5推しの美少女 雪女あやめの住みか
「あやめちゃん そういえば トイレとかどうしてんの ダンジョンで生活してるんだよね」
「はい?」
「だから トイレとかどうしてんの」
「ねぇ 何言って、ますの あなた」
「だから トイレとかどうしてんの ダンジョンで生活してるんだよね」
「私に対して失礼ですわ。そんなデリケートな問題答えられるわけないでしょ」
雷生の頭の中の妄想だけに終わる、どうにもこうにも聞けなかった この会話は後日 その真相がわかることがあるのだが それはまた別の話 本題に戻る。
水飲み場を見つけた 雷生はさっそくあやめちゃんに提案をする。
また せっかく 水飲み場を見つけたのに あやめちゃんの方向音痴で 実際はない水飲み場に行く という性懲りもない 方向音痴 ぶりをかまされても困ると思った雷生は さすがに 水飲み までの 道のりにマーキング―犬マーキングからヒントを得て印―をつけるということを思いついた さすがに印があれば あやめちゃんも いくら 方向音痴とはいえ 迷うことはないでしょ。
「あやめちゃん」
「何かしら」
「マーキングしよう 犬のマーキングって知ってる」
「知ってるわ 犬が自分の縄張りを他の犬に誇示するために 散歩中のあらゆる場所に おしっこをする行為でしょう」
「そう それを あやめちゃんにしてもらうと思って」
「何言って、ますの」
美しい放物線を描くあやめのビンタが飛んだ。
ここにおいて初めて 雷生から触ったことに対してではなく あやめちゃんから 故意に雷生に対してビンタが飛んだ これを マーキング同盟という。20✕✕年某月某日成立
「いや 本当におしっこするんじゃなくて あやめちゃんが何か分かりやすい印を あやめちゃんが生活している場所からこの水飲み場までつけるっていう意味だよ」
これは病気を心配して受けたビンタではないと分かっていた雷生は ただ ヒリヒリする 頬を触るだけである。
「イチチ。きくな あやめちゃんのビンタは」
「当然、ですの。レディに向かって 失礼、ですの 私たち出会ってまだまもないし、そんなに親しい間柄でもない、ですの。それどころかまだ付き合ってもないのにそんなおしっことか いきなりレディに対して失礼、ですの」
「じゃあ付き合ってたらいいの」
「何言って、ますの」
また ビンタが飛んだ。
「イチチ。やっぱりきくな あやめちゃんのビンタは」
何だか嬉しそうな 雷生であった。
「それじゃあ ここでこうして話してるのもなんだからあやめちゃんの住みかに案内してくれるかな」
そう 漠然と普通に言った つもりだったのだけれども あやめちゃんが一瞬 抵抗した表情をしたかのように見えた。
「いいですよ」
あやめちゃんの後について行きながら また水飲み場 (実際はないところ)とか行ったりしたらどうしようとか 思ったりしたけど、それ以前にあやめちゃんこのダンジョンの どこでどんな生活してるんだろうっていう不安というか 想像が自分の枠を超えて 全く想像できなかった あやめちゃんこのダンジョンで生活してるって引きこもりしてるってニートしてるって言った。いったいどんな生活? その言葉が頭の中で大きくなった時に、
「着いたよ」
あやめちゃんのその言葉と声で我に返る。
あやめちゃんに言われて たどり着いた先は 水飲み場 から まっすぐ正面に歩いてたどり着いた 突き当たりの大きな部屋だった。
「ここがあやめちゃんの住みか」
「そうですね」
ただの大きな部屋だった 何もないがらんどう この部屋でどうやって生活してるんだろう。
「マーキングするにあたって 何か あやめちゃんが 分かりやすい目印ってあるの」
「チェックマーカーですよ」
「チェックマーカー?」
「私が学生時代の時によく受験勉強やテスト勉強の時に使っていたやつですよ それを 例えば 参考書とかに引いておくと 上から 赤い 下敷きをかぶせるとその塗ったところが見えなくなるっていう オチですの」
それを聞いて 雷生も思い出した 自分のテスト勉強のこと 現実に返る 高校受験が控えているのだ 笑いごとではない。
現実とあやめちゃんとの間で 悶絶していると あやめちゃんの声が入ってきた。
「私が持っているのは 特注のチェックペンで 紙だけではなくて 岩なんかにもつけられるやつだから 雨にも強い湿気にも強いタイプ これをつければわかるん、ですの」
なんだか 方向音痴のあやめちゃんにそうやって自信満々に言われると面白いな 雷生は何だかちょっと面白くなって、くすって笑ってしまった。
「何がおかしいん、ですの」
「いや ごめんごめん。あやめちゃんがかわいくて」
「もう何言って、ますの」
この言葉を聞いて照れた あやめちゃんもかわいいなと思った。
あやめと一緒に あやめに案内された 大部屋から一直線の道のりに等間隔に 左右のダンジョン壁を歩いていくと 目の視界に入る 視線の中でダンジョンの壁という壁 水飲みまでの道のりにマーキングをした 正確には マーキングではなく チェックマーカー。
あやめとマーキングを無事に終え 再び 大部屋に戻った雷生はあやめに問うていた。
「マーキングの件はそれでいいとして こんな何もない大きな部屋で生活しているの?あやめちゃん」
「そんなわけない、ですの フェイク、ですの」
「フェイクとは」
「ちょっと後ろ向いて欲しいですね もし 嘘ついたら 裏切り、ですの もう二度と口きかないですよ 念のため 途中の看板が立っていた形跡のあった場所まで行って欲しい、ですの」
そう言われて雷生は言う通りにした あやめの目が本気だったしここで 裏切り者と言われて一生 口 聞けなくなったら ライブ配信どころではない 雷生の目的は 彼女を病から救って ライブ配信 という 治療行為で彼女を病気から救うことなのだ。内的病気(雪女だからただの勘違い) 心的病気も、うつ病からも引きこもりからもニートから。
50m ぐらい 看板が立っていた形跡まであったから、そこから戻って往復 100m ぐらい歩いて帰ってきたら 大きい部屋の奥に壁が丸く切り取られていて、その奥に部屋が見えた。
「どうぞ、ですの」
その穴の奥からあやめの声が聞こえた 俺はその穴をくぐり抜ける
そこが小部屋化してる。
その小部屋の入り口が壁になっていた これではただの壁にしか見えないしまさか ここに部屋があるとも思わないだろう と思ったら壁の真ん中を切り取ったように くるっと回して 壁をくり抜き 切り取った壁はまん丸。 そこから 奥の部屋の風景が現れる仕組みだったのだ。
家具や本棚やベッド 奥の壁には カーテンがひいてあった 窓なんかないのにウケる。 ちょっとした台所もあって食器、調理器具、鍋やフライパン フォークや箸なんかも置いてある 流し場はなかった 水がない。どうするんだろう。
だから 水欲しがってのか まるで女の子の部屋がそのままそこにあるかのように存在した 驚いたことにたくさんのぬいぐるみまであった クマのぬいぐるみまで。クマ好きなんだ やはり女の子。
ここから引きこもってほぼ 出ないって完全に引きこもりの鬱や!
方向音痴のあやめがダンジョンのいろんなところに行って拾ってきたゴミ、粗大ゴミ。
そういうものを部屋に持ってきた。
そういうことで 水飲み場をいつも探してダンジョン内をさまよっている。
だから重要な水飲み場を探し回っていたんだ。でも、方向音痴だから水飲み場 (実際はない)ところにばっかり行って。これで、でも彼女はようやく生活の糧を手に入れたのだ。雷生は心の底から喜んだ。