4-3 中継地点
登場人物まとめ
A[整備班 自動車関係に詳しく体も声もでかいが気弱な所もある]
B[研究班、高齢の女教授で研究以外に興味が無く性格がキツい]
D[研究班、研究肌で声が小さく話す前に少し貯める癖がある]
E[整備班、体躯のわりに運動は苦手だが他は多芸で飄々とした性格の個人主義]
G[偵察班、体は大きいが器用貧乏で非日常を好む変人で親しい人間には語尾を伸ばす癖がある]
K[施設班、工学に詳しく冷静沈着で天才肌なまとめ役]
O[施設班、少し気弱でオタクっぽいが機械やドローンに造詣が深い]
P[遠征班、小柄だが朗らかで野外での活動の才能が高く一度見た風景を忘れることが無い]
S[遠征班、糸目で音楽や文学に詳しいムッツリスケベ]
T[遠征班、小柄だが自転車が趣味で体力が高い人の好い性格]
H[遠征班、元学芸員の歴史オタでフィールドワークの経験から重機を動かせ体力もある]
I[偵察班、長身痩躯で極めて性格が善性な人物]
『G、I、T。もうすぐ第1中継予定地、周囲の感染者は多くないよ』
『サンキューO、北の方は田舎だからなァ・・・感染者も少ない』
『感染者が少ないから感染していない人がいる可能性もあるね』
『そうですねTさん、まだ無事な人がいるといいですね』
『いやァ・・・実際いたほうが厄介なんだがねェっと、ここかァ』
僅かにアスファルトを擦る音を鳴らしながら走る3台の電動バイク、先導するドローンが上空を飛んでいる筈だが曇り空に紛れるような灰色に塗られた機影を走りながら見つけることはできない。しかし、3人のイヤホンに届く声がある以上それは問題にはならない。バイクにはタブレットが括り付けられており、インターネットは死んでも未だに機能しているGPSを利用してカーナビとして使われ目的地を示す。
片側2車線の道路の脇には幾つかの店舗が途切れることなく並んでいるが街中ほどの密度も無く、道路から少し離れれば荒れ果てた田んぼに雑草の隙間から稲穂が覗く。次の季節にはもうその姿を見ることもできないだろう。
広い駐車場を持つ背の高いファミレス跡地、窓ガラスは割れ中は荒れ果てている。そこへスクーターを停めたGが作業を開始、IとTが周囲を警戒する。そのさらに上空にはようやく姿の見えたドローンが佇む。
「えーっと、こいつでこうで・・・うっし、セット完了だァ」
細身のフレームで覆われ様々な場所に車輪のついた奇妙な小型ドローンをファミレス跡地の割れた窓へと進ませる。カーナビにもなっていたタブレットが今度はモニターとして働いていた。
小型ドローンは内部へ侵入すると壁や障害物に当たりバランスを崩すがフレームと車輪の効果により墜落を免れる。
「Oほどうまくいかんなァ・・・っと、死体かァ。溶けかけているし蠅も酷いなァ、だが感染者はいないかァ。ドアが開けっぱなしは助かる・・・おっと、屋上までの階段も、セーフ!I、T、行きますかァ」
三人はファミレス跡地に侵入すると死体を迂回するように進むと小型ドローンを回収しつつ屋上へ出る。開けた場所に上空に待機していたドローンがゆっくりと降下し着陸した。
Iが背嚢からバッテリーを下すとドローンの消耗したものと交換、Gが今度は周囲の警戒を行いその間にTがアンテナを設置にかかる。アンテナにはまた別のバッテリーが組み込まれた装置が接続されていた。Tが通信機に声をかけながら位置の微調整をしていく。
『・・・こちらO、感度良好だよ!接続も問題なし、バッテリー残量も回復、第二中継予定地までのルートを見てくるよ』
『よし、俺たちもバイクに戻るよ』
再びドローンが空へと飛び立つ。今はIが警戒に立ち、その間にGがマスクにパウチのストローを突っ込み水分補給をしていた。
「行ったかァ、しかしまあ仕方が無いとはいえ面倒だなァ。ドローンの電波の中継地点とバッテリー交換をしながら進まないといかんとはねェ」
「Gさん、しょうがないですよ。今回はバイクですから運転しながら周りを見るのは大変ですし通信機もアンテナが無いと不安です」
「ああIの言うとおりだよG。今回の移動は目立つから、急がないといけないしね。バイクの稼働距離考えてもまっすぐに進みたいしね」
「I、T、わかってらァよ。普段の臭いで奴らを避ける偵察とは違うからなァ・・・さて我々も行くかね」
ファミレス跡地を出てバイクに跨り暫くの間待機をしているとOから問題なしという連絡が届く。数キロ毎にいくつかの中継地点を介して北へと向かう必要がある、やることは多いがそれでも危険を減らすためにはやむを得ない事だった。再び、静かなモーター音を立てて3台のバイクは動き始めた。




