主人公のとある1日 3
「失礼します。二のC伏間悠介です」
「……」
「ってあれいない?」
今俺は今朝言われたとおりに保健室に来ている。だけどその保健室の中に人の気配が全くしない。人の来いって言っておいてこの仕打ちは何なんだよ。まあとりあえずここで待っているか。
そんなふうに考えていると奥の方でガチャっと扉が開く音がした。確か奥には薬品庫があったはず。そして今朝と同じ足音がこちらへ向かって来て……
「あ、もう来たの。予想してたよりも早かったわね」
「あ、はい。それよりもあの子は?」
「まあ、ちゃんと話すから座ってちょうだいな」
彼女はそう言って今日の朝と同じ席へ座る様に俺を促した。そして俺はそこへ座る。
「そうねどこから話をしようかな、じゃあまずあの子は大丈夫よ。そんなに酷いけがはしてなかったから安心していいと思うよ」
「よかった」
先生のその言葉を聞いてホッとする。本当によかった。
「で、ここからが問題なんだけど……話、聞く?」
「え、聞くって何を?」
先生はそう少しためらいがちに言った。
「そうね、詳しく言うとこれから先あの子に関わっていく覚悟があるのかってこと」
「えっ、覚悟?」
「あなたはことの重大さをまだ理解してないみたいね」
「えっ、そんなに大ごとなんですか、俺があの子を助けたっていうのは?」
「ええ、とても大変な事よ。おそらくあの子に関わったらもうその前と同じ生活に戻れないかもしれない。それでさっきの質問をするけど、あなたにはその覚悟があるの?」