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3本当の水飲み場を求めて

「下着とボディシートを持ってきたよ」

「なんですって、ですの もうキー!、ですの」


心なしか ではなく完全にあやめは赤面していた。


「風呂に入れないシャワーを浴びれない あやめのためにボディシートを持ってきてあげた」

「余計なお世話、ですの 頼んでない、ですの そんなこと」

「下着に関しては新しいものを持ってきたんだよ」

「私の話はスルーするのかい、ですの」

「お母さんと妹に選んでもらった 俺は 中身は見てないよ」

「だから、ですの」

「安心して」


雷生の 親身な介抱にあやめも 心折れたらしい。


「もうわかった、ですの そこまでされたら仕方ない、ですの」


あやめは覚悟を決めた。


あやめは服を脱ぎだした。 ボディシートで体を拭くために。持ってきてくれた下着を履くために。


「もう~、雷生ったら~、めちゃくちゃ嫌、ですの でもあなただから特別、ですの」


そう言って雷生に向かって両手を大きく広げる。


「私の初めて······あなたに、あ▪げ▪る▪」


鼻血ぶー。


はっ、妄想から目が覚めた やばいやばい 頭の中で勝手に妄想してしまった 我に返る雷生であった。





リアルダンジョン配信(あやめに会うことが目的)3日目。


いつもの場所(初めて あやめが襲われていた場所) に行くと 干からびたあやめがそこに横たわっていた すぐさま 雷生は駆けつける。


「あやめ 大丈夫か」

「大丈夫じゃない、ですの 喉が渇いて 干からび そう、ですの」

「大丈夫 」


とりあえず雷生は持ってきたペットボトルの水をあやめに渡した あやめは 水を得た魚のように ごくごくごくとペットボトルの水を飲んだ その姿を見ながら 雷生は、このままではまずいんじゃないだろうか 初めて会った時ももちろん 今もだがあやめは水飲み場を求めている それはもちろん 彼女にとって 死活問題 だからだろう いかにも彼女は というより どう見ても彼女はこのダンジョン で生活しているように見えるし ダンジョンから出る気はないようだし 一度雷生が一緒に出ようと誘ったけど断られたこともあったし 彼女はこのダンジョンを生活の巣としているのだ とすれば 水飲み場が見つからない 彼女は死活問題じゃないだろうか 雷生だって 水がなかったら多分もう限界だろう それぐらい人間にとって水は貴重な財源であり 生きる糧 なのだ その彼女の心情を考えたら雷生は悲しくなった それに 彼女は病気なのだ なんとか助けてあげなければ このままでは 彼女は死んでしまうかもしれない 一層雷生の悲しみは深まる。 水を飲んで落ち着いたあやめを確認する。


「ふーですの やっと落ち着きました、ですの」

「あやめちゃん このままじゃまずいんじゃないだろうか」

「何が、ですの」

「このまま水飲み場が見つからなかったら俺が今日だって ペットボトルの水 持ってこなかったら あやめちゃん 死んでたかもしれない なあ もう一度聞くけど俺とこのダンジョン出て 俺ん家来なくてもいいから コンビニやスーパーで買い物したり してみないか 」

「嫌、ですの 怖いん、ですの」

「何が」

「······私······引きこもり なん、ですの ニートなん、ですの このダンジョンから出たことないん、ですの」

「出たことないって嘘だろう」

「嘘じゃない、ですの。

このダンジョンに迷い込んで ご存知の通り 私方向音痴だから ダンジョンから出ることできなくて最初はそこから始まったんです 最初は出ようって思って、ここから出てやろうって、 でも何度も何度も このダンジョンをうろつき回って出口に出れなくてずっとずっとこのダンジョンで生活してるうちに 怖くなっちゃったんです 出ることが 外の世界に行くことが そういうの全部怖いんです 外の世界で······外の世界に行くこと そこの外の世界で働くこと 外の世界と関わること そこの外の世界で生活すること そういうの全部怖いんです」

「マジか······」

「最初は水飲み場もあったんですが 湖 みたいなところがあって そこから バケツで水を汲んで生活していたん、ですの 魚も泳いでましたの だからその魚取ったりして何とか生活できました でもその湖が干からびて 持っていた 食料もそこをつきて どうしようって思ったところにあなたが現れたんですよ だからある 意味 あなたは救世主、ですの」

「だったらなおさら ここ 出ないと」

「無理、ですの 怖いん、ですの このダンジョンから出ることが怖いん、ですの」

「あやめちゃん、······」


雷生は思う。


(相当の引きこもりニートと見た この子 体は病気だし 精神的にも 病んでるし 助けてあげなきゃ)

「え」

「助けてあげなきゃ」


後半は言葉に出して口に言った あやめちゃんに向かって。


「俺が君を助ける 病気から何より引きこもりニートから このダンジョンから抜け出すんだ」

「病気? 引きこもりとニートなのは確かですけど病気って何かしら」


あやめは疑問に思った


「だって君は、」


そう言って雷生は、あやめの肩に普通に手を置いた。


「やめてください、ですの」


ビンタされた。


「君こんなに体が冷たくてもしかしてすごい病気なんだね すごい顔も 赤みををおびてるし」


「はい?」


「大丈夫俺が必ず助けてあげるから」




そう言って 肩に手を置いた






「だから気安く触らないでください、まし」






おもいっきり ビンタ された。




男は得心する 逆に冷たい 体が冷たくて弱って体が弱っていることを男に気づかせまいとしているアプローチ、気づかいだ。




「私はこう見えて、はんにゃら はにゃはにゃはんにゃはピーなんですよ(妖怪雪女なんです)」


「はっ?」


「だから、はんにゃら はにゃはにゃはんにゃはピーなんですってば!(妖怪雪女なんですってば)」




(もう何でこうやって人に伝えると こういう言葉になっちゃうの 呪いをかけられてしまったん、ですの)




「そうか体の具合が悪すぎて 思うように言葉を発することもできないんだね」


「だから違い、ますの」




「大丈夫俺が必ず助けてあげるから」




そう言ってもう一度 肩に手を置いた。






「だから気安く触らないでください、まし」






おもいっきり ビンタ された。




(やはり) 




男は得心する 逆に冷たい 体が冷たくて弱って体が弱っていることを男に気づかせまいとしているアプローチ、気づかいだ。






「もう何でわかってくれないん、ですの いい加減にしてください、まし」






男はまた気づかって 女の子の肩に触る。






「触らないでください、まし もういい加減にしてください、ですの」


あやめの体が冷たいのは雪女の習性 でも あやめは雪女と名乗れない 雷生はだから本当に病気だと思っているのだ。


「ともかく 本当の水飲み場を探そう」

「ありがとう、ですの お願いします、ですの」


初めて2人の意見が一致した。それは病気うんぬんの話 抜きで。


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