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第643話 写本していた日・・・
「最初ね・・・
文書を見つけたとき、私はノワールの語学解析能力に舌を巻いたわ。
あなたやアルナスのように「最初から」知っているという訳でもなくね。」
「隠していませんけど、誰かから聞きました?
私や彼女が、「転生者」だって・・・」
まさか、見抜いたのか・・・
「「カン」ね。
後は、要塞空母艦のクルーに聞いたのね。」
「とにかく・・・
「日本語」は古語の扱いだったんですね・・・」
「そう・・・
あの日・・・」
聖なる魔女は、語り始めた・・・
「これは・・・
私には、残せません・・・」
「どうして?」
ためらうノワールに、エレノラは尋ねた。
「これは・・・
後の世界が混乱します・・・」
「このとき、ノワールはキティルハルムの建国期から、一回目の超魔王討伐までの間、「国連」という形で世界が統一されるまでは、この事実は混乱を招くと考えたのでしょう・・・」
「確かに・・・」
そのときだった・・・
「私も、仲間に入れてもらいたいな。」
「アルナス卿!」
そう・・・
彼女は、かつてこの世界に「日本語」を広めた人物だったし・・・




