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過疎ゲーが現実化して萎えてます。  作者: ペリ一
本編

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96/339

その身を貫く

 場面は変わり、領域。


 三人の侵入者を前に、アルザ、カーリア、砂漠の女王の三人が立ちふさがっていた。


「そろそろ降参していただけるとこちらとしても助かりますわ」


「はっ、もし降参したとして俺らはどうなる?」


「楽に逝けますわよ」


 砂漠の女王にそう平然と返された、環境操作のギフトを持つ男は口元をヒクつかせる。


「そんな条件飲むとでも?」


「飲んで貰うんですわよ、無理やりにでも」


 砂塵が舞い、そして見えない壁に阻まれ霧散する。


「おい!破砕の!何とかしろ!」


「うっさいわね!二人抑えてあげてるだけでも感謝しなさい!」


「チッ……つーかヘビの野郎はどこ行きやがった……」


「わたくしの部屋でお茶を飲んでますわよ」


「なんでだよ!?」


 そんな茶番めいたやり取りをしつつも、環境操作の男は思考をめぐらせていた。


(どういう手を使ったか知らんがヘビ男は無力化されていると見た方が良い……)


(二人じゃジリ貧……となりゃ一旦撤退するか、援軍を呼ぶか……どちらにせよこの領域から出ないと話にならない)


 環境操作のギフトは、単純に自分に優位な環境を産み出すに留まらず、通信魔法の強化にも役立っていた。


 もしこの領域に一つでも穴が開けばそこを環境操作のギフトでこじ開けて脱出、そして援軍要請が出来る。

 環境操作の男にはその自信があった。


(どこかに……どこかに無いのか……!)


 溺れる者は藁をも掴む。しかしてその藁が何故そこにあるのか、という事まで考えを至らせることのできる者は少ない。


 領域内に歪みが生じ、穴が空いたその瞬間、環境操作の男は駆け出していた。


「あ!あんた、私を置いて……ッ」


「うるせぇこんな負け戦やってられっか!俺は撤退させてもらう!」


 聞く者が聞けば「あっ死亡フラグだ」と思うであろうセリフを吐き、その歪みへと飛び込む――その、刹那。


「うお!?なんだお前!?」


 その男の腕には槍が突き刺さっていた。


「ぐ、ぅ……ッ!」


「あっぶねぇ!やめろやオイ!」


 環境操作の男が無事な方の腕で剣を振るい、それを歪みから現れた――タカが短剣で受け止めた。


「おい、落ち着こうぜ。侵入者ってのは一旦忘れてやっから、な?」


「どけぇッ!」


「それはこっちのセリフなんだよ!!!」


 槍と腕で繋がり合った二人がもぞもぞと泥仕合を繰り広げる。


「さっさと腕に刺さった槍抜けや!」


「だったら攻撃すんの止めろ!」


「攻撃やめたら殺す気だろてめぇ!」


「当たり前だろボケ!」


 互いを罵り、砂漠を転げ周りながら刃を向ける。


「クソ、てめぇ……!」


 だが次第に環境操作の男の動きが鈍くなっていく。


「領域の展開が疎かになっていますわよ」


「クソ……ふざけんな、ふざけんなッ!死んでたまるか!離せ!離せよ……ッ!」


 砂漠の女王の領域に抵抗するために保っていた集中力も途切れ、槍が突き刺さった腕から命が零れ落ちていく。

 だがそれでも足掻くことをやめない男に、タカも浅くない傷を負っていく。


「クソ……耐久やべぇなお前」


「たとえギフトを封じられようと俺は特級だ!」


 その時、タカの動きが不自然に停止した。

 思考の端を違和感がかすめるも、環境操作の男はその隙を逃さすタカを仕留めようとした。


 今にもタカに刃が接触せんとしたその時、およそ戦場には不釣合いな舌ったらずな声が男の耳に入ってきた。




「あうっ!」




 男の身体が宙を舞った。



「バンシー……死霊術か!?……ごふッ」


「あうあーっ!」


 止まぬバンシーの追撃。

 男の身体があらぬ方向に曲げられ、血があたり一面にぶちまけられる。


「破砕……俺を助けろ……」


「破砕の魔術師の方でしたら、今しがたアルザの矢に貫かれましたわよ……あら?」


 砂漠の女王の返答を待たずして男の息は絶えた。


 それを見てとったバンシーがタカの場所へと戻って行く。


「あうー?」


「多分魔力が切れた……一歩も動けん。運んでくれ」


「あう!」


 バンシーに背負われ砂漠の女王の前まで運ばれるタカ。


「期待通りか?」


「ええ。すみません、余裕が無く一人分しかゲートを開けず……」


「別に構わん。で?ヘビみたいな男はどうした」


「わたくしの部屋ですわ」


「よく分からんが、殺せそうなのか?」


「いいえ?一旦閉じ込めてるだけですので」


 閉じ込める、の一言で「わたくしの部屋」なる物の物騒さを察したタカは黙ってお代官さんの冥福を祈った。


「なんで殺せないんだ?」


「……想像以上にわたくしへの対策を講じてきていましたので」


「そうか。総員でかかれば殺せるか?」


「……おそらく」


「了解」


 多少動けるようになったのか、バンシーの肩を借りつつタカが立つ。


「閉じ込められる時間は?」


「一日ぐらいであれば」


「……その部屋とやらで戦ったほうが良いんじゃないのか」


「いえ、罠が多すぎてとても戦えたものじゃないですわ……まったく、せっかく用意していたのにお代官様以外の男を入れることになるなんて……」


 タカは最後の呟きを意図的に無視した。


「じゃあ半日。半日準備に費やしてから殺そう」


「そうですわね……ああ、掲示板で他の十傑の方々に報告をお願いしますわ」


「あいよ」







タカ:お前ら居る?


ほっぴー:どうなった


タカ:二人はやれたけどヘビ男がまだ


ほっぴー:そのヘビ男は今どんな状態?


タカ:一旦閉じ込めてるってよ


ほっぴー:なるほど


ガッテン:え?もう他の二人やったのか


タカ:おう。ちな環境操作のやつは俺のバンシーがやったぞ


ほっぴー:お前何してたんだよ


タカ:槍で腕貫いたり、死霊術でバンシー呼び寄せたり


ジーク:タカの槍、見るたび笑いが止まらないのでなんとかして


タカ:笑えないんだが……


ほっぴー:死霊術とは


タカ:聖女直伝のやつ


ほっぴー:???????


タカ:聖女が俺の脳かなんかに直接ぶちこんできた情報の一つ


ほっぴー:?????????


タカ:音割れほっぴーやめろ


ジーク:草


ガッテン:アズカバン行きですねこれは……


ほっぴー:お前……情報共有は大事だって常日頃言ってんだろが……!


タカ:いやーだって言う暇無かったし


ほっぴー:いやお前結構あったやんけ……


ほっぴー:というか呼び寄せか。クッソ便利じゃね?


タカ:使うと俺動けなくなるけど


ほっぴー:ゴミじゃね?


スペルマン:手のひらこわれる


ジーク:実際タカよりバンシーの方が有能説


紅羽:バンシーなら爆発しねぇもんな


タカ:なんだてめぇら


ほっぴー:とりあえずはやくゲート開いてくれ


タカ:もうちょいで開けるから待ってろ


タカ:とりあえず俺は先に部屋で寝転がって待っとくから


ほっぴー:あいよ









タカ:ねぇ槍が邪魔で寝転がれないんだけど??????


ジーク:草


ほっぴー:草


ガッテン:草



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