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過疎ゲーが現実化して萎えてます。  作者: ペリ一
本編

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332/339

使命に飢える


ほっぴー:えー、折り入ってご相談があるのですが良いでしょうか


砂漠の女王:はぁ。追加の援軍ですか?


ほっぴー:えぇとですね、まず原初の炎が手に入りました


砂漠の女王:良いではないですか。運搬に問題ですか?


ほっぴー:いえ、それは問題ないんですが


砂漠の女王:要領を得ませんね、相談の内容とは?


ジーク:もう黙って連れて行こう


紅羽:それ書き込んだ時点で黙れてねぇじゃん


タカ:お、何だ何だ、揉め事か?


ジーク:お祭り喧嘩野郎が寄ってきたな


鳩貴族:黙って、連れて行こう……?


スペルマン:何? えっちな話?


ガッテン:絶対違うと思う


砂漠の女王:ああ……何となく察しがつきました。一応言ってみなさい



ほっぴー:お! 良かった〜、そうなんだよ、異世界管理局の支部長を名乗る奴がタカに会いたいって言っててさ〜


砂漠の女王:???????????????


タカ:????????????


ジーク:察しついてねぇじゃねぇか!


ほっぴー:ちなみにダメって言われたら原初の炎奪って大暴れするらしい


砂漠の女王:???????????????????????????????


七色の悪魔:選択肢、無いようなものですね……


お代官:いや、無いわけではないぞ


ほっぴー:お?


砂漠の女王:流石はお代官様ですわね、それに比べて厄介事ばかり持ち込むこのアホどもは……


タカ:言われてんぞ


ジーク:厄介者にばかり好かれるアホもいます


タカ:あぁ?



お代官:まぁ選択肢は、タカをそちらに向かわせるか、支部長を砂漠に招くか、だ。タカに会いたいと言っているだけなのだろう?


砂漠の女王:流石はお代官様! タカ、支部長の元へ向かい、心臓を起爆しなさい


お代官:そこまでは言ってないぞ???????


タカ:お代官さんの指示が鬼畜すぎる;;


ジーク:いいね! タカ! 今がウルトの切りどころだぜ! 自爆シークエンス起動!


ほっぴー:敵組織の主力とトレードだ! アツいぜ!


タカ:十傑の主力も失ってませんか……?


紅羽:爆弾になった時点でお前はまともな戦力じゃない あと主力は私


ほっぴー:普通にモータルだろ主力は


鳩貴族:まぁ妻帯者になったのもかなり戦力減ポイントですしね


タカ:今死ねつったか?


ガッテン:自爆を命じられて死に敏感になってる……




Mortal:話まだ終わらないの? はやく連れて行こうよ


タカ:主力さん来たーーー! ジブン何でも言うこときくッス!!!!


Mortal:そうなの?


タカ:ほどほどに言うこときくッス!!!!!


ほっぴー:おい


Mortal:妻帯者ってことは結婚したんだ、おめでとう


タカ:え? あ、はい。どもっす


ジーク:とうとう堪忍したんか


ほっぴー:おめでとう! お祝いになるか分からないけど、支部長そっちに連れてくね!


タカ:分かるだろ。ならねぇよ




砂漠の女王:ああもう教皇が連れてきたがってて嫌ぁああああああああーーーーーー!!!!!!!!!!


ジーク:草


ほっぴー:おもろ。絶対つれてこ


お代官:いや待ちたまえ。ここまで嫌がるのは理由があるはずだ


砂漠の女王:個人的に嫌ーーーーーーーッッッ!!!!


お代官:ほら見たまえ、個人的に嫌だそうだ


ガッテン:ほら見たまえ……?


鳩貴族:お代官さんもたいがいぞっこんですからね


ほっぴー:個人的に嫌なだけなの? マジ? もっと他に理由は?


砂漠の女王:正直どこで地雷踏むか分からない男をそちらに向かわせるよりは支部長クラスだろうと殺せるこちらの領域に招いた方が安全ですからね


ジーク:なるほど、でも?


