第574話 三賢人会合
パスキール島のパスキールパレス。
ここで、リシテアール三賢人が会合を開いた。
「今の状況だけど・・・」
ジョルジュが切り出す。
「ダルタニアンが、大魔王アランを倒して優勢に見える。
しかし、猫邪神の世界のこと・・・
あちら側のことは、何一つわかっていない。」
アルナスが言った。
「そうね・・・
一見、歴史の長さから言ってこちらが優勢に見えるわ。」
「まったく・・・
冗談じゃない。
大魔王たちと、人間の新たな可能性が示唆される状況だというのに、つぶされてたまるか。
僕個人としても、大魔王がこれまで持ち得なかった「生存本能」や「防衛本能」の研究を心ゆくまで研究したいのに、邪魔されてたまるかってんだ。」
ジョルジュは、憮然として言い切った。
「そうね。
私としても、惑星で足止めを食っている娘を再び宇宙へ出してやりたい。」
いつわざる本音を、私が口に出す。
「フン!
陛下は、宇宙に夢を見ておられるのだろう。
邪魔者がいてたまらんが!」
アルナスが、吐き捨てた。
「確かに、銀河人を始めとした先達がいくらでもいる。
が、猫邪神がどうにも邪魔だ!」
「そうだよね。
新しく生まれた魔王たちも、同じことを言う者がいるよ。」
ジョルジュが言う。
「正義の大魔王テミスのような?」
「そう。
新世代の魔王たちもまた、「新しき時代」に生きているんだ。」




