第649話 女王マグネシューム
「平和神の聖騎士団・・・
一斉掃射・・・
撃てぇッ!」
リケの直衛の隊長を務める、夫のヴィヴリオの号令で、ピースフルリケに接近する敵部隊は殲滅される。
ときおり、
「宇宙の正義と、無の清浄のために!」
という絶叫が敵機から聞こえるのがやるせない・・・
「輝きの薔薇嵐!」
ピースフルリケの右タラップから、無数の黄金のバラが飛び出て最後の隔壁を破る!
「よくぞ来られました・・・」
ピースフルリケの艦橋のスクリーンに貴族然とした女性が・・・
「何だにゃ?
あのおばさん・・・
大魔王のようだけど・・・」
リケは、スクリーンに大写しになった女性に絶句した。
「お・・・
おばさん・・・」
「おばさん」は、顔を引きつらせるがすぐに気を取り直す。
「私は、女王マグネシューム・・・
平和神リケ様・・・
お茶の準備など、できておりま・・・」
「断るにゃ。」
「・・・よって・・・えっ?」
いきなり口上をさえぎられて、自称「女王マグネシューム」は言葉を失った。
「しかし・・・
よく燃えそうな名前にゃ・・・」
「マグネシューム」だけに。
「察するに・・・」
じゃきッ!
バババッ!
平和神の騎士団の機体と、ピースフルリケの砲門が、彼女に照準を定める。
「その奥が、「動力炉」にゃ?」
リケは、ニヤリと笑った。