砂漠の女王:個人的に嫌


ジーク:しゃーないか


タカ:しゃーなくねぇよ


砂漠の女王:爆弾が私の城に住んでるのも個人的に嫌


タカ:もう全部言うやんこの人 なに? そりゃ嫌だろ。俺も嫌だし


紅羽:他人事みてぇに言ってんじゃねぇぞ



お代官:……して、どうするのかね?


砂漠の女王:招きましょう。ただ言っておくと、殺す寄りで考えていますから


Mortal:うーん


砂漠の女王:……寄り、ですからね


ほっぴー:流石は主力さんだ、砂漠の女王に意見通しもできる






「マジで最悪なんだけど」


 掲示板魔法でのやり取りから1時間。

 あいつらがそろそろ到着するとの報告がきた。


「大丈夫ですよ、いざとなれば皆で圧し潰しましょう」


 エリーさんが物騒なフォローを入れてくる。

 実際そのつもりっぽいけど。


「でもなぁ。モータルの提案らしいんだよ」


 経験上、こういう時のあいつの行動には意味がある。

 単に話をした後に戦闘、なんて単純なことになるだろうか。


「う、お」


 酩酊感。

 おそらく対談場所に転移させられているのだろう。

 エリーさんが強く腕を絡めてくる。

 正直心強い。


 一瞬の眩暈がした後、俺は広間に立っていた。


「ようこそ、支部長様。言動にはお気をつけてくださいね。無事に帰りたいのであれば」


「やぁやぁ、君が支部長か! 私は聖樹教の教皇をやっている者だ。良き語らいの場にしよう」


 俺とエリーさん。砂漠の女王と教皇。

 何やら瓶を持ったモータル。


 そして、赤い髪の剣を携えた女。

 おそらくアレが支部長だろう。


「えーっと、どうも。タカです、よろしくおねが……うぶっ」


 俺が自己紹介を言い終わらぬ内に、支部長が近寄り俺の頬を掴んだ。


「やめてもらえますか」


 即座にエリーさんがその手を引き剥がす。

 支部長はそれを意に介した様子もなく、俺の顔を見つめていた。


「なんすか」


「――似てる。近くでよく見ると、結構違うんだけど。なんだろう」


「はあ」


 知り合いの誰かに似ているってことか?

 ただそれだけにしてはどうにも、雰囲気が和らぎ過ぎている。

 先ほどまでは非常に冷酷そうな印象を受けたが……。


「名前は?」


「青木孝文っすけど」


「一字だけか。並行世界の遠い親戚とか? それとも単に……因果的収斂か」


 因果的収斂?

 よく分からない単語だ。


「それにしても、ずいぶんと中身がぐちゃぐちゃだけど。なんで?」


 やっぱ見る人が見れば分かるもんなんだな。

 個人的にはピンときてない部分が多い。


「なんでって……まぁ、無茶したからだな」


「ふーん。なんで無茶を?」


 理由か。

 色々ある。とはいえ総括して言うのなら、そうだな。


「前に進むためかな」


「なるほど。シュウトが改心するわけだ」


 支部長の目が、ひどく優し気なものに変わる。

 いつの間にか近くに来ていた教皇が、支部長の肩に手を置いた。


「これが私の好きな“人間”だよ。たまらないね」


「触んな」


 支部長が教皇の顔に裏拳を叩きこんだ。


「おお!」


 砂漠の女王が喜びを隠しもしない声をあげた。

 おい。


「教皇と支部長は……なんだ、知り合いなのか?」


 教皇が笑顔のまま起き上がる。


「私は聖樹様の最も近くにいる者。そして異世界管理局は聖樹を起点に世界を管理している……無論、多少接点はあるさ」


 そうか。

 にしては距離感が近すぎる気もしたが……まぁ、コイツはそういう奴だしな。


 支部長が改めて俺の方に向き直る。


「私はアカミネ。正直話し終えたらさっさと退却しようかと思ってたけど……気が変わった」


 アカミネが優し気な表情から一転、獰猛な笑みを浮かべる。


「というと?」


「貴方達、もう今すぐにでも殻で覆う魔法を発動させようと思ってるでしょ。そうなれば統合派の連中も……なりふり構わず阻止するための人員を派遣してくる」


 そうなのか。

 砂漠の女王を見る。


「さぁ、どうでしょうか」


「別にとぼけなくてもいいよ。正直回収任務に失敗した分の穴埋めは欲しかったんだよね。規約違反の下っ端ども、いくらか両断してあげる」


 それは……大丈夫なのか?


