第60話 闇の中で
-さすがに気付いたか。-
最近、リシテアールで観測されたばかりの第六惑星で、「それ」は、舌打ちした。
第六惑星・・・
巧妙に造られた、「人工惑星」・・・
目下の幸いは、「銀河人」を初めとする「宇宙連合」に察知されていないことか。
さすがに、リシテアールの技術をもってすれば、詳細なデータを採られるであろう。
特に、キティルハルムの総合導師王女は、厄介だ。
「あの」自分の右腕といえる「鼠の大魔王」を倒した女王の子孫であり、最強の総合導師と同じ力をもっている。
次期女王の修行を充分つんでいるが、恐るべきことに、科学導師、外交官として自国とパスキールを、往復している。
おのれ!せっかく勇者共がいないというのに、あの王女姉妹にしてやられそうだ!
くそ!
あの軌道エレベーターは、
あの太陽電池衛星は、
我々に余計な情を向けなければ、遥か太古に我々が、完成させてやったものを!許せぬ!
だが、今は待つ時・・・
実験用マウス一号、二号よ!
「はーい!」
「ここに。」
白いネズミと、黒いネズミが現れた。
艦隊の生産を進めよ!
そして、人鼠部隊の量産は、進んでおるか!
「順調だよ。」
「そろいつつありまする。」
くくく・・・
今度こそ宇宙そのものという有害廃棄物を、粉砕してくれる!
「敵」が、暗躍しています。




