2-3 横道
登場人物まとめ
A[整備班 自動車関係に詳しく体も声もでかいが気弱な所もある]
B[研究班、高齢の女教授で研究以外に興味が無く性格がキツい]
D[研究班、研究肌で声が小さく話す前に少し貯める癖がある]
E[整備班、体躯のわりに運動は苦手だが他は多芸で飄々とした性格の個人主義]
G[偵察班、体は大きいが器用貧乏で非日常を好む変人で親しい人間には語尾を伸ばす癖がある]
K[施設班、工学に詳しく冷静沈着で天才肌なまとめ役]
O[施設班、少し気弱でオタクっぽいが機械やドローンに造詣が深い]
P[遠征班、小柄だが朗らかで野外での活動の才能が高く一度見た風景を忘れることが無い]
S[遠征班、糸目で音楽や文学に詳しいムッツリスケベ]
T[遠征班、小柄だが自転車が趣味で体力が高い人の好い性格]
H[遠征班、元学芸員の歴史オタでフィールドワークの経験から重機を動かせ体力もある]
I[偵察班、長身痩躯で極めて性格が善性な人物]
GとIは早足で来た道を戻ると脇道へと入る。
「こっちは大分上からのドローンの映像でしか見ていない・・・慎重に行こうか・・・」
「勿論です。」
『ゾンビ』の姿は数体見られ、潰れて壁にめり込んでいる自動車が道を八割方塞いでいた。
「狭いが・・・通るか、先行する。」
「了解です。サイドと後ろはこちらで見ておきます。」
Gが自動車と道の端の僅かな隙間に入ると共に、車の陰からタイミングからゾンビが顔を出した。
「っ!・・・・」
驚いた顔をしたGは声を何とか押さえ、観察する。大抵の『ゾンビ』はここまで接近しなくてもパウチからの悪臭で逃げていくはずであった。
「・・・鼻が潰れてやがるな。」
『ゾンビ』の顔面はどこかにぶつけでもしたのか腫上がり、血と体液が乾燥した後にまみれ、鼻は捻じ曲がっており鼻腔は瘡蓋で塞がれているようであった。それを見たGは悪臭を放つパウチの口を手早く大きく開けた。
「うっぷ・・・!!」
「Gさん・・・ぐえっ」
思わずえずき、胃液が食道まで逆流するも、耐える。口から出してしまえばマスクをしている今の状態では大惨事になってしまう。涙で視界がぼやけるほどであるが、耐えて前を見る。
「あ・・・ああああああああ・・・・・・」
『ゾンビ』は少しの間静止し、その後奇声を上げ手足を振り回しながら遠ざかっていった。
「Gさん、何かするなら教えてくださいよ・・・それでこれは?」
「ん?ああ・・・いくら鼻の穴が詰まっていても息をする以上多少は口から空気が通る。それに、このかわいい悪臭ちゃんはどこか舌にも残るからな」
「なるほど・・・それに、いくら着込んでいてもなるべく接触したくないですからね。」
「ああ・・・」
Gはおもむろに背負っているバッグ、正確に言えばその外側につるしてあるモノを後ろ手に確認する。
「モノはあるさ。しかし・・・なるべく使わないに越したことはない。こういったものを多用するようじゃあ、すぐに大多数の皆さんの仲間入りだ。」
「ええ・・・先を目指しましょう。」
「そうだな、雑談しすぎた。この車さえどかせば・・・いや、道自体が狭いな。デカブツを通すにはさっきの道を掃除するしか無いか・・・」
その後はさしたる問題もなく本来のルートに合流できたGとIは安堵の息を吐くが、ゆっくり休む暇も場所も無かった。ただ、目的地まではあと少しまで近づいていた。




