第867話 新惑星の生物
「うーむ・・・」
ユニィは、悩んでいた。
惑星ミリアリアで発見した生物、「ウイング・ラビット」についてだ。
一見、ウサギに見えるが、「鳥類」だった。
卵生である。
「ごくり・・・」
自分の胸に抱いたそれを、見て葛藤する。
「飼うか食べるか・・・
それが、問題なの・・・」
ユニィが悩む最大の理由・・・
この生物・・・
やたら、人懐っこいのだ。
「うう・・・」
涙を流し、ウイング・ラビットの頭をなでる。
すると、ウイング・ラビットは気持ちよさそうに、目を細める。
「かわいいの・・・」
ふと、ミリアムが地球の日本で「鯉」という魚が「食用」と「観賞用」とされていたと言っていたのを思い出した。
「きっと、「鯉」を食べたくないと言っていた人は、同じ気持ちだったかもしれないの・・・」
そのときだった・・・
「くくく・・・
君にも、そんな悩みがあったか・・・」
そこにいたのは、ジョルジュだった。
「なんだ・・・
用がないなら帰ってなの。」
そっけないユニィ。
「おや?
「猫」と「ネズミ」で「コレ」かい?」
「どーでもいいの・・・」
ちょっと考える、ジョルジュ。
「これが食べられないなら、「卵」はどうだい?
陛下から、ある宗教の風習を聞いたんだ。
人間の身体を借りて布教した神様の、「復活の日」を祝って特別な卵を贈りあうってね。」
「確か、「イースト」とか言ったの。
パンの膨らし粉の菌類の。」
「「イースト菌」だよそれ・・・」
イースターか・・・
ユニィは、少し考えた。
ある方との割烹で、思いついたネタです。




