第540話 ナキの仕事納め計画7
次にナキが、出してきたもの・・・
「これは、リシテアールでもトラルティール王国の西部・ウズドガルド領のクリスタル鉱山で採掘されたレア・クリスタル・・・
桃色水晶にゃ・・・」
「クリスタルって・・・
高いです?」
葉狐が尋ねる。
「高いにゃ。
他のところだと、宝石は安物でも、できそこないの中型内臓記憶装置が三つ買えてしまう値だにゃ・・・
しかし、クリスタルは別格にゃ。」
キティルハルムでは、機械の需要以外にも、装飾品として扱われる。
「さあ・・・
いくにゃ!」
ナキは、桃色水晶を切削し始める。
やがて、なにやら動物の形が・・・
「こ・・・
これは・・・!」
「あんたの世界に、カッパの「純銅像」をつくったヤツがいたそうだにゃ・・・」
「知ってるです・・・
河原にマッチョな像ばっかつくって、みんなに迷惑をかけてるカッパさんです。
見つけるたびに、パパがぶっ壊してます・・・」
「あちしも、同様の「シスター・カッパ」をつくって、平和の猫神様に奉納しようとしたにゃ・・・」
「どうなりました?」
「・・・超合金製の棘付き鉄球で、女神様にどたま殴られたにゃ・・・」
言う間に、形は整っていく・・・
「その超合金・・・
宇宙戦艦の装甲すら、ぶち抜くにゃ。」
葉狐は、「石化」する・・・
この女の頭蓋骨は一体・・・
そして・・・
「これがホントの「像さん」にゃ!」
桃色水晶の「像」である。




