第710話 ファクベリオン攻防6
やがて、ファナの神波動は、混沌神波動へと変わり、彼女自身の身体も「進化」していた。
「あちしが・・・
「変身」したにゃ・・・」
不思議と、落ち着いた感覚・・・
「ああ・・・
これが・・・
「悟り」というモノかにゃ・・・」
アル・ファシルの右前脚が、ファナを襲った。
「にゃッ!」
高速回転する、電動ノコギリがそれを止める。
ギュイイイイイイイイイインッ!
「ガウッ!」
アル・ファシルは、慌てて右前脚を退く。
爪が、ことごとく削られていた。
「がああああああああああああああッ!」
アル・ファシルは、三つの口から、火炎弾を連発してくる・・・
そのころ・・・
「ケイン副隊長!
かの艦は、崩壊します!」
部下が、ケインに言った。
ケインたちは、一人も欠けることなく、敵兵を殲滅していた。
「先に行け!」
ケインは、部下に声をかける。
「し・・・
しかし・・・」
「私は、隊長を待つ!」
「わ・・・
かかりました・・・!
皆!
撤収!
脱出準備の上、ギリギリまでお二人を待つぞ!」
「「「おお~!」」」
部下たちは、声をあげた。
ファクベリオンは、工兵隊の破壊工作によって、崩壊が始まっていた。
「社長・・・
本懐を遂げられることを、信じて待ちます!」
さて・・・
脱出は、間に合いますか!?




