第96話 望まぬ贅沢品は?
「・・・ハルカ博士・・・
最後は、資金問題と捏造疑惑でマスコミに追究され、学会から去っているけど・・・
「超魔王」の素体を完成させたほどの人が、そんなヘマをするかしら?」
「どうせ、何かの理由で助手が裏切ったのでしょ?」
学者のひとりがジト目で、ナキを見た。
「うーん・・・見事に「とどめの告白・・・」返り討ちにあって、「解雇」・・・
事実上の「玉砕」にゃ・・・
それで、「恨み」に思って、「自分に振り向かせる」ため、相手の「大事なものを壊してみる」・・・
彼女は、「研究」で、全人類に対して奉仕・・・
それだけが、存在理由で、同調できない協力者は、「クズ」だったみたいにゃ。」
資料を読み、ナキが語る。
「堅物にゃ・・・」
「うーむ・・・そうだ。
例えば、わかりやすい例・・・
人猫が、「貴金属」をもらって、うれしいかしら?」
「そうですね・・・」
「何も感じません。」
「せいぜい、業界の人だったら喜ぶとは思いますが・・・」
口々に言う。
「そう。ハルカ博士にとって、「恋愛感情」なんて、猫人を知らない外国人が、貴金属を贈るようなものだった。
それが、度を過ぎたから、腹を立てた・・・」
「バカだから、気付かなかったにゃ!
無駄な「贈り物」されて、どんどん機嫌悪くなっているのに、「ご機嫌いかが?」なんて言われりゃ、そりゃキレるにゃ!」
ナキが、髪の毛を逆立てる。
「とどめに、こつこつと創っていた大事なものを「破壊」された・・・」
「こりゃ、怒るにゃ・・・」
「ある意味、「古代文明」の人々は、とばっちりですね・・・」
「しかし、皮肉です。それがなければ、我々は生まれていないのですから。」
感覚の違いです・・・




