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第568話 ある大魔王の墓参り3

「私の母は、厳しい人だった。

父を知らぬ私だが、厳しい母しか知らぬ。

私に徹底的に教育し、鍛えた。

しかし、「上には上がいる」ものだ。」


ウォルストは、青いバラを手向けた。


「それが、勇者エミアだった。」


「普通は、彼女が出世して当たり前。

で、それに迫ることができれば、「優秀」と認められるわよね。」


「そうだな。」


ウォルストは、空を見上げる。


「しかし、母にとってはそれすらも越えなければいけなかったらしい。」


「70点のところを500点要求された訳だ・・・」


ふっと笑う。


「そうだ。

そして、お前の学友とやらの言葉を借りれば、それが原因で「バカになってしまった」訳だな。

「親の心、子知らず」というが・・・

逆も然りだ。」


ふっと笑うウォルスト。


「そして、そんなある日、私は母を殺した。」


「ふーん・・・」


その気のない返事にウォルストは、私を見る。


「驚かないのか?」


「まさか。

私の時代の地球の日本じゃ、エリート教育の失敗例で珍しくもないケースよ。」


私は続ける。


「で、そんな仲間を集めて「決起」した訳か・・・」


「そうだ。

しかしな・・・

三大宗家は、そのようなことが起こらぬように、配偶者が子供の教育法を「教育」される。」


「もしかすると、あなたが大魔王になることを既に先祖の「二代目勇者レイスト」からして予測していた?」


「だろうな。

しかし、時を越えてライテスに出会った時は驚いた。

私を「知った」上で自分をぶつけてくる本物の「アホ」だった。」


「まあ、初対面の大魔王と酒を飲む人だから・・・」


ほんまもんのアホや・・・


「とは言えだ・・・

当時の仲間だった「ファルスト」との間に生まれた子孫がいまだ健在で、まさか我々とお前たちとの仲立ちをしてくれたのは、正直ありがたかった。」




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