第72話 海上王国
キティルハルムから、ヘクセンティアールへ、船を走らせる。
王族御用艦シルバーキティルハルムだ。
「きゃううう♪」
ユニィが、ご機嫌だ。
イリアが、かなり伸びてきたユニィの髪に、ピンクのリボンを、結びつける。
「きゃううう♪」
気に入ったようだ。
「ママ、ヘクセンティアールって、おさかなさんのくに?」
「そうだよ。ご先祖様は、クラーケンと戦ってヤバいところを、初代の王様に、助けてもらった訳。」
そういえば、王女様が誰もやらなかった魔装騎士の開発をしているとか。
「おさかなさんのおひめさま、神波動出したら、ママみたいにへんしんする?」
「みたいだよ。」
甲板を見ると、いた・・・
船酔いしているナキが・・・
「つ・・・悪阻が・・・」
「もう、産んでるから!それ、船酔いだから!」
「にゃあッ!」
腐ったギャグ飛ばすな!
で、亭主と娘に突っ込まれていたら、世話はない。
ほっとこう・・・
「鳥の翼を持った魚人になるんだって。」
「きゃうううッ!おばあちゃんが、「セイレーン」っていってた!
おうたがうまいって!」
興味あるなあ。
地球にも伝わっていた、海天使か・・・
私も、見てみたいな。
大概の場合、「セイレーン」は「海魔女」とします。
しかし、あえて「海天使」としました。




