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過疎ゲーが現実化して萎えてます。  作者: ペリ一
本編

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泥棒が似合う男達

「はぁ……ッ、はぁ……ッ……何とか撒いたか」


 七色の悪魔さん、ジョブ聖騎士の癖に速すぎだろ。


 というか悪魔が聖騎士って何だよ。


「誰かと合流すべきか?」


 あと檻の場所を知りたい。


 これはケイドロだ。仮に捕まっても、何人かに檻の場所を教えていれば助かる可能性がある。


「泥棒が檻まで連れていかれてる間にタッチして解放ってのがオッケーなのかどうかも知りたい」


『質問がありましたのでお答えいたします。捕獲した泥棒の輸送中の救出は不可です』


 ……そういや見られてるんだったな。

 こりゃあんまり不正は働け無さそうだ。


「お代官さん辺りと一緒にニヤニヤしながら見てるんだろうな……クソ、なんか腹立つわ」


『二階廊下、204室前にタカ出現中』


「なんでそういう事すんの!?」


 ディスり判定厳しくねぇ!?


 とりあえず別の階に移動しねぇと……!


「居たぞーーー!」


「うっげぇ!」


 階段に到着した頃には、既にガキ共が下の階からわらわらと集まってこようとしていた。


「上しかねぇけど……」


 どうも誘導されてる……いや、あの場所晒しから数秒でそこまで出来るはずがない……


「どっちにせよ上しかねぇよな……ッ!」


 ガキ共がこちらへ来るより先に階段に突入し上の階へと駆け上がる。


「「上に逃げたぞーーー!追えーーー!」」


 俺を捕まえたいならシャノン辺りを連れてくるんだな!お前ら有象無象では俺は捕まえられん!ふはははは!


「コーナーで差をつけるぜ!」


 これが瞬足(物理)の力だァ!












 ここまで来れば暫くは落ち着けるだろう。


「流石にちょっと疲れたな……」


 意外とガキの数が多い。

 あまりやる気の無い人達は早々に捕まって檻の中で駄弁ってるだろうし、どんどん人が少なくなって巡回の綿密さが上がってくる。

 やっぱりいざという時の為の囮が一人欲しい。


 弟子のベガくんかマサルあたりと合流せねば……


「それかおっさん……」


 というか所持してる魔物に関してはどういう扱いなんだ?

 参加してんのか?


 つーかカーリアちゃん捕獲は無理じゃね?


「……おっ?」


 噂をすれば影。

 こそこそとこちらに向け歩いてくるおっさんの姿が。


 手を振りながら廊下を駆けるおっさん。


 そのおっさんの体勢が、急に逆さに変わる。


「!?」


 よく目をこらせば足首にワイヤーのような物が引っかかっているのが見える。


『泥棒の皆様にお知らせです。一定数泥棒を捕獲しましたので、捕獲されていた泥棒の内数人が警察側に加わりました』


 ……


 はいはい、そういうシステムね!そうでもしないと泥棒全員捕獲とか無理だもんなぁ!?


「じゃあなおっさん!」


「主殿ぉおおおおおお!!!」


 うるせぇ、大声出すな!場所がバレる!


