第76話 意気投合
ヘクセンティアール城の王太子専用研究室・・・
「これが、神波動変換システムで、これが・・・」
「ほほお・・・」
すごい!
私なんぞ、パワーで圧倒することしか考えていなかった・・・
「歌で、世界を救う・・・いいですねえ・・・」
リン・ミン○イみたいだ。
「私も、こんな研究・・・
いやなんです。
普通なら、軍隊や兵器ってのは宇宙連邦との式典にあればいいはずなんです。
けど、超魔王って敵がいる以上、仕方ないじゃないですか。」
「そうですね・・・
超魔王は、人の全てが嫌いなんです。
特に愛とかそういうのが。
なんとなく、理解できるんですよ私・・・」
「こんなもんを基本的人権に組み込むこと自体が間違いだ。非恋愛の権利も組み込むべきだ。」って前世では、大マジで考えていましたから。」
「でも、ミリアム姫・・・?」
「そう。異端なんですよね・・・
そういうの。昔の「政略結婚」ってのは、そう考えると当人たちの意志を無視しているといわれていますが・・・
それでも、「恋愛至上主義」なんですよ。結局は。」
「ドライですね・・・」
「でも、そんな私でも、夫と娘に「愛」を学びました。だから世界を護りたい。愉しいんですよ。今の人生が。」
「それはわかります。でもどうして超魔王は、それが嫌なんでしょうか・・・」
「怖いんですよ。」
「怖い?」
「怖いって言うと、大抵「敵」を連想するでしょう?
しかし、彼女はそういうものを「どうしようもない変質者」みたいに思っているようです。」
「説得できないんですか?」
私は、首を左右に振った。
「できれば、古代の人たちがしたでしょう。
特に彼女は、そうされることすら「神聖な行為」への妨害と考えていたようです。」
でも・・・
と、私は続ける。
「私たちは、いい友人になれそうですね。」
「ええ。」
マーフォーク 魚人族のなかで最も人間族に近い種族。
ヘクセンティアール王族は、この種族が多い。




