。
不安に思って自分でもシチューを食べてみる。
「うわっ、あ、熱い」
あまりの熱さに雷生は、飛び上がった。
「私はこう見えて、はんにゃら はにゃはにゃはんにゃはピーなんですよ(妖怪雪女なんです)」
「はい?」
「はんにゃら はにゃはにゃはんにゃはピーなんです
(雪女は温かい食べ物が苦手なんです) こんなもの 私に食わせて なんてひどいお方なのあなたは 私をなめるのも大概にしてくださいまし」
雷生は こんな熱いシチューをあやめに食べさせてしまったことを心の底から反省した。
「ごめん あやめちゃん。
俺、君が 君の体が冷たくて今にも 凍えて死んでしまいそうだと思ったから 温かいシチューをどうしても食べさせたいと思ったんだ だけどまさかこんなに熱々になってしまうなんて思わなくてごめん ガスコンロの火 弱めるの忘れてた 次は気をつける
それに あやめちゃんに早く食べさせたかったから。 あ これは本音だよ 嘘じゃないよ だから許して
次はきちんとしたシチューを」
「......」
(体があまりの熱々の食べ物を体に受け入れてしまったせいで 言葉が出ない 動けない、ですの)
死後硬直ならぬ雪女硬直。
熱々の食べ物を体内に取り入れたせいで、体が拒否反応を示している。顔も 異様なまでに高騰していた。プツプツプツプツ まるで湯気が立っているようだ。
悲しいかな。雪女の習性である。
「でもあやめちゃん 少しは体温まったかな?そうならよかった。頭なでなで いい子いい子」
10秒ぐらいそんなことされて さすがのあやめがプッツンきた。
「はにゃー もう限界の限界、ですの 覚悟なさいまし 天に召されよ 凍りつけ 我が最大の奥義その身にくらうがよい ふぶけ! 集まれ我が同胞たちよ 氷点下 吹雪の舞」
辺りに吹雪が現れた。 それらは 一定の塊となって集中し 雷生に降りかかる。突然何の変哲もないダンジョンが辺り一面 銀世界に変わる。
「ヘロヘロのホンニャラケー」
雷生は失神して気絶した。
「私 雪女の技が使えるじゃありませんの なぜですの」
もしや······雪女の妖術は呪いで普段封印されて使うことができないのだが、雷生に体をふれられることで、心理状態が極限状態に達し、呪いを解除。一瞬だけ発動することができるのでは?
あれこれ あやめが考えていたら雷生が気絶から立ち直った。
「あいたたたあれ?! 痛、ってー俺、何があったんだ。全然記憶がなーい」
(あれ、雪女の技うけたこと気づいてない、ですの
そんなことってありえますの)
「てか体が寒い。ごめん、あやめ温めさせて」
と言って、あやめにハグする。
「もう何でこうなるんですの」
「これできっとあやめも温まるよ。元気になれるね」
満面の笑みでそういう雷生。
「うえーん!このままじゃ私、死んじゃいますわっ」
貞操の危機ならぬ命の危険を感じる あやめであった。
「カット!」
雷生はスマフォ動画サイトのフォロワー数と お気に入り数 チャンネル登録数 を見てバズった
とっくに1500人超えてた 普段 配信してても100人 超えてなかった 俺のチャンネル 俺の チャンネルが。
そして配信した動画を見てさらに驚いた。
「君が、······病状の君が、······」
から全部配信されてた。でも逆にそのあたふた具合が、
バズった。