第589話 黄金の熊の首を追え!
ふう・・・
今日の執務終了~♪
私は、執務机に飾ってある「ミリアリア」を手に取り、磨く。
う~ん・・・
実は私って、前世からプラモ好きだったんだぁ~♪
「母様!
大変なの~!」
ユニィたちが、執務室に飛び込んできた。
「ベ・・・黄金の熊の首が、何者かに盗まれたの!」
「へッ!?」
・・・・・・
「あんなもの盗んで、どうすんの・・・」
そうなんである。
キティルハルム国民には、重要な「宝」ではあるが、それ以上の価値はない。
「絶対、鋳つぶしてインゴットにする気にゃ。」
「ナキさん・・・
あなた・・・
戦争が終わったら、「商工ギルドマスター」として、嫌でも見ることになるの!」
ユニィの言葉に、思わず「ムンク顔」になるナキ。
「ならば・・・」
私は、五十個程の「電動虫」を取り出す。
「はあッ!」
私の神波動に反応して、四方八方に飛んでいく・・・
「見つけた!」
すかさず、葉狐ちゃんが、私の頭に左手を当て、右手を壁に向ける。
葉狐ちゃんの右手から出た光が、映写機のように像を映す。
「「あ~ッ!
パルパスに、ミケランジェロ・・・
それにあれは・・・」」
ユニィとアルムス、ナキが声をあげる。
「・・・銃士隊の隊長さんにどことなく似てるです・・・」
「似てるも何もない!
あれは、彼の先祖・・・
初代女王ノワールの次女にして、初代騎士団長・・・
「初代アルム」よ!」
葉狐ちゃんの声に、私は愕然とした。
「何がしたいんだ!?」




