第645話 伏魔殿にて
「ライル・・・
戦況は?」
猫邪神ノワールは、ライルに尋ねた。
「思わしくありません。
先日復活させた、豚の大魔王ルイ・美・豚はパンダの職人に返り討ちにされました。」
「にゃ・・・
「私は、パンダ。」と宣っていたようにゃ・・・」
ミケランジェロが補足する。
「豚人の割に「少ない」と、突っ込まれていました。」
「どーでもいいにゃ・・・」
ノワールは頭を抱えた。
リシテアール・・・
こんな奴らばっかか・・・?
「猫邪神様・・・
嫌悪感でございますか?」
悪の魔女が尋ねる。
「ええ・・・」
猫邪神ノワール・・・
彼女は、元は人の愛に溢れる世界を目指して裏切られただけあって、少しでも楽しいものがあると嫌悪感を示す。
「特に、あの悟りきったジョルジュ・・・
人の倍は「生きている」アルナス・・・
そして・・・
不幸を「ねじ伏せようと死に物狂いの」ミリアムには・・・」
猫邪神の尻尾が逆立つ。
彼女は、必死で努力している人間が嫌いである。
本能的に、「恐怖」と「嫌悪」を感じるのだ。
しかし・・・
「あの女王は・・・
猫邪神様の「本質」を見抜いているようですにゃ・・・」
ミケランジェロの言葉が、気になった。




