第708話 ファクベリオン攻防4
「あ・・・あーッ!」
アル・ファシルは突然、どす黒い神波動を噴出し、ありえない姿へ変わっていく・・・
そして・・・
三首のライオンで、背に翼という魔獣に替わっていた・・・
「こ・・・
これは・・・
まさか・・・」
ファナの脳裏に、ある可能性が閃いた。
「あの野郎・・・
善の心を捨てきらずに、「闇」に墜ちて「悪の大魔王」なんかになったため、狂った「暗黒神波動にやられたにゃ・・・
ある意味憐れにゃ!」
「やはりな。」
悪のパスキールパレスでは、ライルが腕を組んでいた。
「ファクベリオンの座標から、制御不能な暗黒神波動を感じた。
あれは、「善属性」でも「悪属性」でもない。
「暴走」だ。」
かつて、天空の勇者ルミナリアが最初に「善属性」の暗黒神波動に覚醒している。
「とにかく・・・
あの人は、スカウトしない方がよかったのかもしれません。」
猫邪神ノワールは、どぶろくのワイン割りのグラスをあおった。
「にゃーッ!
スフィンクスだか、ケルベロスだかわからんにゃ!」
アル・ファシルは、中央の口を大きく開く。
「にゃーッ!」
ファナはとりあえず、爆裂魔法を叩きこむ。
「ごふッ!」
だが・・・
残りの二つの口が、炎の魔法球を形成していた。
「にゃッ!」
ファナは、呪文を唱える。
「ごはッ!」
アル・ファシルの二つの口から、炎が飛び出る!
「微小氷結界!」
炎が、ファナを襲うが、ファナは防御しきった。
「にゃあああああああああああああッ!」
ファナの電動ノコギリが回転数を、さらに上げていく!
「「猫」だからって、「ライオン」系はないにゃ!
スフィンクスか、マンティコアにしておくにゃ!」
「猫」だからって、これは・・・
それと、猫邪神が飲んでいる酒って・・・




