第76話 若作り?
妙ににこにことしている、テティス。
「これなどどうでしょう?バスコ・ダ・ガマの丸焼きです。」
バスコ・ダ・ガマ・・・
海棲型の三十センチほどの蛙である。
航海士のような名前である。
「うまいにゃ!これ、いけるにゃ!」
ナキが、丸焼きをがっついている。
「もうちょっと、上品に食べなさいよ。」
これでも、母親である。
「にゃあにゃあ・・・」
乳飲み子である娘、ミラに説教されている。
「うーん・・・大変おいしいです・・・けど・・・なんでこんな固有名に?」
「ライテス卿が、とある航海士のことを話されていたとされています。しかし、発見者が「その名は蛙にこそ相応しい!」と言って・・・」
なんじゃそら。
「おひめさまいくつ?」
「こ・・・こら!」
「十二です。夫を迎えた頃には、いろいろ言われましたが。」
「おさかなさんって・・・たまご?」
「たまご・・・
いいえ。ユニィ姫。私たち「ノーフォーク」は、胎生・・・つまり、おなかのなかで育ててから産みますよ。魚により近い「真魚」や「人魚」は、卵生ですけど。
マーフォークは、彼らと同じ力を持ちながら、人間族と同じ外見と能力を持っています。
ある意味、始祖人猫と、現在の人猫の違いみたいですね。」
私は、内心ひやひやものだった。
だって、女性に歳を聞くのは同性でもコワい。
しかし・・・
ヘクセンティアールって・・・
そんな頃から、結婚できるんだ・・・
「ところで、ミリアム姫にお見せしたいものがあります。」
「「新型」のシステムですか・・・」
「はい。
超魔王に対抗するには、人自身強くなるだけでなく、味方全体を強化する必要があると感じました。そこで、私は「歌」を使うことを思いつきました。」
「あ・・・あずさ二号・・・?」
「アレをヒントにしました。」
歌で動く、巨大ゴーレム・・・
しかし、つくった本人は娘にこう罵倒されたとか・・・
「今度は何作った!このクソ親父!」
うーむ・・・
リアル・ミン○イアタック?
いいえ。若かったんです。




