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過疎ゲーが現実化して萎えてます。  作者: ペリ一
本編

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首都に近づくやべーコンビ

「タカー、どうするよ」


「とりあえずお前は身体を洗え。体臭えげつねぇぞ」


「そうか?」


「主殿、このゾンビのような体臭の男は……?」


「え?そんな臭い?」


「おう、くせぇくせぇ。どっか川かなんかあったらそこで洗え。あー、おっさん。コイツはモータルだ」


 俺はそこで言葉を一旦切ると、こいつをどう評すべきか考えを巡らせ、一応の結論を出した。


「PK特化のやべーやつだ」


「PK……?」


 そうかー。伝わらんか。なら言い方を変えよう。


「ざっくり言えば対人特化だ。注目すべきは、プレイヤーが10人しかいないゲームでそれをやったという事だな」


 とどのつまり、変態だ。










タカ:Mortalと合流。とりあえず体臭えぐかったからその辺の川で水浴びさせてる


ガッテン:合流しちゃったのか……


ほっぴー:カーリアさんに助太刀頼んだ方がいいか?


タカ:おう討伐対象みたいな扱いやめたれや


ジーク:カーリアさん勝てるの?


ほっぴー:多分だけど、カーリアさん、モータルの上位互換みてぇな動きするぞ


タカ:負けじゃん


ジーク:もう早めに降参しとくか。広報部ってまだ人員募集してる?


ガッテン:待て待て待て


ガッテン:諦めが良過ぎるだろ。囲んでボコればいけるって


ほっぴー:モータルの上位互換みてぇな動きつったろ


ほっぴー:タイマンじゃ誰も勝てねぇ。これが前提条件だ……まあここまでは良い。モータルと一緒だな


ほっぴー:カーリアには謎の転移魔法がある。発動条件は不明で、いつ来るかも不明。だがこちらの動きはどうも一方的に見られている節がある


ジーク:広報部四国支部に興味ない?


ガッテン:どいつもこいつも擦り寄るのが早すぎるんだよ!!人類としての誇りってもんはねぇのか!?


ほっぴー:埃?


タカ:そんなもんは子宮に置いてきた


ジーク:草


ガッテン:俺は徹底抗戦すっからな!


七色の悪魔:まあいざとなればきっと皆団結してくれますよ、ガッテンさん。


ガッテン:悪魔さん……いや、天使さん……!


七色の悪魔:その呼び方止めてくださいブロックしますよ


ガッテン:もぉおおおおおおおおおお!!!!


ジーク:草


ほっぴー:悲しみの嘶き











 川で水を浴び多少はマシになったモータルを連れ、東京を目指す。


「タカは東京に何しに行くんだっけ」


「メインはグールの進化素材確保だな……ちょっと待った。お前、魔物はどうした?チュートリアル石は?」


「あー。忘れてた」


「忘れるとかあんの!?」


 俺の驚きを余所にモータルがゴソゴソとポケットからチュートリアル石を取り出す。


「……モータル」


「ん?何?」


「取り引きをしないか。その石とカーリア撮影の権利を交換しないか」


「んー……」


「今ならお触り一回無料!どうだ!?」


「主殿……殺されますよ……」


「うるせぇ!!!そうだ!今ならこのおっさんも付いてくる!!」


「主殿!?」


 俺の必死の説得に、何やら考え込み始めるモータル。これは……いけるか!?


「タカ、これってタイムテーブルとかあんのかな」


「引く前提の話じゃんそれ!?俺の交渉は!?」


「セクハラは引いた魔物にすればいいし……」


「待て!おっさんを引くかもしれないんだぞ!?」


「ねぇ主殿さっきから酷いですぞ!?」


 動揺で敬語が崩れたおっさんを指差しつつぎゃーぎゃー喚いた俺だったが、その頑張りも虚しくモータルはチュートリアル石を砕いた。

 

「ちょっと待てや何で一言も声かけず勝手に石砕いてんの!?」


「あー、ごめーん」


 俺のツッコミも軽くいなされ、石が割れた場所から光が溢れる。



「うお____!?」


 目が眩み、思わず足元がフラつく。



 そして光の奔流がやがて収束し、一体の魔物がそこに居た。


 人型のシルエットに、獣そのものの顔。そして隆起した全身の筋肉を覆うもふっとした黒い体毛。


「ライカンスロープ……!」


 ライカンスロープ……またの名を人狼。


 人型特攻を持つ唯一の魔物である。


「おー。いいね」


「よくねぇよ……一番お前と合わせちゃ不味い魔物だって……」


 そこそこの当たりかつ明らかにやばい組み合わせ。

 俺はその場に崩れ落ちた。











「セクハラは出来ないけどもふもふは出来るな」


「……おい、やめろ。俺の尻尾に触るな」


 ライカンの静止も虚しく延々と尻尾をもふもふし始めたモータル。


「おい、そこのお前。止めさせろ。……なんだその可哀想なモノを見る目は!?クソッ!何なんだ一体!」


 コボルト系列の進化過程、ね。

 SSRになると黄金の獅子の獣人に変わるんだったか?


 まあいずれにせよ俺のおっさんよりはよほど当たりである。クソッ、俺が引いてれば……!


「俺はライカンスロープだぞ!人間を狩る者だ!ああ畜生!なまじ力量が分かっちまう自分が憎い!」


 無言でモータルに尻尾を触られ続け、半ば腰砕け状態になったライカンスロープにそっと肩を貸してやる。


「おいおい、ツッコミ役は初めてか?力抜けよ」


「初めても何も俺はさっき産まれたばかりみたいなもん……あふっ……おいやめろ!!!触るな!!やめっ、やめろ……」


 俺はケモナーでは無いがもふもふは好きだ。

 しかもさっきまで俺がやらされていたツッコミ役を引き受けてくれそうな存在だ。それだけで好感度もかなりプラス。

 良い引きをされたのは腹が立つがこのもふもふに免じて許してやるとするか。俺はなんて優しいんだろう。


「主殿……その辺にしてはいかがですかな、じゃなかった、いかがでしょう」


「無理して喋るなつってんだろ……まあ、それがお前の拘りならいいか」


「はい」


「おい何普通に会話してんだ!んっ!やめろ!触るな!おま、お前!おい!!」


「タカー、そろそろ返してよ」


「おーう」


 親戚の家の飼い猫で鍛えたモフりテクでライカンの腰を再起不能に陥らせた俺はモータルにモフり手を譲った。


「いやー、癒されるわー」


「ああクソ!やめろ!趣向を変えた触り方をするな!ああああああ!!!!」



 ワオォォォオオオン_____



 そんな人狼の悲痛な叫びが、辺りにこだましていく。




 この時、人狼の嗅覚がまともに機能していれば、気付けたのかもしれない。


 その集団の背をドン引きした様子で眺める視線の正体に。

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