 俺は早々に囮候補の一人おっさんに見切りを付け、その場から離脱した。








 一先ずもう二つほど上の階の物置らしき部屋に逃げ込んだ俺は、荷物の裏に背を預け、ふうと息を吐いた。


「まずいな……」


 このまま逃げ続けるだけじゃ勝てない。

 檻の位置を特定して救出に行かないと詰みかねない。


「弟子二人はもう捕まったか……?」


 こうなるとワンマンプレイも考え物だな。


 どうにかして檻の位置特定か、誰かとの合流を目指さないと。


 と、なると……


「掲示板魔法使っちまうか」


 だがこれには重大な欠陥がある。

 相手もわざわざ魔法陣をかいて掲示板を見ていないと意味が無いという事だ。


 なるべく俺と同じ発想に至り易い人間を選んで連絡を取らないと……


「……無理だな。ほっぴーは警察側だ」


 そしてジークもおそらく……警察側になってしまっている。


 先ほどおっさんが吊られたあの罠。

 ジークのスキルによる物の可能性が高い。


「詰みくせぇなコレ……」


 というかほっぴーがアッチに居る時点でだいぶキツい。


「……チッ……警察成りすましもあんな晒しされたんじゃ成功率低いしな……」


 キィ……


「!?」


 ドアの開く音だ。


 いつでも逃げられるように体勢を整える。


「……よし、ここなら隠れられそうッスね」


「ベガ!?」


「うおっ!!?……し、師匠ッスか。ビビらせないで下さいよ……」


「そっちこそビビらせんなよな……で、ベガ、どっち陣営だ?」


 まだ警戒をとく訳にはいかない。


 いやまぁ言動からして十中八九、泥棒だろうが……


「泥棒ッスよ……俺ら全員」


 ベガがそう言うと、後ろのドアからわらわらと三人ほど人が入ってきた。


 俺はその全員に見覚えがあった。


「江藤さんに遠山さん、んでモータル、か」


 奇遇にもソレは、異世界にて魔王軍本部から逃走をかました三人だった。


「やあ、タカ君。君が居るなら安心だ」


「いやー、そうでもないと思いますけどねぇ」


 そう言って頭をポリポリと掻く。


 いやマジな話、期待されても困る。

 俺はただただ脚が速いってだけだ。


「あー、そうだ。モータル。人狼はどうした?所持魔物も参加扱いになんのか?」


「ん?あー、一部除いて参加だってさ」


 一部?


「カーリアちゃんとか、砂漠の女王とか。あとゴブリン軍団と、タカのバンシー」


「なるほど」


 カーリアちゃんと砂漠の女王以外は一般人と絡みの無い魔物、だな。

 おっけー、把握した。


「……あれ?お前の人狼は?」


「捕獲されたマサルがどこに連れて行かれてるか尾行。うまくいったら屋上に場所のメモを置きに来るってさ」


 やるじゃねぇか。


「というかぶっちゃけ一階だよな」


「そうッスね。明らかに警備体制強めッスし」


 それをどう突破するか、だな。


「じゃあ俺とベガで陽動やるわ」


「ん。二人で大丈夫?」


 俺はモータルの問いを笑い飛ばし、堂々と宣言した。


「舐めるなよ。俺と、俺の弟子だぜ?」


 だが口にしている途中で不安になった俺は慌ててこう付け足した。


「そんな二人にモータルなんか加わった日にゃもう無敵よ」


「情けなさすぎない?」


 俺は遠山さんのツッコミを華麗にスルーしモータルの手をガシっと掴んだ。


「頼むわ」


「おっけー」


「あの……師匠……俺要らなくないッスか……」


 ばっかおめぇ、要るっての。いざって時の盾は重要だ。


「師匠……とりあえずろくでもない考え抱いてるのは分かったッス……」


 ろくでもないってなんだ。合理性の塊みてぇな考えだぞ。


「じゃあまあ手始めに俺とベガとで屋上とやらの様子見てくるから。この倉庫部屋に集合な」


「い、いいのかい?タカ君にベガ君」


「おう任せとけ」


 多分モータル達さえ残れば何とかなるから。


 特にモータルの安心感……安心……安心って何だっけ……?


「師匠?何スかその解脱直前の僧侶みたいな顔」


 どういう顔だ。


 ま、まぁいいか。とにかく、モータルの盾である俺とそんな俺の盾であるベガが行くのがベストである事は間違いない。


 だってモータルと江藤さんと遠山さん、魔王軍本部から脱走したんでしょ?

 もうなんか、いける気しかしないじゃん?


 というかモータルに至っては誰かに捕まえられるビジョンが浮かばないじゃん?


 下手したら陽動通り越して普通に檻んとこ行って何人か救出しちゃうんじゃねぇの。




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