第88話 猫に小判?
ヒデアツが、目を丸くした。
「キティルハルム王族は、「公費」で生活していませんよ。」
そうなのだ。
「「評議員収入」、「公務収入」、「事業者収入」の三つが、王族の収入です。」
「「へ?」」
驚く二人。
「名を残している王・女王は大抵、「事業収入」で生活しています。
私は、いくつかの特許を取得していますので。」
特に、成金だったのが、ライル二世とキティ二世だ。
「そう言えば、殿下は「炭素建材の開発者だと・・・
更に、神波動増幅水晶の他・・・」
ヒデアツは、顔面蒼白になっている。
「しかし・・・その割には、こざっぱりした感じで・・・」
そうだろう。
私の服装は、白いローブだ。
ちょっと見には、魔導師か錬金術師にしか見えない。
チャームポイントは、イリアが尻尾に結んでくれた、青いリボンだ。
「ミリアム様もそうですが、我々は、宝石類を装飾品として用いません。」
「・・・・・・素晴らしいデザインだが・・・
特筆すべきところがないな。」
むしろ、誉め言葉。
もっと言って。
「そうだな・・・宝石類がない。」
「ええ。」
ライアスとヒデアツが、言った。
「にゃ。あちしらにとって、錬金術の材料や、機械の部品に過ぎないにゃ。
キティルハルムでは、安物のルビーで八千ノワール(二十一世紀の日本円で八千円)にゃ。」
「「!!!」」
「ちなみに、貴金属で唯一それなりの値がつくのが、クリスタルですか・・・」
イリアが説明する。
「ルビーは、光を収束して、レーザーにします。
エメラルドは、光を通して距離を測れます。
このように、優れた性質を持っているので、キティルハルムでは古くから、宝飾品として扱われないのです。」
「大体、飾るならクリスタルがいいにゃ。
宝石は論外だにゃ。」
まあ、学生時代お小遣いで悲鳴を上げていた私が、こんなことを言える身分になるとは・・・
姫だけど。
蛇足ですが、「とある画家」が新しい顔料を開発したため、キティルハルム王国では宝石類は、更にお安くなっております。




