第605話 メリケン波止場
「今日は三人を、「メリケン波止場」に案内しましょう。」
次の日、私は三人の稲荷神の幼女に言った。
「キティルハルムは未だ、世界一の食糧生産国でしょ?」
おや。
葉狐ちゃんが、ぶすっとしたぞ・・・?
確かに現在、世界の食料の六割を生産している。
「葉狐ちゃん・・・
キティルハルムでは、石油由来の樹脂材料の四割を輸入しているのね。」
「「「・・・!?」」」
びっくらこいてる!
葉狐ちゃんにしても、「石油製材」があることに驚いていたっけ。
キティルハルム王都第四埠頭・・・
ここで、たくさんの船員と作業者が、積み荷を船から下ろし、トラックに積み込んでいる。
積み込み終わったトラックに、エルフ女性の運転手が乗り込み、走り出す。
トラックには、「いずず」と書かれている。
「「エルフ00111」という車種のトラックよ。」
「どーでもいいです・・・」
ま、どーでもいいか。
「で、「アレ」が、「メリケン粉」なんですの?」
ミユちゃんが、聞く。
「ええ。
特に、トラルティールのウズドガルド大公領では、良質の樹脂が生産されます。」
「最近じゃ、格闘士隊の武器が「合成樹脂」に変わってきていてね・・・
その武器の名前がね・・・」
ミユちゃんは、ハッとした顔をしている。
「まさか・・・
その材料を、荷揚げしているから・・・」
「「メリケン波止場」って・・・」
ミユちゃんの言葉を引き継いで、ミレイちゃんが言う・・・
「そういうこと。
「メリケンサック」は、オリハルコンとの複合材だけど、質がいいわ。」