「その、異世界管理局ってのがどういう組織か知らないんだが、そんな無茶が通るもんなのか?」


「アッハ! 優しいじゃん。まぁ通らなくて処罰されちゃうかもだけど。私もう1回死んでるようなもんだし」


 アカミネが服をまくる。

 露出した腹部には、何か、人の口のような噛み跡があった。


「とびきり不幸な並行世界。パンデミックが起こって、噛まれて彷徨って。全てが終わった後に意識を取り戻した。それが私」


 異世界じゃなく並行世界?

 引っかかる点はあるが、境遇は理解した。

 本当だとしたら、それは……あまりにも。


「ま、私ってかなり便利な駒だから、処罰があっても降格程度で済むと思うけどね」


「局員達の不老の維持コストは馬鹿にならないそうだからね。君はコスパ最強! というやつだ」


「あ? 喋んな」


 アカミネが教皇の腹をどつく。


 当たりが強すぎないか?

 その強く当たられている教皇は大きく口を開けて笑っている様子だが。


「会って良かった?」


 モータルだ。

 その言葉に、アカミネはふっと笑って答えた。


「うん。感謝してる」


 満足げだな。


「はあ。ま、一旦信用しましょうか。貴方がここを去ったら始めますので」


 砂漠の女王がモータルから瓶を受け取る。


「おっけ。じゃあ境界に構えて、ある程度暴れたら帰るから。流石にこの世界に閉じ込められたくはないんだよね」


 アカミネが手を振る。

 俺は慌ててその背に向かって一番の疑問を投げかけた。


「おい待て待て! 結局その、似てるって誰にだよ!? どんなやつだ!?」


「あー……」


 アカミネが逡巡する様子を見せる。

 やがて躊躇いがちに口を開いた。


「彼氏?」


「あ゛ぁ゛!?」


 びっくりした。

 エリーさんが聞いたことのない声でアカミネを威嚇している。


「アッハハハハ! 別に盗らないっての! ま、何ていうかさ。私ら管理局員って皆、使命に飢えてるんだよね。だから結構方針がバラついてる部分もあるっていうか」


 アカミネが俺達を見る。


「管理って銘打ってるんだからさ。その世界が良い方向に……前に進むためのほんの後押しくらい、して良いと思ってるんだ。私は」


「ですがこの世界はもう閉じますよ?」


「元々世界は1つだった。それぐらいで……本当の意味で閉じることはないよ。私達はもうこの世界を見ることはできなくなるけど――幸運を祈ってる」


 慈悲のこもった目だった。

 どれだけの物を見てきたのか。アカミネの思う自分の使命は何なのか。

 分からない。分からないが……その祈りは、確かに本物だった。


「もう会えないと思うと寂しいよ、アカミネ」


「教皇。あんた自分のやる悪巧みは全部成功するって思ってるでしょ」


 教皇がわざとらしく口笛を吹く。


「あえて言ってあげる。ざまあみろ」


「おや、手厳しい。幸運は祈ってくれないのかな?」


「当然。それじゃ」


 アカミネの姿が消える。

 境界とやらに向かったのだろう。


 場をしばらくの間、沈黙が支配する。



「……さて、始めましょうか。世界を救う魔法の起動を」


「そうだね」


 砂漠の女王と教皇。

 両者の表情には、こいつを出し抜いてやる、の一文がありありと浮かぶようだった。


 

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― 新着の感想 ―
赤嶺さん来た!!??そら剣術強いですわな…
心臓に爆弾で両手が拾い食いした氷でそこ以外にも氷ある感じだし多分まだ魂レオノラと繋がってたはずだし確かにグチャグチャだなぁ そういえばレプリカはどうなったんだろうか
青葉とタカは並行世界的な関係があったのか! 言われてみれば青葉茂と青木孝文って似て...ないな。一文字だけだし 人柄は、掲示板好きなところと、弱いけど無茶をすれば奇跡を起こせるところは共通してる。 …
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