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過疎ゲーが現実化して萎えてます。  作者: ペリ一
本編

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25/339

幕間:蝙蝠屋敷の主の述懐

予約投稿ミスです。

許してね!








 主殿は妙……いや、はっきり言ってしまえば変人ですな。


 我輩に命じて自分の家族と、友人の家族を守らせたかと思えば、気が付けば魔王軍に所属している。


 というかその友人の方々もなかなかの曲者で、かの高名な刻風魔こくふうまのカーリア女史の、その……色々とアレな映像を撮っておきつつ、生き長らえている。

 終いには魔王軍に所属する事になり、例の動画の第二弾を撮ると宣言したのですから、正直頭がおかしいとしか思えませんな。


 その友人の中では、まだまともな部類である紅羽女史と警備を交代する事になり、久方ぶりに主殿の元へ帰還が叶う事になった我輩。

 それはもう意気揚々と帰還、した、のですが。











 我輩が帰還した時には既に、倉庫がひしゃげ、潰れていました。


「主殿!?主殿ーーーーッ!!!」


 我輩がそんな声をあげながら倉庫に駆け寄り呆然と立ち尽くしていると、後ろから主殿がスナック菓子?とやらをバリバリ食べながらやってきて、呆れたような視線をこちらに向けてきたのです。


「何やってんだ」


「主殿?えっ?」


「空き部屋貰ったからそっち拠点にするぞ。さっさと中に入れ」


「え?ああ……了解ですぞ……」


 色々とツッコミたい箇所はありますが、そんな事をしていては体力が尽きてしまうので、我輩は思考を放棄し主殿に誘導されるがまま家の中へ入る事にしました。





「がーあうー!」


 着いてそうそうグールが我輩にじゃれついてきました。ほぉっほぉ。

 こうしてみるとグールもなかなか可愛いものですな。


 我輩は脱臼させられた肩をしっかりと元に戻しつつ主殿に向き直りました。


「主殿。今後の予定についてはどのように」


「東京にゾンビとスケルトンが湧いてるらしいから狩りに行きたい……が、広報部の仕事もあるからな……」


「カーリア女史であれば何処へでも出向けると思いますぞ」


「あー……やっぱそういうチート系能力もってんだな。キッツ……」


 主殿はそう言い露骨にげんなりした表情を浮かべた後、はっとしたようにこっちを見て、こうたずねてきました。


「お前、なんでそういう事知ってんの」


「……我輩も、よく分かってないんですぞ。召喚された時からある、蝙蝠屋敷の主としての記憶と、それにはあまりにも釣り合わない自分の能力……ですが、我輩は信じておりますぞ。主殿は、我輩の事を弱い、と。まだ弱い、と。強くしてみせると言った。……だから、我輩は」


「そういう独白はいい。あと慣れない敬語で無理やり喋るんじゃねぇ」


「これは、我輩の決意の表れです」


「そうか。ただまぁ、俺がやれるのはスキル面の強化だけだ。レベリングと熟練値上げは自分でやるしかないんだからな」


「……了解、ですぞ」


 おう、と適当な返事の後、主殿はグールのお腹を枕に魔方陣を弄り始めました。


「だいたい何だよ、ですぞって。論者か何かか?」


「……?」


「あー、いい、いい。こっちの話だ」


「分かりましたぞ」


 うぅむ。我輩の敬語は変なのでしょうかな。

 少し勉強すべき、ですかな……


「適度に休憩を取れ。あとは……そうだな。ゴブリンの巣が無いか探してこい。ほっぴーが縮小したゴブリン軍を立て直したいんだと。報酬は……高純度魔結晶。グールの進化に必要なアイテムだ。ドラドラからドロップしたやつらしい」


「了解ですぞ!」


「待て。休憩を、とれ。分かったな?」


「……御意に」


「それでいい」


 ……やっぱり主殿は、厳しいのか優しいのかよく分からない……変人ですな。










「ゴブッ!?」


 本日何体目かも分からないゴブリンの首を刎ね飛ばし、魔石を回収します。


「あと3体、でしたかな?」


 袋の中でコロコロと大量の魔石が転がる感触を楽しみつつ一歩を踏み出した、その時。





「おや?」



「……カーリア女史?」


「貴方は確か蝙蝠屋敷の……おかしいですね。何故そんなに弱く……もしや、こちらの世界に来る為にわざわざ自分を弱くしたのですか?」


「ふぉ、ふぉっふぉ……」


 まずいですな。

 ハッキリいって、我輩は……記憶を持っているだけの、別人のようなものですからな。

 おそらく蝙蝠屋敷の主という存在は……唯一のものではない。種族を指す言葉なんでしょうな。


「……まぁそちらにはそちらの事情があるようですね。分かりました。まさかこちらの不利益になるような事はやらないでしょうし」


「無論ですぞ」


 我輩がそう返すと、カーリア女史は風の如く消えていきました。

 その様子を見て我輩の背筋を冷たいものが走りました。


 ……今の我輩では、数秒と持たない。


 そう確信するに足る強者のオーラを、カーリア女史はまとっていました。











「お前敬語おかしくね?」


「そうなんですかな……」


「いやー、おかしい。絶対におかしいね!だいたい何なんだよ、ですぞ!って。論者か何かか?」


 ほっぴー殿にゴブリン魔石を届けたら、そのままよく分からないいちゃもんを付けられましたぞ。

 というか主殿も言っていた、論者とは何なのですかな……


「あー、そりゃそうか。伝わらないか」


「そうですぞ。我輩、妙に気になってもやもやしますぞ」


「知るか」


 冷たいですなぁ。


「はーーーーー。いや、もういいわ」


「そう、ですか」


「じゃあ次、魔狼の魔石よろしく」


「了か……え!?そんなものは頼まれてないですぞ!?」


「そりゃ、今頼んだからなぁ」


 そ、そんなの詐欺ですぞ!詐欺!


「……なぁ、おっさん。カーリアちゃんの動画の無編集版欲しくねぇかぁ?」


 無編集……!?う、ぐ、いや、しかし。


「いいじゃねぇか……ちょっとばかし犬っころしばいて石取ってくるだけだ。悪い話じゃないと思うけどな」


 ……


「……御意、に」


「はっはー!いいね!話が分かるやつぁ好きだぜ!」










「……よしよし。しっかりあるな」


「ほっぴー殿。これで我輩に、その……」


「あーあ。フェアリーの魔石欲しいなぁ」


「!?」


 そ、そんな!?何を言っているのですかほっぴー殿!


「欲しいなぁ……持ってきてくれた奴には……っと、こんなとこじゃ言えねぇや」


 言えないような物を!?


「欲しいなぁ……あ、おっさんいたの?まさか聞いてた?」


 なんという白々しさ……しかし、その話。


「乗らせて貰いますぞ」


「ああそう?助かるわ」


 そう言うとほっぴー殿は笑顔で我輩を送り出しました。



 ……何だか良いように使われている気がしますが、これも自分磨きの一環!主殿!我輩頑張りますぞ!!

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