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2-11 DJDJ

登場人物まとめ

A[整備班 自動車関係に詳しく体も声もでかいが気弱な所もある]

B[研究班、高齢の女教授で研究以外に興味が無く性格がキツい]

D[研究班、研究肌で声が小さく話す前に少し貯める癖がある]

E[整備班、体躯のわりに運動は苦手だが他は多芸で飄々とした性格の個人主義]

G[偵察班、体は大きいが器用貧乏で非日常を好む変人で親しい人間には語尾を伸ばす癖がある]

K[施設班、工学に詳しく冷静沈着で天才肌なまとめ役] 

O[施設班、少し気弱でオタクっぽいが機械やドローンに造詣が深い] 

P[遠征班、小柄だが朗らかで野外での活動の才能が高く一度見た風景を忘れることが無い] 

S[遠征班、糸目で音楽や文学に詳しいムッツリスケベ] 

T[遠征班、小柄だが自転車が趣味で体力が高い人の好い性格] 

H[遠征班、元学芸員の歴史オタでフィールドワークの経験から重機を動かせ体力もある]

I[偵察班、長身痩躯で極めて性格が善性な人物] 


 汗を流したGとIは廊下を進む、建屋内とはいえマスクと手袋、長袖の白衣に長ズボンが基本のスタイルだ。それらの装備は感染を防ぐ目的はもちろん、感染していた場合なるべく広げないという理由のほうが大きかった。


 特に、いくら気を付けていたとしても外へ出かけ感染者と直に対峙する事は明らかにリスクを高める行為であり、アルファベッツの面々はルールを作り警戒を密としていた。仮に体調が悪くなった場合、隔離部屋へと自ら閉じこもることとなっている・・・その部屋にはシアン化合物のカプセルと一酸化炭素を発生させる装置が置いてあり、後者は内外どちらからでも動作するようになっていた。


 Iが腕時計に目をやると、時刻は午後六時の手前であった。


「ああ、間に合いましたね」


「おうよ、シャワー中だとよく聞こえないしな」


 秒針がちょうど天辺を回った瞬間、スピーカーから陽気な音楽が流れ始めた。


『HEY!みんな生きてっかァ?オレは元気だぜぇ!!今日もMCはこのオレ!DJ!ドミトリーが送るう・・・サンセット・カプリッチョの時間がやってきたぞFOO!!!』


 けたたましい男の声ががなり立て、BGMの曲も音がどんどん大きくなっていく。


『さぁて!どうにも町は静まり返っているが、そんなの関係ぃナッシング!!今日も俺のハートにビンビンくる歌をお届けするぜェ!!まずは最初の一曲!!!行ってみYO!!』


 かけ声とともにアップテンポの曲が爆音で始まる・・・前に、音量が外部に漏れない程度にまで抑えられた。


「いやあ、相変わらず元気ですね。こういうことをやれる人は尊敬しますよ」


「まったくだな、毎日同じ時間によくやるわァ」


「ええ、でも、貴重な娯楽ですよ。きっと多くの人の」


『さあて、リクエストのコーナーだ!!ダチ公達から早速来てるぜェ!!おっと、ダチ公の公は、ハムって意味だぜ!!わからない?Oh・・・ならジジババにでも聞きなYO!!きっと楽しんで教えてくれるぜェ?さぁて・・・お、その曲なら流せるぜ!!では次のミュージック、行ってみYO!!』


「?Gさん、わかります?」


「誰が爺さんじゃ!アマチュア無線の事じゃあ!!・・・昔は流行ったらしいが今はあまりいないんじゃないかなァ、と思ったがドミさんの話だとまだそこそこいるようだな。いや、もう法律もクソも無えし電力も周波数もフリーなら結構遠くからでも通信できるかァ。ま、きっとこの放送もそのクチさァ」


「無線なんて古いテレビとかくらいでしか見たことありませんね、今でいうガラケーも結構前からありましたし」


「アマ無線は資格が必要だし機材も欲しいから完全に趣味のシロモノだなァ・・・いや、だが待てよ?他の研究施設も同じようなことを考えていたら、多分、繋がるな。海外でも」


「いいですね!Kさんとか、いやEさんとか結構知ってそうですね。聞いてみましょう」


「そうさなァ・・・俺も雑学とか好きだけど、こういうの動かしたことないし機械もそんな詳しくないんだよなァ」


『・・・OK!いい曲だったな!!さて次は・・・助けてくれだって?Oh・・・ブラザー、そいつは言いっこ無しだぜ!エブリバディそうなんだからYO!!・・・ま、とりあえずやりたいことを最後までやるしかないぜェBeYORSELF!!俺みたいにYO!FOO!!じゃあ、次のリクエストへGO!!』


 おそらく、このドミトリーと名乗る男もどこかに籠って耐えしのいでいるのだろうとGは考える。最早ラジオもディストピアと化したいくつかの拠点都市からの統制放送やつまらないニュースが間欠的に流れているだけだ。もっとも、情報がそれなりにあるために聞き逃すわけにはいかないが、楽しいものではない。


 DJドミトリー、彼もまた一人の避難民でしか無い筈だ。この荒廃した世界で耳を傾ける誰かを元気付けようとしているのか、それとも自分自身を元気付けているのか、はたまた両方か。ただ、少なくともこの放送はかつての騒々しい世界の思い出を蘇らせるものであった。


 ラジオはその後も簡単なトークなどをはさみながら、30分程続いた。


『Ohブラザー、残念だがサンセット・カプリッチョ、今日はこれでお別れの時間になってしまったZE・・・だが喜べ!また明日も同じ時間だ!エブリバディこぞって聞いてくれYO!YO!では、バ~イ!!』



「・・・終わりましたね」


「おう、19時からミーティングだったなァ。あまり時間もないし早くメシ喰おうぜ」


「主食はカロリーバーですよね、あの美味しくない・・・はぁ・・・」


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