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過疎ゲーが現実化して萎えてます。  作者: ペリ一
本編

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50/339

夜明け


ガッテン:ちょっと目離してる隙にやべー事なってんな


ほっぴー:お前だけ回収出来ないかもしれん。鳩貴族さんはまあ、何とかする


鳩貴族:行かない方が良い気もしてきましたが


ほっぴー:かもしれない。キャンセルしておくか?


鳩貴族:ええ。お願いします


ほっぴー:避難民誘導後の俺とタカがどうなるか、だが


ほっぴー:まあ連絡途絶えたら色々バレて死んだって事で


ガッテン:おいおい縁起でもねぇ事言うなや


ほっぴー:紅羽とスペルマンは……あー、うーん流石に避難民に混ぜて逃がすのは無理か


紅羽:逃げるつもりはない。というか仮に東京に領域が出来たとしてもあたしらが殺される羽目になったりするか?


ほっぴー:怪しまれは……いや、しない、のか?


スペルマン:砂漠の女王の乱心で済むかも


ほっぴー:分からん。ただ運に頼るほど俺らは落ちぶれてない。そうだろ?


紅羽:ああそうだな。ガチャなんてクソ食らえだ


スペルマン:ザントマン……


紅羽:遺言はそれだけか?


スペルマン:ごめんなさい……









「ゴブ!」「ゴーブ!」「ゴブー!」


「……本当に信用して良いんですね?」


「ああ。この、俺が保証する」


 タカが胸をどん、と張り宣言する。

 そのあまりにも自信に溢れた物言いに、ざわめきが少しだけ収まる。


「……分かり、ました」


「西川さん!」


 後方の群衆から非難の声があがる。

 その声を片手で制すと、西川が声を張り、宣言する。


「責任は僕が――」


「いえ、それでは足りませんね」


 その宣言を遮り、群衆をかき分け出てきた、若干釣り目がちではあるものの、落ち着いた雰囲気を纏った二十代後半程度の男――七色の悪魔。


「私の首で如何でしょう」


「え?」


「ですから、もし本件について避難民の皆様に不都合が生じる事があったならば、私の首を刎ねて構いません、と言っているのです」


 一切臆する事無く、真顔でそれを言ってのけた七色の悪魔に、周囲がざわつく。


「し、庄治しょうじさん……あんたがそこまでする必要は……」


「する必要?いえ、私は首を預けるに足る程の信用を抱いている、というだけです。実際に私の首が刎ねられる事はないと分かっているのです」


「……」


 徐々にざわつきが収まり、静寂が訪れる。


「……あー、認めてくれるって事でいいのか?」


 タカの問いに、西川が群衆を見渡し、反論を唱える者がいない事を確認した後に、ゆっくりと頷いた。


「じゃあ、頼んだぞお前ら」


「「「「ゴブー!」」」」


 タカは先頭に立つゴブリンリーダーの肩をポン、と叩くと、悪魔さんの本名は庄治さん、か……等と皆には聞こえない程度の大きさで呟きながら拠点へと戻っていった。








タカ:はい作戦会議ー。参加者挙手!


ほっぴー:ノ


紅羽:ノ


スペルマン:ノ


ガッテン:ノ


タカ:ガッテンは省きます


ガッテン:何で!?


タカ:だってどうせこっち来れないだろ


ガッテン:う、ぐ……まあ、そうだが


ほっぴー:まあ待て。外野として一応置いとこう


ジーク:置物と化したガッテン


タカ:お前今どこにいんの


ジーク:あの後しれっと群衆入り


タカ:てめぇ……


Mortal:俺だけ先行するか?って聞かれた


ほっぴー:嫌な予感がするんで却下


タカ:あっぶな。脱線するとこだった。おい。作戦会議やるぞ


ほっぴー:了解


タカ:さて問題は今回の俺達の動きをカーリアちゃんやアルザがどこまで知ってるか、だが


ほっぴー:東京に張られると困るし、俺らの方でうまいこと拘束しときたいよな


タカ:ああ。という訳でPR動画第二段の撮影を実行に移す


ガッテン:クレイジーだぜ……


スペルマン:やるじゃん


ほっぴー:アルザは?


タカ:ちょっと前に喋ったとき、裁縫出来るの自慢してたじゃん?材料渡して色々作らせよう


ほっぴー:へへ……こういう時だけ異常に頼もしいよなお前……感動したぜ


紅羽:あれ?どうやってこっちからコンタクト取るんだ?


ほっぴー:ああ、余程の事が無い限り一日に一回はカーリアちゃんに会えるんでな。そん時に話を通す


ほっぴー:ホラ、アレだ。ログボ受け渡し


タカ:よし。決行は明日……カーリアちゃんにはPVのリハって事で残ってもらって、アルザは呼び出し&衣装製作。これで完璧だ


ほっぴー:そういや要望かなり溜まってたぞ


タカ:その辺の整理は今日中にやるぞ


ほっぴー:了解


スペルマン:腕がなるねぇ









 深夜。リビングにて、三人の漢達がごそごそと蠢いていた。


「動画撮影が時間稼ぎの手段である事と、その撮影をガチでやるかどうかってのは――全くの別問題だ。違いないな?」


「勿論だよタカ氏~。あ、見てよこのカメラ。凄くない?」


「ん?あーすまん。その辺の機材の事は俺には全く分からん」


「えぇー……」


「それより見ろよ。この要望書の数々」


 タカがスマホの画面をほっぴーとスペルマンに見せる。


「すげぇ……文章からここまでの熱が伝わってくる事があんのか……!」


「タカ氏~。俺ゾクゾクしてきたよ……!」


 二人の反応に、満足げに頷いたタカは、こう続けた。


「避難民も守るしえっちな動画も撮る……この両立ができてこそ……十傑だ。問おう、お前達に真の十傑たる覚悟があるか」


「ああ」「勿論」


「いい、面構えだ。無論、俺も覚悟を決めてる」


 リビングには、歴戦の戦友同士肩を叩き合うような、そんな雰囲気が漂っていた。




「それはそれとして、一応遺書は書いとこうな」


「そうだな。一個バレたら芋づる式でいくだろうし」


 三人の漢達は、いそいそと遺書をしたため始めた。











 その数時間後。リビングで爆睡する男達の前に、カーリアが現れた。


「あ、あの……」


「っ!……っと。すまん。実はPR動画撮影が本詰めまでいっててな。夜更かしを……」


 カーリアに声をかけられ跳び起きたほっぴーが、寝起きとは思えぬほどの舌の回りを見せる。


「今日のログボ……じゃねぇわ。給料だな?それはそれとして話があるんだが」


「え、あ、はい」


「動画撮影のリハを予定してて、な」


「……おお!」


 途端に表情に喜色を浮かべたカーリアに、ほっぴーが更に畳み掛ける。


「何故まだリハなのかと言うと、衣装の用意がまだ済んでないからなんだ。その件についてちと相談があるからアルザを呼んできて貰えるか?ああ、給料渡すのはその後でいい。とにかく早く呼んできてくれ」


「え、えぇと……ハイ!分かりました!」


 慌てた様子で消えていくカーリアの後姿に、にやりと笑みを浮かべつつほっぴーが未だいびきをかいて寝ているスペルマンとタカを揺すり起こす。


「起きろ。一世一代のセクハラ作戦が始まるぞ」


 作戦名、もう少しなんとかならなかったのだろうか。



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