第709話 ファクベリオン攻防5
「にゃあああああああああああああッ!」
ファナは、子供の頃のことを思い出していた。
「従業員の皆さんは、陛下から・・・
そして、国民の皆さんからお預かりしているものにゃ・・・
だから、事故や怪我なんてもってのほかにゃ・・・」
「うん祖母ちゃん!」
「だから、従業員の皆さんは大事にするにゃ。
そうすれば、実績となって返ってくるにゃ・・・」
言うと祖母リリは、ファナの頭を撫でたのだった・・・
「入社当初は、真面目な奴だったのに、憐れなヤツにゃ!」
ファナの神波動が燃え上がった。
「あちしは、「本職」じゃないけど・・・
やってみるにゃ!」
ファナの神波動が、黒く変化していく・・・
「こ・・・
これは・・・」
エラルが、息を呑む。
「め・・・
珍しいことだ・・・!
最近の人間は、ミリアム女王以外、「悪に」墜ちずに暗黒神波動に覚醒する場合、「悲しみ」で覚醒することは珍しいらしいが・・・」
「貴様にはわかるまい。
多くの女をたらしこんだ・・・
遊びで、女と付き合っていた「スケコマシのエラル」には。」
ライルのジト目が、突き刺さる・・・
「ま・・・
真面目だな・・・あなたは・・・」
エラルは、絶句した。
やがて・・・
「にゃああああああああああああッ!」
ファナの神波動は、銀色に変わっていく・・・!
「このまま・・・
このまま、安定させるにゃ!」
それは・・・
ただのかたき討ちのための、覚醒ではなかった!
「こっち」の世界でも、キティルハルムの建国期では初代エラルに対して、ライル初代ミケランジェロは、特に仲が悪かったようです。




