第66話 ネズミ一匹逃がすな!
「ううッ!
この国は、異常だ!
猫が人を兼ねているッ!」
黒いネズミが、町中を駆けずり回っていた。
「先輩は、よくこんなのと渡りあったな・・・」
キティルハルムの王都・・・
ここでは、図書館の騎士団、銃士隊、格闘士隊、魔導師隊、海兵隊、警察隊、学生義勇兵といった戦闘集団が、総出で「彼」を追い回していた。
「生かして帰すな!」
「「実験用マウス一号」の後継者に違いない!」
「逃がすにゃ!
追い詰めて情報を吐かせるにゃ!」
「ゲロとヘドロを同時に吐かせてもいいぞ!」
ヘドロってなんだと突っ込みたくなった。
不意に、誰かの足にぶつかる。
「え・・・えーと・・・」
見上げると、そこには銃を持った銃士がいた。
「さあ・・・
情報とゲロとヘドロ・・・
血反吐も吐いてもらおうか。」
「ぎゃあ!何気に増えてる!」
ネズミ・・・
実験用マウス二号は、思いっきりびびった。
「ぎゃあああッ!」
それこそ、脱兎のごとく逃げる。
ネズミだが。
「わッ!」
目の前に、黒猫の若い女がいた。
「いいですか?
この国は、何度もネズミに苔に・・・
いや、コケにされています。
それといいことを教えてあげましょう。
この国は、「図書館」の国。
猫は、図書館の「番人」なのですよ。」
彼女は、ミナだった。
「受けなさい!
光輝閃熱針!」
「わッ!」
実験用マウス二号は、次々と襲ってくる炎の針をかわしまくる。
「さすがネズミです。すばしっこいですね。」
「で・・・でも・・・ネズミだって・・・」
跳躍し、ミナに噛み付こうとするが・・・
がしッ!
掴まれ、力いっぱい握られる。
「「窮鼠猫を噛む」・・・ですか。
しかし、私たちは噛まれたら最後・・・
相手を「噛み殺す」まで、いたぶりますよ。」
ミナ姫のセリフ・・・
マジです・・・
怖い・・・




