第704話 工場戦艦ファクベリオン
「・・・と、いう訳で、リケ神が大魔王ミケランジェロを、討ち取られました。
しかし、敵要塞悪のパスキールパレスを外部から修復する、通称「工場戦艦ファクベリオン」は、確実に潰さねばなりません。」
私は、立体映像と同時高速重力波通信で、戦場全域とパスキールパレスのスパコーンや王、艦隊指揮官と連絡をとっていた。
「せやな。
ウチも、送られてきたデータから見ただけなんで、ようわからんけど・・・
あのデカブツ・・・
ただ、力任せにぶっ潰せばいいってシロモンじゃないで。」
スパコーンが、言った。
「ええ。
それこそ、機械に詳しい・・・
「専門家」でないと・・・」
そこで、スパコーンが頭をひねる。
「あのパンダさんは、どうなん?」
ユアンのことだ。
「無理ね。」
「って・・・
まさか・・・
キティルハルムの工兵隊の隊長・・・
ファナ・バルカン・ミケランジェロ社長かいな!」
そのとき、アルナスが白衣を翻した。
「大丈夫なのか?
そうすると、彼女の敵は「大魔王アル・ファシル」だ。
ファナ社長は、ミケランジェロ一族最強の「潔癖症」だという話ではないか!」
「そう。
彼女にとって、その相手こそ、「法を破り、部下を殺し、祖母を殺した」相手・・・
許せる訳がない・・・
キティルハルムの最高刑「無期禁固」で、妥協したけど・・・
大魔王になったことで、殺意が増幅したみたいね。」
ああ・・・
「猫」は、執念深い・・・




