第632話 成敗
ユアンは、飛行魔法でゆらりゆらりと舞いながら、槍の一閃を繰り返す。
次第に速度を上げていく・・・!
「うおおおおおおおおおおおッ!」
反撃に転じようにも、動く範囲が狭められていくのだ。
さすがに、ルイはかわせない。
まるで・・・
「演武にゃ・・・」
「これでも私は、トラルティールの騎士団の待遇なのですよ。」
ユアンは、白銀騎士待遇だ。
しかし、国連軍に所属しているため、実際には黄金騎士扱いといってもいい。
「強い訳にゃ・・・」
キティルハルムで、彼女に勝てるのは銃士隊隊長のダルタニアンくらいだろうか・・・
「トラルティール出の軍人はね・・・」
いよいよ、ユアンの槍裁きが見えなくなってくる・・・
「「力だけ」でも・・・
「想い」だけでもだめなんですよ!」
神波動が、高まっていく・・・!
「かつて、この奥義を極めたのは、歴代のティアムル家の騎士団長だけでした・・・」
「ま・・・
まさか・・・
伝説のトラルティール騎士団流・究極奥義にゃ!?」
ファクトリアとて、耳にした覚えがある。
ユアンは、そのまま高速飛行し、ルイに突っ込む!
「ティアムレット・バースト!」
「!!!」
断末魔の声すら上げず、ルイは粉みじんになって散った。




