第623話 鉄道会社の採用試験
「陛下もご存知でしょうけど・・・
雪尾おじさまは、変わった方ですわ。」
ユイちゃんが、お茶を飲みながら言う。
「何せ、傘下の鉄道会社を再編して、社長以下の新社員を募集したとき・・・
その「採用試験」が・・・」
「ぷぷぷ・・・
あれは、ひっかけ問題です・・・」
「ええ。」
「そ・・・
それは?」
私は、身を乗り出して聞いた。
き・・・
聞きたい!
「「地」面の「中」の「海」は、なんと言うか?
です。
「地底湖」はありえませんわ。」
「まさか・・・」
脳裏に、ピンとくるものが・・・
「「地中海」?」
「ええ。
そうですわ。
しかし、「地底湖」と答えた方は、「不採用」なりました。」
「なんで?」
私は聞く。
「なんでも、瞬時に柔軟な回答を出せるのが、ポイントだとか。
事実、「地底湖」と答えた方は、頭から湯気が出ていたそうですわ。」
「しかし・・・
あなたの伯父さんって、どう思ったのかしら・・・」
「ええ。
「なぜわからないのか。」と思ったそうですわ。」
発想の転換というヤツか・・・
私は、窓を見る。
なぜか、ゴゴゴゴゴゴゴという爆音が・・・!
「ま・・・
まさか・・・」
このキティルハルムに轟音を響かせて飛ぶ機械など、ありえない!
「まさか・・・
「銭湯機」!?」




