第653話 黒猫の魔導士
時間を、リケが動力炉に侵入した頃に巻き戻すこととする。
「ナイトダルタニアン最大戦速!
リケ様が、動力炉を破壊するまで、妨害しようとする敵戦力は、こちらと陛下が向かった先に集中していると考えられる!
我ら、キティルハルム銃士隊はその一つを叩くことである!」
神波動レーザーやミサイル、魔装騎士の銃撃・砲撃が迫ってくる敵機やミサイルを落としていく。
「ゆくぞ!
一人はみんなのために!」
ダルタニアンが、唱和する。
「「「一人はみんなのために!」」」
「みんなは一人のために!」
「「「みんなは一人のために!」」」
ダルタニアンの唱和に応えて、隊全体が唱和する。
「隊長!
前方に、隔壁が!」
アラミスが報告する。
「新兵器の「魔術砲」を使用する!」
すると、杖を持った少女が、構えた。
「銃士隊魔術師団隊長ウィズ・ノワリア・アルム・・・
いきます!」
少女は、ダルタニアンの娘ウィズ。
遠い先祖から受け継いだ、黒い耳と尻尾が特徴の魔導士だ。
王家の血を引く「一級貴族」のなかでも、その才能は飛びぬけていた。
「重力波動!」
ナイトダルタニアンの「胸部」から、凄まじい重力の魔法が飛び出て、隔壁を破壊する。
「通常の千倍の破壊力を記録しました!
宇宙戦闘でも、魔法は有効です!」
アトスが報告する。
「恐らく・・・
恐らく、大魔王アルムがここを守っている!
総員・・・
気を抜くな!」




